造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
この記事の監修者
クサギとは
植物名 クサギ
学 名 Clerodendrum trichotomum
和 名 臭木
別 名 イヌノクリ / クソクサギ
英 名 Harlequin glory bower
科 名 シソ科
属 名 クサギ属
クサギの特徴
クサギは樹高3m〜5m程になるシソ科の落葉低木です。日本では7月〜9月頃に開花します。
クサギの樹皮は灰褐色で、丸い皮目がよく目立ちます。若枝には毛が生えています。
クサギの葉は対生する単葉で、長さ8cm～15cm、幅5cm～10cm程の先端が尖った三角状広卵形です。葉の縁は全縁または小さな鋸歯（きょし）があり、裏面には軟らかい毛が生えます。長い葉柄があり、葉をちぎると独特な臭気があります。
クサギの花は、枝先に集散花序を出して、白い花を密に付けます。花は径2cm～3cm程で、花冠は5裂し、基部は細長い筒になり、4本の雄しべと1本の雌しべが長く突き出します。萼は淡い紅色で、花には甘い香りがあります。
クサギの果実は、径6mm～8mm程の球形で、はじめはクリーム色ですが、青色〜藍色に熟します。果実が熟すとともに、残った星形の萼が紅紫色〜鮮やかな赤色になり、よく目立ちます。
クサギの名前
クサギの和名は、枝葉に独特な臭気があることから「臭木（クサギ）」と名付けられました。本種クサギと似ている名前の樹木に、「コクサギ（小臭木）」があります。クサギに比べて葉や木全体が小さく、本種クサギと同じような臭気があることから名付けられました。
ただし、本種クサギはシソ科の植物で、コクサギはミカン科なので、分類上は全く別種の樹木です。
クサギの利用
クサギの葉には独特な臭気があり、嫌われることもありますが、その葉を煎じてお茶として飲まれたり、若葉は茹でて山菜として食べられています。また、乾燥させた枝葉を煎じて飲めば、リュウマチや高血圧、神経痛に効果があると言われています。
クサギの果実や萼は、「草木染」に使われています。媒染剤なしで絹糸を鮮やかな空色に染めることができ、赤い萼は鉄媒染で渋い灰色に染め上げることができます。
クサギの近縁種
クサギ属は世界の熱帯、亜熱帯を中心に約400種類あり、国内の四国以南には「ショウロウクサギ」があり、本種クサギよりも葉が長くなり、花序がまとまって生じます。また、伊豆諸島、九州、沖縄県に分布する、クサギの変種である「アマクサギ」は全体がほぼ無毛になります。
樹高が高くならず、鮮やかな紫色の花を咲かせる「ボタンクサギ（牡丹臭木）」や、つる性常緑植物で花を紅白に咲き分ける「ゲンペイクサギ（源平臭木）」などは観賞用としても人気があります。
クサギの詳細情報
| 園芸分類 | 庭木 |
| 性質 | 落葉低木 |
| 開花時期 | 7月〜9月 |
| 花色 | 白色 |
| 栽培難易度 | |
| 耐寒性 | 強い |
| 耐暑性 | 強い |
| 耐陰性 | 普通 |
クサギの詳しい育て方
クサギは日本、中国、台湾の原産で、国内には北海道、本州、四国、九州、沖縄県まで全国に分布しています。全国の山野から路傍など、どこでも見られます。
クサギの苗植え
苗植えの適期は3月〜4月頃です。日向〜半日陰まで生育できます。用土はあまり選びませんので、庭土に腐葉土を混ぜたものなどに植え付けて、たっぷりと水やりをしましょう。
クサギの水やり・肥料
根付いてからは降雨で問題ありませんが、夏場など乾燥が続いている場合は、水やりをしましょう。
肥料はあまり必要としませんが、与える場合は春頃に、緩効性化成肥料を少量与えましょう。
クサギの害虫や病気
害虫は、クサギカメムシ、コウモリガ、カミキリムシなどが発生します。害虫は枝葉を食害して株を弱らせますので、見つけたら取り除き、薬剤を散布して防除しましょう。
クサギは病気の心配は特にありません。
クサギの剪定
剪定の適期は12月〜翌3月頃です。クサギは成長が早く、枝もよく伸びます。狭いスペースなどで育てる場合は、適時剪定をしましょう。強い剪定にも耐えるため、枝を切り詰めても大丈夫です。枯れ枝や徒長枝、混み合っている枝を切り取りましょう。
クサギの誕生花・花言葉
クサギは「10月26日」の誕生花です。
クサギの花言葉は「治療」「運命」です。
クサギのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが！
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
- 光触媒加工を施すと、目に見えないウイルス・雑菌・悪臭・カビ菌などを分解して、空間をキレイにする効果もあります。
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クサギのまとめ
クサギは名前の通り、独特な臭気があり、特徴的な果実を実らせます。また、名前に反して繊細な花を咲かせる樹木です。
育てるのは比較的簡単なので、みなさんも是非クサギを育ててみてはいかがでしょう！