造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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イヨカンとは
植物名 イヨカン
学 名 Citrus Iyo Group
和 名 伊予柑
英 名 Iyokan
科 名 ミカン科
属 名 ミカン属
イヨカンの特徴
イヨカンの木は樹高3m〜5m程になるミカン科の常緑小高木です。日本在来種の柑橘類の一つです。
イヨカンの葉は互生する単葉で、長さ6cm〜9cm程の楕円形になり、表面は光沢のある濃い緑色で、縁には波状の低い鋸歯(きょし)があり、裏面に油点があり、葉柄には狭い翼があり、枝には小さなトゲがあります。
イヨカンの花は、5月〜6月頃に開花します。枝の先端に径2cm〜3cm程の白色の5弁花を咲かせます。花の中央に雌しべが1本あり、周りにある雄しべは20〜25個が基部で合体して筒状になります。
イヨカンの果実は球形で、直径7cm〜10cm程、重さは200g〜250g程になります。果実は翌2月頃に熟すとオレンジ色になり、果皮は厚く、種子があり、果汁には酸味と甘味、爽やかな芳香があり、生でも食べられます。
イヨカンの名前
イヨカンという名前は、山口県阿武郡東分村(現:萩市)で発見された木を、伊予国(現:愛媛県)で栽培して出荷したことから名付けられたと言われています。
1955年に松山市平田町の宮内義正によって発見された「宮内伊予柑」は、従来のイヨカンと比べて、成熟が早く、実付きも良く、また皮が薄く、酸味が少なくて食べ易いとして普及が進み、1970年代以降は、愛媛県で栽培される柑橘類の主力品種の1つとして出荷量を大きく伸ばしました。その後も「大谷伊予柑」や「勝山伊予柑」といった、優れたイヨカンの品種が発見されています。
イヨカンの種
イヨカンは、「タンゴール」の1種で、タンゴールとは主に「ミカン(マンダリン、タンジェリン)」と「オレンジ」の交雑種など、柑橘類の雑種の呼称の一つです。
また、イヨカンは、「ウンシュウミカン(温州蜜柑)」と「ブンタン(文旦)」、あるいは、ウンシュウミカンとオレンジの交雑種などと考えられていましたが、柑橘類のゲノム解析により、「カイコウカン(海紅柑)」と「ダンシー(大紅みかん)」の交配種だったと判明しました。
イヨカンの詳細情報
園芸分類 | 庭木・果樹 |
性質 | 常緑小高木 |
開花時期 | 5月〜6月 |
花色 | 白色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 弱い |
イヨカンの詳しい育て方
イヨカンは日本の山口県が原産で、主に愛媛県で栽培されている品種であり、21世紀初頭における日本で栽培されている柑橘類では、ウンシュウミカンに次ぐ収穫量でした。産地は愛媛県が有名ですが、佐賀県、和歌山県、静岡県、山口県など他の地域でも栽培されています。
愛媛県で現在生産されているイヨカンの9割以上が「宮内伊予柑」という品種で、美味しい旬の時期は1月〜2月頃ですが、このイヨカンを3月までじっくり熟成させた高品質のものは「弥生紅(やよいべに)」という名前で出荷されています。
イヨカンの苗植え
苗植えの適期は3月〜4月頃です。日当たりが良く、強い風や西日の当たらない場所が適しています。庭植えの場合は、冬は敷きワラなどのマルチングを行って寒さ対策をしましょう。鉢植えの場合は、季節や天候などによって鉢を移動させましょう。
用土は水はけのよい土が適していますので、庭植えの場合は掘り起こした土に腐葉土をたっぷり混ぜましょう。鉢植えの場合は市販の果樹用の培養土を使い、植え付けたらたっぷりと水やりをしましょう。また、根付くまでは支柱を添えて支えてあげましょう。鉢植えの場合は、2年に1回、根詰まり対策として一回り大きな鉢に植え替えをしましょう。
イヨカンの水やり・肥料
庭植えの場合は根付いたら降雨だけで問題ありませんが、乾燥が続くようであれば水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土が乾燥したら、たっぷりと水やりをしましょう。
肥料は3月と11月に、油かすなどの有機肥料を与えましょう。
イヨカンの害虫や病気
害虫はアブラムシ、ハダニ、カイガラムシ、アゲハチョウの幼虫が発生することがあります。葉を食害しますので、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気はカビによるソウカ病、細菌によるカイヨウ病、黒点病などがあります。感染すると葉や果実に病斑ができて株が弱ってしまいます。発病した箇所を切り取り、薬剤散布で防除しましょう。
イヨカンの剪定
イヨカンの剪定の適期は2月〜3月頃です。苗木を植えてから2〜3年かけて樹形を作ります。樹形を整えるのは、苗木を植えてから3〜4年経ってからにしましょう。それまでは、枝先を切り戻す程度にしましょう。
3〜4年目以降の整った木の剪定は、混み合っている枝や枯れ枝を切り取り、風通しと日当たりを良くしましょう。イヨカンは前年に伸びた枝先に花を咲かせて結実するので、前年に伸びた枝は残しながらスッキリさせましょう。
イヨカンの摘果
イヨカンを植え付けてから3年程度は、株を強くするために全ての実を摘果して、株を弱らせないようにしましょう。3年以上経った株で、果実がたくさん実っている場合は、数を減らしてあげることで栄養が行き渡り、味や香りが強くなります。
イヨカンは夏頃に果実が膨らみ始めます。そのときに小さいもの、傷ついたもの、形の悪いものを間引いて摘み取りましょう。葉っぱ50枚に果実が1個が目安で、最も色艶が良い実を選んで残しましょう。
イヨカンの収穫
イヨカンの収穫時期は12月〜翌2月頃です。収穫した果実は穴を開けたビニール袋に入れて、部屋の中に置いておき、1ヶ月程度追熟させましょう。2月〜3月頃には甘みが増して、食べ頃になります。
追熟した果実は生のままでも美味しく食べられますが、果汁を絞ってジュースにしたり、ジャムなどに加工しても美味しく食べられます。
イヨカンを収穫する際は、枝にあるトゲに注意して、長袖や軍手を着用しましょう。収穫方法は、実を落とさないようにしっかりと持って、茎を少し長めに切りましょう。
イヨカンの花言葉
イヨカンの花言葉は「純潔」「清純」「親愛」「花嫁の喜び」などがあります。
イヨカンのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが!
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
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- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
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イヨカンのまとめ
イヨカンは、山口県原産の柑橘類で、21世紀初頭における日本で栽培されている柑橘類では、ウンシュウミカンに次ぐ収穫量がありました。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非イヨカンを育ててみてはいかがでしょう!