造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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ビワとは
植物名 ビワ
学 名 Eriobotrya japonica
和 名 枇杷
英 名 Loquat
科 名 バラ科
属 名 ビワ属
ビワの特徴
ビワの木は樹高5m〜10m程になるバラ科の常緑高木です。日本では11月〜翌2月頃に花を咲かせます。
ビワの花芽は主に春枝の先端に付きます。枝先に円錐花序を多数付け、径1cm程の白色の5花弁で甘い芳香があります。
ビワの葉は互生する単葉で、長さ20cm程の長楕円形です。葉は濃い緑色で厚みがあり革質で堅く、葉脈ごとに波打ち、縁には波状の鋸歯(きょし)があります。表面は光沢があり、裏面は淡褐色の短毛が密生しています。
ビワの果実は房状に付き、初夏に黄橙色に熟します。果実は花托が肥大した偽果で、長さ6cm程の球形又は倒卵形で綿毛に覆われています。果実の中には光沢のある赤褐色の種子が数個あります。
ビワの食べ方と利用方法
ビワの果肉は甘く、生食として好まれています。他にも缶詰やゼリー、ジャムなどにも加工されています。果肉には酸味が少なく、果実酒としても用いられ、食欲増進や疲労回復効果があると言われています。また、ビワの種子のみを使ったビワ種酒は、杏仁の様な芳香を持ち、通の間で好まれています。
ビワの木材は、乾燥させると非常に硬くなり、粘り強く光沢があるため、杖や木刀、櫛、印鑑などに利用されています。
ビワは薬としても利用されています
ビワの葉は枇杷葉(びわよう)、種子は枇杷核(びわかく)と呼ばれる生薬として利用され「大薬王樹」と呼ばれ、民間療薬として親しまれています。
ビワはカロテンが豊富で、果物の中ではベスト3に入ります。粘膜や皮膚を強くし、咳や喉の痛みの緩和に効果があるとされています。このほか、ビタミンB群、ビタミンC、カリウム、リンゴ酸、クエン酸などを含み、優れた栄養食品です。このため夏風邪の症状緩和や疲労回復、食欲増進に役立ちます。
ビワの葉にはタンニンが含まれ、細菌の繁殖や炎症を抑えるので、外用するとかぶれなどの皮膚疾患に効果があります。また、レートリルというビタミン様物質が含まれ、咳止めにも有効と言われています。
ビワの毒性に注意
未熟なビワの果肉や、ビワの種子には高濃度のシアン化合物が含まれる場合があり、これが体内で分解されると猛毒である青酸を発生させるため、未熟なビワの果肉やビワの種だけを一度に数十個食べると健康に害を及ぼす可能性が有ります。
ビワの詳細情報
園芸分類 | 庭木・果樹 |
性質 | 常緑高木 |
開花時期 | 11月〜翌2月 |
花色 | 白色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 普通 |
ビワの詳しい育て方
ビワは中国が原産で、世界各地で栽培されています。日本には古代に持ち込まれたと考えられており、国内では本州南部や四国、九州に分布します。
ビワは食用として各地で盛んに栽培が行われ、国内にも数十種類の品種があり、主な産地は「茂木ビワ」で知られる長崎県と、「房州ビワ」で知られる千葉県が有名です。また、ビワはハウス栽培も行われ、1月頃には早生種が流通し始めますが、ビワの旬は初夏の5月〜6月頃です。
ビワの苗植え
苗植えの適期は3月〜4月頃です。半日陰でも育ちますが、日陰で育った果実は甘くないので、日当たりが良い場所で育てましょう。
用土は水はけのよい土が適していますので、庭植えの場合は赤玉土に腐葉土を混ぜたものが良いでしょう。鉢植えの場合は市販の果樹用の培養土を使い、植え付けたらたっぷりと水やりをしましょう。
ビワの水やり・肥料
庭植えの場合は根付いたら降雨だけで問題ありませんが、乾燥が続くようであれば水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土が乾燥したら、たっぷりと水やりをしましょう。
肥料は2月〜3月頃の花が終わった後と、6月頃の収穫後に即効性化成肥料を与えましょう。また、11月~12月頃に寒肥として鶏糞や油粕を土に混ぜ込みましょう。
ビワの害虫や病気
害虫はゾウムシやナシヒメシンクイが発生することがあります。害虫は果実を食害しますので、果実に袋掛けをして、守りましょう。大量発生してしまった場合は、薬剤散布で防除しましょう。
病気は、がん腫病が発生することがあります。葉や幹、実、根に発生する細菌性の病気です。
病気に感染すると、葉に褐色の斑点が現れたり、幹にこぶができたりしたら感染している可能性が高いです。また、病気に感染している部分は回復しないので、他の葉や枝に感染しないよう、見つけたら早めに取り除き、薬剤散布で予防しましょう。
ビワの剪定
ビワの剪定の適期は8月〜9月頃ですが、基本的に剪定はあまり必要なく、混み合って邪魔な枝を切る程度にしておきましょう。ビワは枝先に実を付けるので、枝を切り戻すと実が付かなくなってしまいます。
ビワの摘蕾・摘果
冬に開花した花を全て結実させてしまうと、果実に行き渡る栄養が分散し、個々の実が小さくなり、甘みも薄くなってしまいます。そのため蕾が多いときは9月頃に1/3程摘み取りましょう。また、3月〜4月頃の実が小さい段階で、数が多いようであれば早めにもぎ取りましょう。
目安としては、一房に実を三つ程度。または、葉っぱ30枚につき果実が一個程度付けるようにしましょう。また、鳥に食べられないように、摘果と同時に袋掛けをしてあげると、きれいな果実が収穫できます。
ビワの収穫
ビワの収穫は、5月〜6月頃に果実がオレンジに色付いて柔らかくなった頃が目安です。追熟はしないので樹上でしっかりと熟させてから収穫しましょう。
ビワの誕生木・誕生花・花言葉
ビワは「1月14日」の誕生木です。
ビワは「1月25日」「6月27日」「12月9日」の誕生花です。
ビワの花言葉は「治癒」「温和」「内気」「静かな思い」「密かな告白」「あなたに打ち明ける」などがあります。
「治癒」という花言葉は、ビワが古くから民間療法で使われていたことに由来すると言われています。
「温和」という花言葉は、ビワの実が温かいオレンジ色で、ほんのり甘く奥ゆかしい味わいが由来だと言われています。
ビワのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
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- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
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ビワのまとめ
ビワは芳香がある可愛いらしい花が咲き、庭植えでもたくさんの実を収穫できます。観賞用から収穫用としての楽しみもあり、人気のある樹木です。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ビワを育ててみてはいかがでしょう!