造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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シダレヤナギとは
植物名 シダレヤナギ
学 名 Salix babylonica
和 名 枝垂柳
別 名 下に記載
英 名 Weeping willow
科 名 ヤナギ科
属 名 ヤナギ属
シダレヤナギの特徴
シダレヤナギは樹高10m〜20m程になるヤナギ科の落葉高木です。日本では3月〜5月頃に開花します。
シダレヤナギの樹皮は灰褐色で、樹齢を重ねると縦に亀裂が入ります。太い枝は上に伸び、先端の枝が細長くなり垂れ下がります。
シダレヤナギの花は雌雄異株で、葉の展開より前に黄色の尾状花序が密に付き、上に向かって曲がります。雄花穂は長さ2cm〜4cm程になり、雌花穂は長さ1.5cm〜2cm程になります。
シダレヤナギの葉は互生する単葉で、長さ8cm〜13cm程の披針形で、縁には細かい鋸歯(きょし)があります。若葉の頃は両面に毛が生えてますが、後に無毛になります。
シダレヤナギの果実は蒴果で、熟すと裂開して柳絮(りゅうじょ)と呼ばれる白い綿毛に包まれた種子を飛ばします。ただし、結実するのは相当の大木であり、日本のものはほとんどが雄株のため、あまり結実は見られません。
シダレヤナギの利用
シダレヤナギは古くから街路樹として使用され、京都白川沿いや銀座の並木が有名で、水辺や水路沿い、井戸の近くなどに植えられました。そのため、井戸に出てくる幽霊にはシダレヤナギがセットで出てきます。
シダレヤナギは長く垂れ下がる枝が長寿の象徴とされ、鑑賞以外にも用いられます。枝を蘰(かずら)にして長寿や幸福を願ったり、女性がシダレヤナギを球状に結んで髪にさして不老を願ったり、家の門に枝を挿して魔除けにする風習もありました。
シダレヤナギの名前
シダレヤナギという名前は、枝が垂れる(しだれる)ことから名付けられました。「ヤナギ」という名前は、矢の材料とする「矢の木」から転じたという説がありますが、シダレヤナギの枝で矢を作るのは難しく、中国語でヤナギを意味する「楊の木(やんのき)」が転じてヤナギになったという説もあります。
一般的にヤナギというと本種を指すことが多く、本種の特徴でもある枝垂れた枝葉の様子から「オオシダレヤナギ(大枝垂柳)」「イトヤナギ(糸柳)」「スイリュウ(垂柳)」「ジスリヤナギ(地擦柳)」「カゼナグサ(風無草)」「カワゾイグサ(川沿草)」などの別名があります。
シダレヤナギの詳細情報
園芸分類 | 庭木・盆栽 |
性質 | 落葉高木 |
開花時期 | 3月〜5月 |
花色 | 黄色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 弱い |
シダレヤナギの詳しい育て方
シダレヤナギは中国南部が原産で、日本には奈良時代に渡来したと言われ、現在では北海道から沖縄県まで日本各地で街路樹などに植栽されています。
シダレヤナギの苗植え
苗植えは落葉期の11月〜翌2月頃が適期です。シダレヤナギは陽樹ですので、日当たりが良い場所で育てましょう。用土は赤玉土に腐葉土とたい肥を混ぜたものを使って植え付けましょう。最初は幹が細いため、根付くまでは支柱を添えて支えてあげましょう。
シダレヤナギの水やり・肥料
シダレヤナギは湿った場所を好み、乾燥を嫌うので水切れを起こさないようにしましょう。庭植えの場合は根付いたら降雨だけで問題ありませんが、夏場など乾燥が続くようであれば水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土が乾燥したら、たっぷりと水やりをしましょう。
肥料は花後の5月〜6月頃に緩効性化成肥料を株元に与えましょう。
シダレヤナギの害虫や病気
害虫はテッポウムシ、ハムシ、カミキリムシなどが発生することがあります。害虫に食害されると株が弱ってしまったり、観賞価値が下がってしまうため、見つけたら早めに取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気はうどんこ病、炭そ病があります。病気に感染すると葉が黒っぽくなり、枯れてしまうことがあります。見つけたら病気の部分を切り取り処分し、薬剤散布で防除しましょう。
シダレヤナギの剪定
剪定は落葉期の11月〜翌2月頃が適期です。シダレヤナギは芽吹く力が強く、強めの剪定をしても翌年にはしっかりと枝をの出してくれます。剪定は立ち枝や徒長枝、混みあった枝を整理し樹形を整えましょう。台風に備えて6月頃に軽く剪定をするときれいな樹形をキープできます。
シダレヤナギの誕生木・誕生花・花言葉
シダレヤナギは「1月21日」の誕生木です。
ウンリュウヤナギは「3月1日」の誕生木です。
シダレヤナギは「3月12日」の誕生花です。
シダレヤナギの花言葉は「悲哀」「憂い」「愛の悲しみ」などがあります。
ヤナギ全般の花言葉は「従順」「自由」などがあります。
シダレヤナギのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが!
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
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シダレヤナギのまとめ
シダレヤナギは枝葉の枝垂れた姿が美しく、水辺に植えてあげると映える樹木の一つです。和風庭園の景石の脇などに植えられることもあります。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非シダレヤナギを育ててみてはいかがでしょう!