造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
この記事の監修者
キクザキイチゲとは
植物名 キクザキイチゲ
学 名 Anemone pseudoaltaica
和 名 菊咲一華
別 名 菊咲一輪草(キクザキイチリンソウ)
英 名 Anemone pseudoaltaica
科 名 キンポウゲ科
属 名 イチリンソウ属
キクザキイチゲの特徴
キクザキイチゲは草丈15cm〜25cm程になるキンポウゲ科の多年草です。日本では3月〜5月頃に開花します。
キクザキイチゲの根茎は横に這って匍匐枝を伸ばします。
キクザキイチゲの花は茎先に単生し、花は径2cm〜4cm程の白色〜紫色で上向きに付きます。花びらのように見える萼片が8〜13枚あり、花弁はありません。
キクザキイチゲの葉は、短柄があり、深く3裂した3出複葉で、茎に3枚輪生します。
キクザキイチゲと似ている植物
キクザキイチゲとよく似ている草花に、近縁種の「アズマイチゲ(東一華)」があります。花はよく似ていますが、本種キクザキイチゲは葉の切れ込みが深いのに対して、アズマイチゲは葉の切れ込みが浅いため見分けることができます。
キクザキイチゲと、アズマイチゲは葉や茎が早春に地上部に出て、夏頃には枯れてしまいます。これは春植物と呼ばれ、「スプリング・エフェメラル」ともいいます。
キクザキイチゲの詳細情報
園芸分類 | 草花 |
性質 | 多年草 |
開花時期 | 3月〜5月 |
花色 | 白色・紫色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
耐陰性 | 普通 |
キクザキイチゲの詳しい育て方
キクザキイチゲは日本の原産で、国内では北海道、近畿地方以北の本州に分布しています。落葉広葉樹林の林縁や林床などに自生しています。一部地域では野生種の個体数が減少し、絶滅危惧類に指定されていますが、園芸種は流通しています。
キクザキイチゲの植え付け
苗の植え付けは休眠期に入った9月〜10月頃が適期です。日当たりが良い場所を好みますが、強い直射日光に当たると葉焼けしてしまうため、半日陰などに移動するか、遮光しましょう。
用土は、山野草の土を使いましょう。鉢は深めのものを選んで、植え付けたらたっぷりと水やりをしましょう。また、冬の霜に当たると枯れてしまうため、凍結しないように鉢を移動するか、マルチングをして凍結を防ぎましょう。
キクザキイチゲの水やり・肥料
生育期は、土が乾燥したら水やりをしましょう。夏場に地上部が枯れたら、水やりを控えめにして、冬の時期の休眠中は、土が乾燥して2〜3日経ってから水やりをしましょう。
肥料は、芽が動き始める3月頃に、緩効性化成肥料を置き肥しましょう。また、花数を増やすために生育期は液体肥料を2週間に1回程度与えましょう。
キクザキイチゲの害虫や病気
害虫はアブラムシ、ナメクジ、アオムシが発生することがあります。食害されると株が弱ってしまうので、見つけたらすぐに取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気は炭そ病、灰色かび病、白絹病があります。梅雨時期など、株が蒸れると病気になりやすく、花弁に褐色の小さなシミ状の斑点ができたり、茎や葉にカビが発生します。病気の部分は取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
キクザキイチゲの花がら摘み
花が終わって、花がらをそのままにしておくと、病気の原因になります。花がらを摘み取ることで、次の花が咲きやすく、病気の予防にもなりますので、花がらはこまめに摘み取りましょう。
キクザキイチゲの花言葉
キクザキイチゲの花言葉は「追憶」「静かな瞳」です。
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キクザキイチゲのまとめ
キクザキイチゲは、春に出て、夏には枯れてしまう春植物(スプリング・エフェメラル)のひとつで、短い間だけその姿を見ることができる草花です。
慣れてしまえば育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非キクザキイチゲを育ててみてはいかがでしょう!