造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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ツルアジサイとは
植物名 ツルアジサイ
学 名 Hydrangea petiolaris
和 名 蔓紫陽花
別 名 梧桐蔓(ゴトウヅル)/ 蔓手鞠(ツルデマリ)
英 名 Climbing Hydrangea
科 名 アジサイ科
属 名 アジサイ属
ツルアジサイの特徴
ツルアジサイは蔓長5m〜15m程になるアジサイ科のつる性落葉低木です。日本では6月〜7月頃に開花します。
ツルアジサイは、幹や枝から気根を出して高木や岩崖に付着して、絡みながら這い登り繁茂します。樹皮は淡褐色から赤褐色で、樹齢を重ねると縦に裂けて剥がれ落ちます。
ツルアジサイの葉は対生する単葉で、長さ5cm〜10cm程の先端が尖った広卵形で、葉質は薄く、表面や裏面に毛が生えて、縁には細かい鋸歯(きょし)があります。
ツルアジサイの花は、枝先に径10cm~15cm程の集散花序を作り、花序は中央に白色の両性花を多数付けて、その周辺に白色の萼片が4個からなる装飾花があります。
両性花は萼片、花弁ともに5枚で散りやすく、花弁の先端で合着していて開花直前に帽子を脱ぐように脱落します。雄しべは15~20本あります。開花後、冬になっても枯れ残った装飾花の付いた果序が残ります。
ツルアジサイの果実は蒴果で、長さ3mm程の球形になり、秋頃になると褐色に熟します。種子には翼があり、これが拡散することで繁殖しますが、園芸では挿し木で増やします。
ツルアジサイの毒性
アジサイ属の植物には毒性があり、アジサイの葉を食べて食中毒を引き起こした事例があります。
アジサイ属の毒成分は解明されていない部分が多くあります。触っても問題はありませんが、食べないように注意しましょう。また、ペットなどが食べてしまわないように注意が必要です。
ツルアジサイの仲間
ツルアジサイは、たくさんあるアジサイの仲間の中で、唯一のつる性植物です。花姿はヤマアジサイや、タマアジサイに似ていますが、近くの植物やフェンスなどに絡みついて伸びるため、成長した姿は全く異なります。そんなツルアジサイと同じ、アジサイ科アジサイ属の植物はたくさんあり、近縁種の一部をご紹介します。
アジサイとして主に流通している植物で、梅雨時期に花を咲かせる代表的な庭木です。花はほぼ装飾花で、花色や品種もたくさんあり、庭木としてだけでなく、切り花やドライフラワーとしても楽しまれています。
アジサイ同様、古くから使われている梅雨時期に咲く庭木のひとつです。一般的なアジサイとは異なり、多数の両性花を中心に、装飾花が周りを縁取る特徴的な花を咲かせます。
ヤマアジサイは、ガクアジサイの亜種・変種と言われています。木全体の雰囲気は似ていますが、ヤマアジサイの方が幹枝は細く、花も小さくなります。
一般的なアジサイの蕾とは異なり、玉のようなひとつの蕾が付き、くす玉が割れるように開花することから名付けられました。花姿は、ヤマアジサイに似ていますが、蕾の付き方が異なり、タマアジサイの方が葉が大きくなります。
コアジサイは、アジサイ属にある特徴的な装飾花はなく、両性花のみの花を咲かせます。また、ほかのアジサイにはない甘い香りがあります。
カシワバアジサイは、葉が楕円形になる一般的なアジサイとは異なり、葉が掌状に裂けるのが特徴で、花の形も円錐形になる両性花の周りに装飾花が付きます。
ガクウツギは、「ウツギ(空木)」に似ているため、名前にウツギと入っておりますが、アジサイの仲間です。アジサイのように両性花の周りに装飾花が並びますが、装飾花の萼片の大きさが不揃いになるのが特徴です。
ノリウツギは、ガクウツギと同様に名前に「ウツギ」が入りますが、アジサイの仲間です。ノリウツギの花はカシワバアジサイによく似た円錐形で、両性花の周りに装飾花が付きます。
ツルアジサイと似ている樹木
ツルアジサイとよく似ている樹木に、「イワガラミ(岩絡み)」があります。どちらも同じようにつる性で、他の植物や岩などに絡みつきます。どちらもアジサイ科ですが、本種はアジサイ属で、イワガラミはイワガラミ属なので別属の植物です。
同じ様なつる性で、似ている花を咲かせますが、ツルアジサイは装飾花が4枚あるのに対して、イワガラミは1枚しかないため、見分けることができます。
アジサイの名所
全国にはさまざまなアジサイの観光名所やお祭りがあります。梅雨時期に見頃を迎えるアジサイですが、数千株、数万株のアジサイが織りなす風景は一見の価値ありですよ。下記では全国のアジサイの名所をご紹介しておりますので、是非、ご覧ください。
一度は行ってみたい!全国のアジサイの名所【東日本編】
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ツルアジサイの詳細情報
園芸分類 | 庭木 |
性質 | つる性落葉低木 |
開花時期 | 6月〜7月 |
花色 | 白色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | やや弱い |
耐陰性 | 普通 |
ツルアジサイの詳しい育て方
ツルアジサイは日本の原産で、北海道、本州、四国、九州に分布して、山野の湿った場所の岩崖や林緑に自生しています。庭木としては、ほかのアジサイの方がよく植栽されていますが、ヨーロッパなどでは本種も庭木として植栽され人気があります。
ツルアジサイの植え付け
植え付けの適期は3月〜4月と9月〜10月頃です。日当たりの良い場所が好みですが、半日陰でもしっかりと開花してくれます。ツルアジサイは夏場の乾燥や、西日に当たると株が弱ってしまいます。また、近くの植物やフェンスなどに絡みつきますので、トレリスやパーゴラにして管理しましょう。
用土は市販の花の培養土や、赤玉土に腐葉土を混ぜた水はけの良い土を使い、植え付けたら水やりをしましょう。
ツルアジサイの水やり・肥料
ツルアジサイは水を欲しがる植物ですので、水切れに注意しましょう。庭植えも鉢植えも、土が乾燥したら水やりをしましょう。
肥料は寒肥として2月頃と、開花後のお礼肥に、油かすや緩効性化成肥料を株元に混ぜ込みましょう。
ツルアジサイの害虫や病気
害虫はアブラムシやハダニなどが発生することがあります。食害により株が弱ってしまうので、見つけたらすぐに取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気はうどんこ病にかかりやすく、葉に粉をまぶしたように白くなる病気です。はじめはポツポツと白く粉をふいているように見えますが、悪化すると葉の全体が真っ白になり、葉にカビが生えたようになってしまいます。見つけたら早めに葉を取り除き、殺菌剤を散布して被害を食い止めましょう。
ツルアジサイの剪定
ツルアジサイは8月〜9月頃に翌年の花芽が形成されるため、開花後の7月〜8月頃が剪定の適期です。夏以降に剪定をすると花芽を落としてしまいます。
ツルアジサイはよく伸びて、近くの植物やフェンスに絡みつきますので、適宜剪定をして管理しましょう。枯れた枝や混み合っている枝があれば根本から切り落としましょう。
ツルアジサイの挿し木の方法
ツルアジサイの挿し木は6月〜7月が適期です。今年伸びた新梢を使い、枝の長さは15cm〜20cm程、上に葉を2枚〜3枚残し、下の葉も取り除きます。残した葉は半分くらいカットしましょう。(これは葉から水分が蒸発するのを防ぐためです。)
挿し穂の茎の下部分を斜めにカットして水に挿し、1時間以上水上げをしたら、用土に割り箸などで穴を開け、挿し穂の葉が重ならないように挿しましょう。根元を押さえたら、たっぷり水やりをしましょう。
鉢は明るい日陰に置き、乾いたら水をあげましょう。3週間〜1ヶ月程で発根しますので、発根したら肥料入りの培養土に植え替えましょう。
ツルアジサイの花言葉
ツルアジサイの花言葉は「強い愛情」です。
ツルアジサイのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが!
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
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- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
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ツルアジサイのまとめ
ツルアジサイは一般的なアジサイとは異なり、つる性のため、ほかの植物などに絡みついて伸びていきますが、ほかのアジサイと同じように可愛い花を咲かせてくれます。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ツルアジサイを育ててみてはいかがでしょう!