コウヤマキの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説

コウヤマキの雌花

こちらでは、コウヤマキの植物図鑑と育て方を私の経験を元にわかりやすく解説します。
造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
 あっちゃん
 あっちゃん
 
 

この記事の監修者

造園職人あっちゃんプロフィール

コウヤマキとは

コウヤマキの木

 

植物名   コウヤマキ


学 名   Sciadopitys verticillata


和 名   高野槇


別 名   ホンマキ


英 名   Japanese umbrella pine


科 名   コウヤマキ科


属 名   コウヤマキ属


 

アーティフィシャルグリーン【グリーンピース】

 

コウヤマキの特徴

コウヤマキの葉

 

コウヤマキは樹高30m〜40m、幹径1m程になるコウヤマキ科の常緑針葉高木です。日本では3月〜4月頃に開花します。

コウヤマキの樹形は円錐形になり、樹皮は赤褐色から灰褐色で、樹齢を重ねると鱗状になって縦に剥がれ落ちます。

コウヤマキの葉は、長枝では鱗片葉が螺旋状に付き、短枝では輪生して、2枚の葉が合着します。葉は長さ6cm〜12cm程の先端がやや凹んだ線形で、柔らかく触っても痛くありません。

コウヤマキの花は雄花と雌花があり、雄花は褐色で枝の先端に20〜30個付き、雌花は枝の先端に1~2個付きます。

コウヤマキの果実は球果で、長さ6cm〜12cm程の楕円形になり、翌年の秋に熟します。この果実は先端から葉が生じる特徴があります。球果には扇形の種鱗が螺旋状に付き、それぞれの内側に、1mm程の種子が7~9個付きます。種子には両側に狭い翼があります。

 

コウヤマキの名前

コウヤマキという名前は、和歌山県の高野山に多く見られることから名付けられました。高野山では本種コウヤマキは霊木とされ、現代でも地方や宗派によってはお盆などの仏事に使われています。

英語名の「Japanese umbrella pine」は、放射状に生じる葉の様子が雨傘に似ていることから名付けられました。また、コウヤマキは上品なイメージを持つことから「ホンマキ」と呼ばれるのに対比して、葉や姿形が劣る樹木として「イヌマキ(犬槇)」があります。

本種コウヤマキに比べると、イヌマキは葉が短く、果実は団子状になるなど、見た目は明らかに異なります。また、コウヤマキはコウヤマキ科ですが、イヌマキはマキ科なので別種の樹木です。

本種コウヤマキは、スギ科として紹介されることもありますが、コウヤマキ科として独立している樹木です。このコウヤマキ科は本種のみで、1科1属1種の珍しい植物です。

 
日本三大公園木

・本種コウヤマキは、和風庭園の主役としても用いられ、樹齢を重ねるごとに風格が漂う円錐形の美しい樹形から、「ヒマラヤスギ(喜馬拉邪杉)」「ナンヨウスギ(南洋杉)」とともに日本三大公園木と呼ばれています。

 

コウヤマキの利用

コウヤマキの材は堅く、耐水性や耐久性が高いため、古代から高級な棺や水桶、橋杭などの材料として多く使われています。現在でも建築や器具(碁盤、将棋盤、風呂桶など)に使用され、樹皮は船舶や桶などの水漏れを防ぐ「槙肌(まいはだ)」に使われています。

コウヤマキから抽出されるオイルには保湿力を高める効果があり、エッセンシャルオイルや美容液として使われています。また、民間療法として歯周病の治療に用いることもあります。

 

木曽五木のひとつ

本種コウヤマキは、「ヒノキ(檜)」「サワラ(椹)」「アスナロ(翌檜)」「クロベ(黒檜)」とともに、江戸時代に幕府から伐採を禁止され、厳重に保護されていた樹木「木曽五木(きそごぼく)」のひとつです。

 
 

コウヤマキの天然記念物

日本国内には樹齢数百年以上の天然記念物に指定されているコウヤマキがたくさんあり、その一部をご紹介します。

国の天然記念物

  • 宮城県大崎市の「祗劫寺のコウヤマキ」
  • 愛知県新城市の「甘泉寺のコウヤマキ」
 

コウヤマキの詳細情報

園芸分類庭木
性質常緑針葉高木
開花時期3月〜4月
花色褐色
栽培難易度
耐寒性やや弱い
耐暑性強い
耐陰性強い
 
 

コウヤマキの詳しい育て方

コウヤマキのまつぼっくり

コウヤマキは北半球の原産ですが、現在は日本にのみ残るため、日本の固有種とされています。国内では東北地方南部の本州、四国、九州に分布しています。庭木としてよく植栽されるほか、公園樹としても用いられています。

 

コウヤマキの苗植え

苗植えは3月〜4月と9月〜10月頃が適期です。日陰にも強い樹木ですが、日当たりの良い場所で育てた方が枝葉が密に詰まって形が良く育ちます。ただし、西日に当たると葉が黒く変色することがあります。

用土は庭土に腐葉土を混ぜて、根鉢の大きさの2倍の深さの穴を掘って植え付けたら、たっぷりと水やりをしましょう。コウヤマキは理由はよくわかっていませんが、他の木と密接するとその部分の枝葉が枯れてしまいます。また、移植を嫌うため、植え付ける場所は慎重に選びましょう。

 

コウヤマキの水やり・肥料

植えつけてから2年未満の株は、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えましょう。特に夏の暑い時期は、たっぷりと水やりをしましょう。根付いた後は降雨だけで問題ありません。

肥料を与えた方が葉色がキレイになるため、2月頃に寒肥として鶏糞を株元に与えましょう。

 

コウヤマキの害虫や病気

コウヤマキは病害虫の心配は特にありません。稀に葉っぱに黒い斑点が出ることがありますが、春には自然と緑色になり、木が健康ならば枯れることはありませんので、特に心配はありません。

 
 

コウヤマキの剪定

剪定は3月〜4月頃が適期です。コウヤマキは放任しても自然と円錐形の樹形になり、あまり手がかかりません。ただし、樹齢を重ねると大きく育ちますので、ある程度のスペースが必要です。

剪定をする場合は、樹形を乱すような徒長枝や混みあった枝を間引いて、枯れ枝などを切り取りましょう。また、芯の幹が枝分かれして二本になることがあります。放置していると樹形が乱れてしまうため、芯の強い方を残して弱い芯を切り落としましょう。

 

グリーンライフイノベーションの画像1

 

コウヤマキの誕生木・誕生花・花言葉

コウヤマキの雄花

 

コウヤマキは「12月16日」の誕生木です。

コウヤマキは「9月6日」の誕生花です。

コウヤマキの花言葉は「奥ゆかしさ」です。

 

コウヤマキのアーティフィシャルグリーン

コウヤマキの花
 
みなさん、アーティフィシャルグリーンをご存知でしょうか?
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
 あっちゃん
 あっちゃん
 

本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。

こんなメリットが!

  • 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
  • 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
  • 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
  • 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
  • 光触媒加工を施すと、目に見えないウイルス・雑菌・悪臭・カビ菌などを分解して、空間をキレイにする効果もあります。
 

ホームセンターなどで販売している造花やアーティフィシャルは、どうしても偽物とわかってしまい、観賞価値がありません。

 
これはもう本物です!

グリーンピースのアーティフィシャルグリーンは、日本の職人が国内で作る業界最高のクオリティです。近くで見ても本物と見間違うほどの圧倒的クオリティで、景観や観賞価値を損ないません。

 

お好みの樹木をお好みの大きさにオーダーメイドも可能で、天然木を使ったMADE IN JAPANのアーティフィシャルグリーンは個人のご自宅をはじめ、さまざまな商業施設や有名施設でも採用され、多くの方に楽しまれています。実際の施工例などもご紹介しておりますので、ぜひ下のページも御覧ください。

 
 
 

コウヤマキのまとめ

コウヤマキの雌花

コウヤマキはいかがでしたか?
コウヤマキは1科1属1種のみの珍しい植物で、樹齢を重ねた樹形は風格が漂い、和風庭園の主役としても利用される人気の樹木です。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非コウヤマキを育ててみてはいかがでしょう!
 あっちゃん
 あっちゃん