造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
この記事の監修者
カシューナッツとは
植物名 カシューナッツ
学 名 Anacardium occidentale
和 名 カシューナットノキ / 勾玉の木(マガタマノキ)
英 名 Cashew
科 名 ウルシ科
属 名 カシューナットノキ属
カシューナッツの特徴
カシューナッツは樹高10m〜15m程になるウルシ科の常緑高木です。早咲きのもので11月〜翌1月頃、遅咲きのもので1月〜3月頃に花を咲かせます。
カシューナッツの花は、枝先に長さ20cm〜25cm程の円錐花序を出し、径5mm〜15mm程の単性花と両性花を付けます。花色は、赤味あるいは黄白色を帯びた淡緑色で、花冠には花弁ごとにピンク色の縞模様が見られます。
カシューナッツの葉は互生する単葉で、長さ15cm〜20cm程の倒卵形で、やや硬く光沢があり、全縁です。
カシューナッツの果実は、花托が肥大して長さ5cm〜12cm程の洋ナシ形の赤色または黄色の果托を形成し、その先端に灰褐色の殻に覆われた勾玉型の堅果(種子)を付けます。種子は果托の外部先端に付き、果托そのものには果肉のみで種子を含まないため、この部分のことを俗に「偽果」と呼びます。この果托と堅果(種子)は食用になります。
カシューナッツの名前
原産地の一部である南米大陸北東部地域にポルトガル人が進出した際、現地の先住民族たちが話す本種の呼称「acajú(ゥカジュー)」を、ポルトガル人が聞き取って「Caju(カジュー)」として導入したのが語源とされています。その後、さらに転出して英語では「Cashew(カシュー)」と呼ばれるようになりました。
堅果(種子)の殻を割り、内部にある仁の部分を取り出したものは、英語で「カシューナッツ(cashew nuts)」と呼び、果肉の部分については、英語で「カシューアップル(cashew apple)」と呼ばれ、どちらも食材として用いられています。
本種を和名では「カシューナットノキ」や、「マガタマノキ(勾玉の木)」と呼びます。堅果(種子)の部分が、古代の日本における装身具の一つである勾玉に似ていることから名付けられました。
カシューナッツの食用
種子の中身を取り出した仁はカシューナッツと呼ばれ、その歯ごたえと濃厚な食感が好まれています。仁の約50〜70%は脂肪分と言われ、炭水化物やタンパク質、ビタミンB1をはじめとするビタミン類、カリウム・リン・亜鉛などのミネラルと、5大栄養素を豊富に含むことから、人気のある食材となっています。
カシューナッツを塩で味付けしたものが、そのままお菓子や酒肴などとして良く食されるほか、調理の具材として、シチューやカレーのような煮物料理や、中華料理の鶏肉とカシューナッツ炒めなどの炒め物などにも好んで利用されています。また、いわゆる2級品の実は、カシューバターなどの加工品に利用されることもあります。
果肉の部分はカシューアップルと呼ばれ、多汁質でリンゴに似た芳香があります。カシューアップルは完熟成果であるために日持ちせず、長距離輸送や貯蔵には全く適さないため、栽培産地近辺の限られた地域においてのみ生食されています。加工製品としては、ピュレ、ジュース、チャツネ、ジャム、さらには発酵製品として果実酒などに利用されています。
カシューナッツの利用
カシューナッツの種子の殻からは、「カシューナットシェルオイル」と呼ばれる油脂を採取することができ、油脂そのものとして利用されるほか、塗料の原料としても利用されています。ただし、カシューは「ウルシ(漆)」と同じウルシ科の植物であるため、ウルシオールを多く含有しており、加工の際にかぶれなどのアレルギー反応をきたす人も少なくなく、取扱いには注意が必要です。
カシューナッツの木材は、木造家屋の資材に利用されるほか、炭造して燃料に利用されています。樹皮を粉砕したものを染料の原料として用いるほか、樹脂はゴム材の原料とされています。また、カシューアップルのジュースは、胃腸粘膜保護、解熱に薬効のある生薬として利用されています。
カシューナッツの詳細情報
園芸分類 | 庭木・果樹 |
性質 | 常緑高木 |
開花時期 | 11月〜翌1月/1月〜3月 |
花色 | 淡緑色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 弱い |
カシューナッツの詳しい育て方
カシューナッツは南アメリカ大陸北部ないし北東部地域、ならびに西インド諸島各域が主な原産地と言われ、植生環境としては適度な降雨量のある熱帯地域ないし亜熱帯地域とされています。
カシューナッツの苗植え
苗の植え付けは3月〜4月頃が適期です。日当たりの良い場所を好み、1日6時間程度日光に当てる必要があります。生育温度は20℃以上が適温とされ、10℃以下になると株が弱ってしまいます。
将来的には大きくなるため庭植えが基本ですが、大きくなるまで鉢植えで育てることもできます。用土は、庭土に腐葉土を混ぜて植え付けたら、たっぷりと水やりをしましょう。
カシューナッツの水やり・肥料
根付いてからは降雨だけで問題ありませんが、夏場など極端に乾燥するようなら水やりをしましょう。冬場は水やりを控え、土がしっかりと乾燥しているようなら水やりをしましょう。
肥料は5月と9月頃に、緩効性化成肥料を与えましょう。
カシューナッツの害虫や病気
害虫はアブラムシ、カイガラムシ、ハダニが発生することがあります。害虫に食害されると観賞価値が下がったり、株が弱ってしまうため、見つけたらすぐに取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気はうどんこ病があります。うどんこ病は葉の表面にカビの胞子が付き、白い粉をかけたようになります。病気の部分は取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
カシューナッツの剪定
剪定は3月〜4月頃が適期です。カシューナッツは放任すると大きくなるため、毎年剪定が必要です。剪定をする際は、徒長枝や枯れ枝、混み合っている枝を切り取り、風通しを良くしましょう。
カシューナッツの収穫
カシューナッツの収穫方法は、木になっている実を採る場合もありますが、熟すと自然に落下するため、落ちたものを拾う方法が一般的です。
カシューナッツを木から収穫した生の状態の種にはカルドール、アナカルディウム酸、アミグダリンなどの毒素が含まれるため、生食しないでください。
一般的に流通している食用のカシューナッツは、殻付きのカシューナッツを天日干しして、スチームロースト処理を行い、さらにドライロースト処理を行った後、殻割り・殻むき、品質選別をしているため安全です。
カシューナッツの誕生花・果言葉
カシューナッツは「1月28日」の誕生花です。
カシューナッツの果言葉は「愉快」「敏感」です。
カシューナッツのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが!
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
- 光触媒加工を施すと、目に見えないウイルス・雑菌・悪臭・カビ菌などを分解して、空間をキレイにする効果もあります。
ホームセンターなどで販売している造花やアーティフィシャルは、どうしても偽物とわかってしまい、観賞価値がありません。
グリーンピースのアーティフィシャルグリーンは、日本の職人が国内で作る業界最高のクオリティです。近くで見ても本物と見間違うほどの圧倒的クオリティで、景観や観賞価値を損ないません。
お好みの樹木をお好みの大きさにオーダーメイドも可能で、天然木を使ったMADE IN JAPANのアーティフィシャルグリーンは個人のご自宅をはじめ、さまざまな商業施設や有名施設でも採用され、多くの方に楽しまれています。実際の施工例などもご紹介しておりますので、ぜひ下のページも御覧ください。
カシューナッツのまとめ
カシューナッツは5大栄養素を豊富に含み、世界各地で生食や加工品として食用とされ、日本でもお菓子や酒肴などとして親しまれている人気の食材です。
日本の環境では育てるのは難しいのですが、みなさんも是非カシューナッツを育ててみてはいかがでしょう!