造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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ヤマブキとは
植物名 ヤマブキ
学 名 Kerria japonica
和 名 山吹
別 名 面影草(オモカゲグサ)
英 名 Japanese kerria
科 名 バラ科
属 名 ヤマブキ属
ヤマブキの特徴
ヤマブキは樹高1m〜2m程になるバラ科の落葉低木です。日本では3月〜5月頃に花を咲かせます。
ヤマブキは根元から叢生して株立ち状になり、若枝は鮮やかな緑色で稜があり滑らかで、ややジグザグに伸びて、次第に木質化して、灰褐色で皮目が目立ちます。
ヤマブキの花は、その年に伸びた枝の先端に単生します。花は黄色で径3cm〜5cm程の5弁花で、雄しべは多数あり、雌しべは5〜8個あります。ふつう一重咲きですが、園芸品種には八重咲きのものがあり、より好まれます。
ヤマブキの葉は互生する単葉で、長さ3cm〜8cm程の先端が尖った卵形で、縁には細かい鋸歯(きょし)があります。裏面には葉脈が目立ちます。また、秋に黄葉します。
ヤマブキの果実は痩果で、長さ4mm程の広楕円形の実が5つでき、秋になると黒褐色に熟します。5つある果実のうち2つは早期に落下しますが、残りの3つは長い間、枝に残ります。一重咲きのヤマブキはよく結実しますが、園芸品種など八重咲き種は雌しべが退化して、雄しべが変化して花弁になっているため結実しません。
ヤマブキの冬芽は側芽が枝に互生して、長さ4mm〜7mm程の長卵形で緑色や紅紫色になり、5〜12枚の芽鱗に包まれています。横に副芽が付くこともあり、側芽の下にある葉痕は半円形で、維管束痕が3個あります。
ヤマブキの名前
ヤマブキという名前は、細くしなやかな枝が、風に振られて揺れ動く姿から古くは「山振り(やまぶり)」と呼ばれ、これが転訛したものと言われています。また、黄色とオレンジ色の中間色である「山吹色(やまぶきいろ)」は本種の花色が語源となっています。
ヤマブキの品種には、大きな八重咲き品種の「八重山吹(ヤエヤマブキ)」や、菊状の花を咲かせる「菊咲山吹(キクザキヤマブキ)」、葉に白い斑模様が入る「斑入り山吹(フイリヤマブキ)」、白い花を咲かせる「白花山吹(シロバナヤマブキ)」などがあります。
白い花を咲かせるシロバナヤマブキと似ている植物に「シロヤマブキ(白山吹)」があります。シロバナヤマブキは花弁が5枚ありますが、シロヤマブキは花弁が4枚と異なります。また、ヤマブキはヤマブキ属ですが、シロヤマブキはシロヤマブキ属なので別種の樹木です。
ヤマブキの薬用
ヤマブキの葉や花には利尿成分が含まれていて、漢方の利尿薬として使用されています。花は「棣棠花(ていとうか)」と称する生薬になり、民間療法では、咳、関節炎、むくみなどに用いられています。
ヤマブキの詳細情報
園芸分類 | 庭木 |
性質 | 落葉低木 |
開花時期 | 3月〜5月 |
花色 | 黄色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
耐陰性 | 普通 |
ヤマブキの詳しい育て方
ヤマブキは日本、中国の原産で、国内では北海道南部、本州、四国、九州に分布しています。低山の渓流沿いや山の斜面、やや湿り気のある明るい林の木陰などに自生しています。園芸品種もあり、古くから庭木として植栽されています。
ヤマブキの苗植え
苗の植え付けは落葉期の10月〜11月と翌2月〜3月頃が適期です。強い直射日光と乾燥が苦手なので、午前中だけ日が当たるような半日陰が適しています。用土は庭土に腐葉土を混ぜたものか、市販の花と野菜の培養土を使いましょう。植え付けは、根鉢の倍の穴を掘り、植え付けたらたっぷり水やりをしましょう。
ヤマブキの水やり・肥料
ヤマブキは乾燥に弱いため、庭植えの場合も、土が乾燥するようなら水やりをしましょう。
肥料はあまり必要としませんが、寒肥として2月頃に油かすと骨粉を混ぜたものを株元に与えましょう。
ヤマブキの害虫や病気
害虫はハダニ、カイガラムシなどが発生することがあります。食害されると株が弱ってしまうため、害虫を見つけた時はすぐに取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
ヤマブキは病気の心配は特にありません。
ヤマブキの剪定
ヤマブキの枝は寿命が短く、古い枝にはあまり花が付かないため、新しい枝に更新しながら株を大きくしていきましょう。ヤマブキは大きな株から、しなやかに枝垂れる枝が美しいため、狭い場所では見映えがしないため、広めのスペースで育てましょう。
剪定は落葉期の11月〜翌3月頃が適期です。剪定は、古い枝を中心に混み合っている所を間引きましょう。剪定をする際、枝の途中で切ると、そこから枯れ込むことがあるため、根本から切り取りましょう。
ヤマブキは地下茎を伸ばして増えるため、邪魔になってきた場合は、適宜、根本から切り除きましょう。ヤマブキは新しい枝を沢山切り取ると弱ってしまうため、古い枝や枯れ枝を切り取りましょう。
ヤマブキの誕生木・誕生花・花言葉
ヤマブキは「4月9日」の誕生木です。
ヤマブキは「3月28日」「5月4日」の誕生花です。
ヤマブキの花言葉は「気品」「崇高」「金運」です。
ヤマブキのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが!
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
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ヤマブキのまとめ
ヤマブキは枝垂れる柔らかい枝を持ち、春には鮮やかな黄色い花を枝一面に咲かせます。「山吹色」の語源としても知られ、古くから庭木としても人気がある樹木です。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ヤマブキを育ててみてはいかがでしょう!