造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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セイヨウシナノキとは
植物名 セイヨウシナノキ
学 名 Tilia europaea
和 名 西洋科の木
別 名 西洋菩提樹（セイヨウボダイジュ）/ リンデンバウム
英 名 Common lime
科 名 アオイ科
属 名 シナノキ属
セイヨウシナノキの特徴
セイヨウシナノキは樹高20m〜40ｍ程になるアオイ科の落葉高木です。日本では6月〜7月頃に開花します。
セイヨウシナノキは、「フユボダイジュ」と「ナツボダイジュ」の交雑種で、両方の中間的な性質を持ち、葉の大きさや葉脈はフユボダイジュに、枝の形や花の数、果実の形はナツボダイジュに似ています。
セイヨウシナノキの葉は互生する単葉で、長さ5cm～12cm、幅4cm～10cm程の左右非対称の先端が尖って歪んだ三角状広卵形です。葉の裏面と葉柄に灰白色の細星毛が密生して、白っぽく見えます。縁には細かく鋭い鋸歯（きょし）があります。
セイヨウシナノキの花は、葉腋から垂れ下がった細い花柄に集散状に、黄白色の花が数個付きます。花序には長さ8cm～12cm程で、へら形の狭い苞が1枚あります。花弁、萼片はともに5枚あり、多数の雄しべと1本の雌しべがあります。花には香りがあり、蜜源植物としても知られています。
セイヨウシナノキの果実は核果で、長さ7mm〜8mm程の球形になり、細毛が密生し、秋頃に褐色に熟します。
セイヨウシナノキの利用
セイヨウシナノキは、ヨーロッパでは古くから植えられ、木材は楽器や木彫材などに利用されています。また、樹皮からは繊維を採取して工芸品などに利用され、花や葉は「コモンライム」という名前でハーブとして流通しています。花は蜂蜜の蜜源として知られ、「千の用途のある木」とも言われています。
また、フランツ・シューベルトの曲にあるボダイジュのドイツ名である「Lindenbaum」とは本種セイヨウシナノキのことです。
セイヨウシナノキの名前
セイヨウシナノキは、「フユボダイジュ」と「ナツボダイジュ」の交雑種で、「西洋菩提樹（セイヨウボダイジュ）」という別名があります。日本で植栽されている「シナノキ（科の木）」や、「ボダイジュ（菩提樹）」は同科同属の別の樹木です。また、釈迦が悟りを開いたと言われる樹木は、本種ではなくクワ科の「インドボダイジュ（印度菩提樹）」という全く別の樹木です。
セイヨウシナノキの詳細情報
| 園芸分類 | 庭木 |
| 性質 | 落葉高木 |
| 開花時期 | 6月〜7月 |
| 花色 | 黃白色 |
| 栽培難易度 | |
| 耐寒性 | 強い |
| 耐暑性 | やや弱い |
| 耐陰性 | 普通 |
セイヨウシナノキの詳しい育て方
セイヨウシナノキはヨーロッパ原産のナツボダイジュとフユボダイジュの交雑種で、「セイヨウボダイジュ」とも呼ばれています。中世ヨーロッパでは「自由の象徴」とされ、ドイツのベルリンにある「ウンター･デン･リンデンの並木」は有名な観光名所です。
セイヨウシナノキの植え付け
植え付けの適期は12月〜翌3月頃です。日当たりが良く風通しの良い場所を好みますが、西日が当たり乾燥する場所は避けましょう。用土はあまり選ばないため、庭土に腐葉土をたっぷり混ぜて、植え付けたらたっぷりと水やりをしましょう。
セイヨウシナノキの水やり・肥料
植え付けてから2年程は、土が乾燥したら水やりをしましょう。根付いてからは降雨でも問題ありませんが、株元の乾燥に弱いため、夏の高温で乾燥しやすい時期は水やりをしましょう。
肥料はあまり必要としませんが、元気がないようであれば、2月頃に寒肥として緩効性化成肥料を株元の周辺にすき込んであげましょう。
セイヨウシナノキの害虫・病気
害虫はアブラムシ、カイガラムシが発生することがあります。食害されると観賞価値が下がってしまったり、株が弱ってしまうため、見つけたら取り除き、薬剤を散布して防除しましょう。
病気はすす病があります。害虫の排泄物が原因で、病気になり葉が黒い粉で覆われてしまい、光合成ができなくなり株が弱ってしまいます。見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
セイヨウシナノキの剪定
セイヨウシナノキは大きく成長し、自然樹形を楽しむ樹木です。狭いスペースで、小さく整えようとすると、不自然な樹形になってしまうため、自然樹形を保つように整えましょう。
剪定は12月〜翌2月頃の落葉期が適期です。混み合っている枝を切り戻し、風通しを良くして、徒長枝や枯れ枝を切り取りましょう。
セイヨウシナノキの花言葉
セイヨウシナノキの花言葉は「夫婦愛」です。
セイヨウシナノキのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが！
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
- 光触媒加工を施すと、目に見えないウイルス・雑菌・悪臭・カビ菌などを分解して、空間をキレイにする効果もあります。
ホームセンターなどで販売している造花やアーティフィシャルは、どうしても偽物とわかってしまい、観賞価値がありません。
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セイヨウシナノキのまとめ
セイヨウシナノキは、小さな花と丸い果実、秋の紅葉などもあり、大きくなる樹形も魅力で、中世ヨーロッパでは自由の象徴とされている樹木です。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非セイヨウシナノキを育ててみてはいかがでしょう！