造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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リョウブとは
植物名 リョウブ
学 名 Clethra barbinervis
和 名 令法
別 名 畑守(ハタツモリ)
英 名 Japanese clethra
科 名 リョウブ科
属 名 リョウブ属
リョウブの特徴
リョウブは樹高3m〜10m程になるリョウブ科の落葉小高木です。日本では6月〜8月頃に開花します。
リョウブの幹は根元から分岐して株立ち状になり、樹皮は表面が剥離して、茶褐色で滑らかになるので、「サルスベリ」と呼ぶ地方もあります。
リョウブの葉は互生する単葉で、枝先に集まり、長さ5cm〜15cm、幅4cm〜10cm程の倒卵形で先端は短く尖り、縁には細かい鋸歯(きょし)があります。裏面には細かな毛があり、白っぽく見えます。また、秋には紅葉しますが、寒い地域のほうが綺麗に紅葉します。
リョウブの花は、枝先に長さ10cm~20cm程の総状花序を数個つくり、白色の5弁花を密に付けます。花弁は6mm~7mm程で、雄しべは花弁より長くなります。この花は蜜源植物としてさまざまな虫が集まります。
リョウブの果実は蒴果で、径4mm程の球形になり密に毛が生えます。種子は長さ1mm程の扁平な楕円形です。
リョウブの利用
リョウブの芽吹いてすぐの若菜は「木の芽」と呼ばれ、アク抜きしたものを御飯と一緒に炊き込んで「令法飯」をつくります。昔は、若葉を乾燥させて、飢饉の際の救荒食物として貯蔵されたと言われています。ほかには、団子に混ぜて食べたり、天婦羅にして食べられています。
リョウブはの材は緻密で堅くて美しい木材ですが、大きな板が取れないため、材木としてはあまり流通しませんが、稀にろくろ細工や床柱、器具、薪炭材として使われます。
リョウブとサルスベリ
リョウブの特徴でもあるスベスベした幹と似ていることから本種リョウブと、「ヒメシャラ(姫沙羅)」、「ナツツバキ(夏椿)」のことを一部の地方では、方言で「サルスベリ」と呼ぶことがあります。
ただし、リョウブはリョウブ科で、ヒメシャラやナツツバキはツバキ科の植物であり、「サルスベリ(百日紅)」はミソハギ科の植物なので、全く別種の樹木です。
リョウブの詳細情報
園芸分類 | 庭木 |
性質 | 落葉小高木 |
開花時期 | 6月〜8月 |
花色 | 白色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 普通 |
リョウブの詳しい育て方
リョウブは日本、韓国の原産で、北海道南部、本州、四国、九州に広く分布して、山林に自生しています。リョウブは幹が剥がれてまだら模様になり、老木の樹皮には独特の風情が見られ、庭木として観賞価値があります。
リョウブの植え付け
植え付けの適期は2月〜3月頃です。日当たりの良い場所を好みます。日陰でも育ちますが、日光に当てないと花付きが悪くなります。また、西日を嫌うため、西日の当たる場所は避けましょう。
用土は赤玉土に腐葉土と堆肥を混ぜたものに植え付けて、たっぷりと水やりをしましょう。
リョウブの水やり・肥料
庭植えの場合は、根付くまでは表面が乾いたら水やりをしましょう。根付いてからは降雨で問題ありませんが、乾燥が続くようであれば水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土が乾いたら水やりをしましょう。
肥料は寒肥として2月頃に、油かすを株元に施しましょう。
リョウブの害虫や病気
害虫はテッポウムシ(カミキリムシの幼虫)が発生することがあります。幹や枝の内部を食害します。株元にオガクズが落ちていたら害虫かも知れないため、見つけたら、薬剤散布で防除しましょう。
病気はうどんこ病にかかりやすく、葉に粉をまぶしたように白くなる病気です。はじめはポツポツと白く粉をふいているように見えますが、悪化すると葉の全体が真っ白になり、葉にカビが生えたようになってしまいます。見つけたら早めに葉を取り除き、殺菌剤を散布して被害を食い止めましょう。
リョウブの剪定
リョウブは芽吹く力が強いので、強めの剪定にも耐えますが、本来は自然樹形を楽しむ樹木なので、枝先を強く詰めるような剪定は裂けましょう。
剪定は落葉期の1月〜3月頃が適期です。剪定は枯れた枝や、地際から勢いよく出てくるヒコバエを元から切り落としましょう。また、樹形を乱すような徒長枝や、混み合っている枝を切り取りながら樹形を整えましょう。枝を切る際は、枝分かれしている付け根の部分から切り落とすのが自然樹形を保つコツです。
リョウブの誕生木・誕生花・花言葉
リョウブは「7月13日」の誕生木です。
リョウブは「6月30日」の誕生花です。
リョウブの花言葉は「くつろぎ」「溢れる思い」です。
リョウブのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが!
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
- 光触媒加工を施すと、目に見えないウイルス・雑菌・悪臭・カビ菌などを分解して、空間をキレイにする効果もあります。
ホームセンターなどで販売している造花やアーティフィシャルは、どうしても偽物とわかってしまい、観賞価値がありません。
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リョウブのまとめ
リョウブは房状に垂れ下がる花と、樹皮が剥がれ落ちて、まだら模様になる幹にも観賞価値がある樹木です。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非リョウブを育ててみてはいかがでしょう!