造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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ヒトツバタゴとは
植物名 ヒトツバタゴ
学 名 Chionanthus retusus
和 名 一つ葉田子
別 名 海照らし(ウミテラシ) / ナンジャモンジャ
英 名 Chinese fringe tree
科 名 モクセイ科
属 名 ヒトツバタゴ属
ヒトツバタゴの特徴
ヒトツバタゴは樹高15m〜30m程になるモクセイ科の落葉高木です。日本では5月〜6月頃に開花します。
ヒトツバタゴの樹皮は灰褐色で、樹齢を重ねると縦に割れ目が入ります。
ヒトツバタゴの花は雌雄異株で、今年伸びた枝先に長さ7cm〜12cm程の集散花序を作り多数の白い花を付けます。花冠は長さ1cm〜2cm程で、4つに深く裂けます。花は風で簡単に飛び散ってしまい、開花期になると木の下は雪が降ったように真っ白になります。
ヒトツバタゴの葉は対生する単葉で、長さ4cm〜10cm程の長楕円形で、革質で表面は濃い緑色ですが、裏面は白っぽくなり、全縁ですが、若い木や徒長枝では細かい鋸歯(きょし)が出ることがあります。また、秋には黄葉します。
ヒトツバタゴの果実は、長さ1cm程の楕円形で。10月頃に粉を吹いた黒紫色に熟します。
ヒトツバタゴの名前
ヒトツバタゴという名前は、同じモクセイ科の「トネリコ(梣)」の別名「タゴ」に似ていて、トネリコが複葉であるのに対し、本種は小葉を持たない単葉であることから「ヒトツバタゴ(一つ葉田子)」と名付けられました。また、長崎県対馬市では、湾を囲むようにヒトツバタゴの白い花が海面に映えることから「ウミテラシ(海照らし)」とも呼ばれています。
ヒトツバタゴとナンジャモンジャ
ヒトツバタゴは「ナンジャモンジャ」とも呼ばれていますが、ナンジャモンジャとは名前が分からない大木に付けられた総称です。
ヒトツバタゴはナンジャモンジャと呼ばれる樹木の代表種ですが、ナンジャモンジャと呼ばれる樹木はほかにも、「ニレ(春楡)」「イヌザクラ(犬桜)」「ボダイジュ(菩提樹)」「ホルトノキ」「クスノキ(楠)」などがあります。
天然記念物のヒトツバタゴ
日本国内には樹齢数百年以上の天然記念物に指定されているヒトツバタゴがたくさんあり、その一部をご紹介します。
国の天然記念物
- 岐阜県土岐市の「白山神社のハナノキおよびヒトツバタゴ」
- 愛知県犬山市・岐阜県瑞浪市・恵那市・中津川市の「ヒトツバタゴ自生地」
- 長崎県対馬市の「鰐浦ヒトツバタゴ自生地」
ヒトツバタゴの詳細情報
園芸分類 | 庭木 |
性質 | 落葉高木 |
開花時期 | 5月〜6月 |
花色 | 白色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
耐陰性 | やや弱い |
ヒトツバタゴの詳しい育て方
ヒトツバタゴは日本、中国、台湾、朝鮮半島に分布して、国内では長野県、愛知県の木曽川流域、岐阜県東濃地方および長崎県対馬市に隔離分布しています。日本においては希少種の一つであり、いずれの地域でも絶滅危惧類に指定されています。
ヒトツバタゴの苗植え
苗植えは芽が出る前の2月〜3月頃が適期です。日当たりの良い場所が好みです。用土は、庭土に腐葉土を混ぜ込み、植え付けたらたっぷりと水やりをしましょう。苗木が倒れそうなら支柱を立てて支えてあげましょう。また、将来的には大木になりますので、植え付け場所はスペースを取りましょう。
ヒトツバタゴの水やり・肥料
植えつけてから2年未満の株は、土の表面が乾いたらたっぷり水やりをしましょう。根付いてからは自然に降る降雨で問題ありません。
肥料はあまり必要としませんが、2月頃に寒肥として油かすや鶏糞を株元に混ぜ込みましょう。
ヒトツバタゴの害虫や病気
ヒトツバタゴは病害虫の心配は特にありません。
ヒトツバタゴの剪定
ヒトツバタゴはあまり樹形が乱ず、自然樹形を楽しむ樹木です。そのため、強い剪定を行うと樹形が乱れてしまいます。剪定をする場合は枯れ枝や混み合っている枝、徒長枝を切り取る程度で大丈夫です。太い枝はできるだけ切らないようにしましょう。剪定の適期は、落葉期の12月〜翌2月頃になります。
ヒトツバタゴの誕生木・誕生花・花言葉
ヒトツバタゴは「5月4日」の誕生木です。
ヒトツバタゴは「5月27日」の誕生花です。
ヒトツバタゴの花言葉は「清廉」です。
ヒトツバタゴのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
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- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
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ヒトツバタゴのまとめ
ヒトツバタゴはナンジャモンジャとも呼ばれ、自生地は限られた希少種で、開花期は木全体を花で白く染めるような姿が美しい樹木です。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ヒトツバタゴを育ててみてはいかがでしょう!