ナズナ(薺)の植物図鑑と育て方をわかりやすく解説

ナズナの花

こちらでは、ナズナ(薺)の植物図鑑と育て方を私の経験を元にわかりやすく解説します。
造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
MIDORI
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この記事の監修者

フラワーショップ店長【ミドリ】プロフィール

ナズナとは

ナズナの群生

 

植物名   ナズナ


学 名   Capsella bursa-pastoris


和 名   薺


別 名   ペンペングサ / 三味線草(シャミセングサ)


英 名   Shepherd's purse


科 名   アブラナ科


属 名   ナズナ属


 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

ナズナの特徴

ナズナの葉

 

ナズナは草丈10cm〜50cm程になるアブラナ科の越年草(二年草)です。日本では3月〜7月頃に開花します。

ナズナの根出葉は地面からロゼット状に広がり、長楕円形で深く羽状に切れ込みますが、形が変化することもあります。茎に付く葉は互生する単葉で、切れ込みは無い披針形です。根出葉には柄があり、茎葉には柄はなく、基部は茎を抱きます。

ナズナの花は、茎先に総状花序を出して、有柄で経3mm程の白色の4弁花を多数付けます。花は下から順に咲かせ、花後は順次実を結びます。

ナズナの果実は、長さ5mm〜8mm程の平たい三角形で、軍配に似た形で先が凹んだハート型です。果実は左右2室に分かれていて、それぞれの室に5〜6個の種子が入っています。種子は長さ1.5mm程の平らな広卵形で、黄褐色になります。

 
 

ナズナの名前

ナズナという名前の由来には諸説ありますが、早春に開花して夏になると枯れることから夏が来ないという意味の「夏無き菜」から変化したという説や、撫でたいほど小さく可愛い花ということから、「撫で菜(なでな)」が転訛したという説、または朝鮮古語のナジから「ナジ菜」となり変化したなどの説があります。

ナズナは茎と実を繋ぐ細い茎の部分を下の方にひっぱって折り曲げて、茎の下を持ってクルクルとこするように回すとペンペンと音がなります。これを三味線を弾くペンペンという擬音語から「ぺんぺん草」という別名があります。果実が三味線のバチにも似ていることから「三味線草(シャミセングサ)」という別名もあり、ほかにも「ビンボウグサ」などの呼び名もあります。

 

ナズナの食用

ナズナの七草粥

 

ナズナは古くから、茎が立たないロゼット状の若苗を食用にします。特に秋〜春の若苗は、柔らかく香味が良いと言われ、春の七草として七草粥にも使われています。

若苗の頃の若葉に含まれるミネラル中には鉄分やマンガンも多く含んでいます。この若苗を2cm程に刻んで軽く塩ゆでして、お浸し、和え物、煮びたしにしたり、軽く塩揉みして漬物にして食べられています。キノコ汁に欠かすことのできない山菜とされ、汁物の実、すまし汁にも入れたりします。

 
 

春の七草

1月7日の「人日の節句」の朝に、7種の野菜が入った「七草粥」を食べると邪気を払い万病を除くと古くから言い伝えられてきた風習があり、お正月で疲れた胃を休めて、不足しがちな栄養素を補うとも言われています。この七草粥に用いる以下の7種の野菜(草)を「春の七草」と呼びます。

 

ナズナの薬用

ナズナは薬用にも用いられていて、開花期の全草にコリン、アセチルコリン、フマル酸、パルミチ酸、ビルビ酸、スルファニル酸、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、アルギニン・メチオニンなどのアミノ酸、ショ糖・ソルボスなどの炭水化物、フラボノイドなどの成分を含んでいます。

開花期の全草を引き抜いて天日乾燥したものが生薬になり「薺(せい)・薺菜(せいさい)」と称されています。陰干ししたのちに煎じたり、煮詰めたり、黒焼きするなどしたものは解熱・下痢・便秘・止血・生理不順・子宮出血・利尿・慢性腎炎・むくみ・目の充血や痛みに効くとされ、各種薬効に優れた薬草として用いられています。

 
 

ナズナの風習

江戸時代には糸で束ねて行灯の下に吊るし、虫よけのまじないにする風習がありました。また、音を鳴らすおもちゃとしても親しまれています。

ナズナは荒れた土地でも育ちますが、ナズナさえも生えない様子、何も残らず全て取られてしまった状態を揶揄した表現で「○○が通った後はペンペン草も生えない」などの慣用句が用いられます。

 

ナズナの詳細情報

園芸分類草花
性質越年草(二年草)
開花時期3月〜7月
花色白色
栽培難易度
耐寒性強い
耐暑性強い
耐陰性強い
 
 

ナズナの詳しい育て方

食用のナズナ

ナズナは北半球の原産で、麦栽培の伝来と共に日本に渡来した史前帰化植物と考えられていて、北海道、本州、四国、九州に分布しています。草原、野原、土手、荒れ地や、郊外の道端、空き地、畑や庭など、日当たりの良い場所ならどこでも普通に見られます。また、食用や切り花としても流通しています。

 

ナズナの種まき

種まきの適期は10月〜11月頃で、発芽温度は15℃〜20℃です。ポットなら2〜3粒の種をまいて2mm程土を覆土して、水やりをして乾燥しないように管理しましょう。

発芽日数は20日〜30日程で、発芽したら日当たりで管理し、根を傷つけないように鉢上げしましょう。

日当たりの良い場所を好みますが、日陰でも育ちます。庭植えなら腐葉土を混ぜて、鉢植えなら市販の花の培養土を使って植え付けましょう。

 

ナズナの水やり・肥料

庭植えの場合は、降雨だけで問題ありません。鉢植えの場合は、多湿を嫌うため土がしっかり乾燥したら水やりをしましょう。

肥料は与えなくても育ちますが、花付きを良くするために、9月〜10月頃に緩効性化成肥料を与えましょう。

 

ナズナの害虫や病気

害虫はアブラムシが発生することがあります。食害されると観賞価値が下がったり、株が弱ってしまうため、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。

病気はうどんこ病があります。うどんこ病は葉の表面にカビの胞子が付き、白い粉をかけたようになります。病気の部分は取り除き、薬剤散布で防除しましょう。

 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

ナズナの誕生花・花言葉

ナズナの花

ナズナは「1月17日」の誕生花です。

ナズナの花言葉は「あなたに私のすべてを捧げます」です。

 
 

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ナズナの花の拡大
 
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ナズナのまとめ

ナズナの開花

ナズナはいかがでしたか?
ナズナは雑草としてどこでも見かけることができますが、春の七草や薬草に用いられたり、ペンペンと音がなるおもちゃとして昔から親しまれています。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ナズナを育ててみてはいかがでしょう!
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