キツネノボタンの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説

2023年9月15日

こちらでは、キツネノボタンの植物図鑑と育て方を私の経験を元にわかりやすく解説します。
造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。

MIDORI

この記事の監修者

キツネノボタンとは

植物名　　　キツネノボタン

学　名　　　Ranunculus silerifolius

和　名　　　狐の牡丹

英　名　　　Ranunculus glaber

科　名　　　キンポウゲ科

属　名　　　キンポウゲ属

キツネノボタンの特徴

キツネノボタンは草丈30cm〜60cm程になるキンポウゲ科の多年草です。日本では4月〜7月頃に開花します。

キツネノボタンの茎は上部でよく枝分かれして、開出毛が密に生えます。

キツネノボタンの花は、茎先に数個が集散状に付きます。花は経1cm程の黄色い5弁花で、花弁に光沢があり、萼片は外側に伏した毛が生えて、花時には反り返ります。

キツネノボタンの葉は根出葉と茎葉があり、根出葉は長い葉柄があり、1〜3個出る3出複葉となり、裂片は浅く切れ込んで縁には鋸歯（きょし）があります。茎葉は卵形で、切れ込みが入って2〜3裂して、葉柄は上部のものほど短いか無柄です。

キツネノボタンの果実は痩果で、直径1cm程の角がある金平糖のような形になる集合果です。

キツネノボタンの名前

キツネノボタンという名前は諸説あり、キツネが出そうな場所に自生するという説や、有毒であることからという説、嫌なものという説などがあり、葉が「ボタン（牡丹）」に似ていることから名付けられたと言われています。

また、兵庫県三原郡・津名郡、山口県玖珂郡などでは、実の形から「コンペイトウグサ」と呼ばれたり、秋田県雄勝郡、山形県酒田市、新潟県佐渡市、長野県下水内郡、福岡県山門郡・八女郡・柳川市、大分県南海部郡・佐伯市では「ウマゼリ」とも呼ばれています。

キツネノボタンの毒性

キツネノボタンは全草に刺激性の毒成分を含む有毒植物です。ラヌンクリンという毒成分を含み、葉の汁が皮膚に付くと水ぶくれや炎症を起こし、誤って食べると口腔内や消化器に炎症を起こし、胃腸がただれて血便が出ることがあるため、注意が必要です。これは近縁種の「ウマノアシガタ（馬の足形）」や「タガラシ（田辛子）」と同じ毒成分です。

また、「セリ（芹）」とはよく似た環境に生育し、葉の一部だけを見ると似ているため、湿り気のある土地で山菜採りをする際は、本種を一緒に採取しないように注意が必要です。