造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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ニッケイとは
植物名 ニッケイ
学 名 Cinnamomum sieboldii
和 名 肉桂
別 名 ニッキ
英 名 Japanese cinnamon
科 名 クスノキ科
属 名 ニッケイ属
ニッケイの特徴
ニッケイは樹高10m程になるクスノキ科の常緑高木です。日本では6月〜7月頃に開花します。
ニッケイの樹皮は茶褐色で、若枝は緑色です。
ニッケイの花は、新枝の葉腋に長い柄を出して、散形花序に淡黄色で径5mm〜10mm程の小花を数個付けます。
ニッケイの葉は互生する単葉ですが、互生に見えるものもあり、長さ6cm〜12cm、幅3cm〜5cm程の先が尖った長楕円形です。葉の表面には光沢があり革質で、3本の葉脈が目立ちます。裏面は粉白色で、縁は全緑ですがやや波打っています。葉を揉むとクスノキ科独特の芳香があります。
ニッケイの果実は液果で、長さ1cm〜1.2cm程の楕円形で、秋に黒紫色に熟します。中には5mm程の種子が一つ入っています。
ニッケイの利用
ニッケイはかつて、駄菓子屋で赤紙に束ねられて売られていたニッキやニッキ水、ニッキ飴の原料に用いられ、香辛料や駄菓子用に栽培されていた時期もありますが、現在はより香味の高い中国産の「シナニッケイ」が用いられています。
ニッケイの樹皮を乾燥させた物は、独特の香りと味があり、香辛料、香味料、香料として京菓子の「八ツ橋」などに使われています。また、シナモンケーキやシナモンティー、スパイスなどで用いられている「シナモン」は近縁種の「セイロンニッケイ(錫蘭肉桂)」の枝皮を乾燥させたもので、本種ではありません。
ニッケイの細根の樹皮は「縮々(ちりちり)」といい、太根になるにしたがって「松葉」、「上縮(じょうちり)」、「中縮(ちゅうちり)」、「小巻」、「荒巻」と呼ばれ、樹幹と根部の境界付近の樹皮は「さぐり皮」と呼ばれています。
ニッケイの生薬名は「肉桂皮」または「桂皮」といい、漢方薬「葛根湯」などに含まれ、頭痛、解熱、発汗、健胃などに効能があるとされています。
ニッケイと似ている樹木
ニッケイと似ている樹木に、近縁種の「ヤブニッケイ(藪肉桂)」があります。どちらも3本の葉脈が目立ちますが、本種ニッケイの葉の方が強い芳香があり、葉脈は葉の縁まで達しています。これに対してヤブニッケイの葉脈は途中で消えるため見分けることができます。
また、ニッケイよりも一般的に見られる樹木に「マルバニッケイ(丸葉肉桂)」があります。本種ニッケイの葉に対して、マルバニッケイの葉は半分以下の大きさで、先端が丸い卵形になります。
ニッケイの詳細情報
園芸分類 | 庭木 |
性質 | 常緑高木 |
開花時期 | 6月〜7月 |
花色 | 淡黄色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 普通 |
ニッケイの詳しい育て方
ニッケイは中国、台湾の原産で、江戸時代に日本へ渡来したものと考えられていましたが、徳之島や沖縄本島で野生種が見つかったことから、日本も原産地として扱われ、学名も変更されました。
ニッケイの苗植え
苗植えの適期は3月〜4月頃です。日当たりが良い場所が好みです。用土はあまり選ばないので、赤玉土に腐葉土や堆肥を混ぜたものに植え付けて、たっぷり水やりをしましょう。
ニッケイの水やり・肥料
根付くまでは表面が乾いたら水やりをしましょう。根付いてからは降雨で問題ありません。
肥料は特に必要ありませんが、葉に元気がない時は、寒肥として2月頃に固形の化成肥料を与えましょう。
ニッケイの害虫や病気
害虫は、アブラムシが発生することがあります。葉を食害されることがありますので、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
ニッケイは病気の心配は特にありません。
ニッケイの剪定
ニッケイは大きく成長し、枝葉がよく繁りますが、強い剪定は好みませんので、広いスペースで育てたほうが良いと思います。
剪定の適期は3月〜4月頃です。伸びすぎた徒長枝や、枯れ枝、混み合っている枝を切り取りながら樹形を整えましょう。
ニッケイの誕生木・花言葉
ニッケイは「8月27日」の誕生木です。
ニッケイの花言葉は「純潔」です。
ニッケイのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
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- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
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ニッケイのまとめ
ニッケイは、ニッキとも呼ばれ、八ツ橋などのお菓子に使われている樹木です。花や果実はあまり目立ちませんが、枝葉がよく繁り、独特な芳香があります。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ニッケイを育ててみてはいかがでしょう!