造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。

この記事の監修者
カカオとは
植物名 カカオ
学 名 Theobroma cacao
和 名 加加阿
英 名 Cacao
科 名 アオイ科
属 名 カカオ属
カカオの特徴
カカオは樹高4m〜10m程になるアオイ科の常緑小高木です。花は環境によりますが年間を通して開花します。
カカオの葉は互生する単葉で、長さ18cm~45cm程の先端が尖った楕円形です。新葉は向こう側が透けて見えるほど薄く、成葉になると大きくて丈夫になります。
カカオの花は、幹や太い枝に直接房状に多数付き、径1.5cm程と小さく、クリーム色で赤褐色の線条があります。花弁は5個あり、雄しべは10本ですが、うち5本は退化しています。
カカオの果実は蒴果で、長さ15cm〜30cm程の紡錘形になり、表面に縦溝とコブがあり、始めは緑色ですが、熟すに従って黄色、オレンジ、赤、紫色に変わります。内部は5室に分かれ、白い粘状物に覆われた長さ2cm程の卵形の種子が20~50個入っています。結実するものは200~300花に1個で、1本の木に20〜30個が実ります。
カカオの名前
カカオという名前は、原産地の一つであるメキシコの先住民が本種を「カカバクラヒトル」と呼んでいたことに由来します。チョコレートやココアの原料となることから「カカオノキ」や「ココアノキ」とも呼ばれています。また、学名の「Theobroma」はギリシャ語で「神(theos)の食べ物(broma)」を意味しています。
カカオの品種
現在栽培されているカカオの品種は、3系統が知られて「フォラステロ種」はアマゾン川流域が原産とされ、西アフリカと東南アジアで多く生産されています。ポリフェノール含有量が多く、豆の内部は紫色で、苦味が強くミルクチョコレートに向いています。
「クリオロ種」は中南米原産とされ、ベネズエラやメキシコなどで僅かに生産されています。病害虫に弱く大規模栽培に不向きなことから、19世紀半ばにほとんど壊滅しました。独特の香りから「フレーバービーンズ」と呼ばれ、3種の内でポリフェノール含有量が最小であり、苦味や渋味が少ない品種です。
「トリニタリオ種」はベネズエラ、トリニダード・トバゴなど中南米で栽培されています。トリニダード島のカカオが病害またはハリケーンで全滅した後にフォラステロ種が同地に導入され、それと生き残りのクリオロ種との交雑によりできたとされています。栽培が容易で、果実も大きく品質も優れています。
カカオの生産
カカオ生産の特徴として、「バナナ」や「コーヒー」といったほかの熱帯性商品作物と違い、大規模プランテーションでの生産が一般的ではありません。それは、カカオが陰樹であり大きくなるまでは他の木の陰で生育させる必要があるからです。
カカオの生産には、歴史的に奴隷労働が多く使われてきました。2001年10月に最悪の形態での児童労働を禁じる「ハーキン・エンゲル議定書」が米国連邦議会議員とチョコレート製造業者協会の間で締結されたが、その後も世界最大の生産地であるコートジボワールのカカオ農場のうち90%が、維持のために児童も含む奴隷を何らかの形で使っていると言われています。
日本では、東京大学樹芸研究所は温泉排熱でカカオを育ててチョコレートを製造する実験を続けており、2021年7月7日には温泉地である石川県加賀市と共同で「カカオの森」づくりに取り組む計画を発表しました。
カカオは貨幣だった
カカオは神への供物とされたり、貴重品だったため貨幣としても用いられていました。カカオ豆の貨幣としての価値の例として、1545年のメキシコでの価格はメスの七面鳥がカカオ豆100個、オスの七面鳥が200個、野ウサギが100個などであったり、1541年に書かれたモトリニアのインディオ史によればカカオの実2万4000粒でスペイン金貨5または6ペソであったり、1520年頃のニカラグアのニカラオ族では、ウサギ1羽がカカオ豆10個、奴隷1人がカカオ豆100個で取引されていたとされています。
スペイン人が栽培に着手した理由として、コロンブスが書き残しており、当時は、中身を取り出したカカオ豆の皮に他のものを詰めるなどの方法により偽金作りも行われていました。植民地時代中もカカオ豆は通貨として使用され続けましたが、19世紀に貨幣が導入されると廃れました。
カカオの食用
カカオは、カカオマス、ココアバター(カカオバター)、ココアパウダー、チョコレート、モーレなどに利用されるほか、カカオの粉末や、それを発行させたうえでローストして皮を取り除いて砕いたカカオニブ、カカオシロップとそれを発酵させたカカオビネガーが食材や調味料として使われています。
カカオの健康被害
カカオはI型アレルギー原因物質のチラミン、ニッケルを含み、チョコレートアレルギーの原因となります。チラミンは血圧や心拍数を上昇させる効果があり、チョコレートの食べ過ぎで鼻血が出るという俗信の元となりましたが、実際には健常者に出血させるほど強い作用はありません。
カカオの詳細情報
園芸分類 | 果樹 |
性質 | 常緑小高木 |
開花時期 | 環境により一年中 |
花色 | クリーム色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | やや弱い |
カカオの詳しい育て方
カカオは中南米の原産で、紀元前1900年頃から利用され、オルメカ文明の時代から栽培食物とされていた事がわかっています。カカオはリンネの「植物の種」(1753年)に記載された種の一つで、日本には大正時代に渡来したと言われています。
カカオの産地としてはコートジボワール、インドネシア、ガーナなどが知られ、その他各地域で栽培されています。
カカオの栽培環境
カカオは栽培条件が厳しく、日本では沖縄県や小笠原諸島以外で庭木として利用するのは難しく、植物園の温室やハウス栽培で使われるのが普通ですが、稀に観葉植物として扱われることもあります。
カカオを地植えできるのは、高温多湿な土地で、年の平均気温が24℃~28℃程度であること、定期的な降雨がある一方で排水性が高いこと、土地が肥沃かつ弱酸性であることなど条件面が厳しく、風による乾燥や直射日光も苦手であるため、日本では基本的に温室での栽培が一般的です。
カカオの誕生花・花言葉
カカオは「2月14日」の誕生花です。
カカオの花言葉は「神聖」「親切」「片思い」です。
カカオのアーティフィシャルグリーン

アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。

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カカオのまとめ
カカオは、乾燥させた種子をチョコレートやココアの原料とします。中南米や東南アジアでは商業生産されていますが、日本では育てるのが難しい樹木です。
日本では植物園などで見ることができます。みなさんも是非カカオを見てみてはいかがでしょう!
