オクラの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説

刻んだオクラ

こちらでは、オクラの植物図鑑と育て方を私の経験を元にわかりやすく解説します。
造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
MIDORI
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この記事の監修者

フラワーショップ店長【ミドリ】プロフィール

オクラとは

食用のオクラ

 

植物名   オクラ


学 名   Abelmoschus esculentus


和 名   秋葵


別 名   アメリカネリ


英 名   okra


科 名   アオイ科


属 名   トロロアオイ属


 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

オクラの特徴

オクラの果実

 

オクラは草丈50cm〜200cm程になるアオイ科の多年草です。日本では7月〜9月頃に開花します。

オクラの花は、葉腋から径5cm〜7cm程の、乳白色で中心が赤色の花を咲かせます。花は夜に開花し、早朝まで開いたら昼にはしぼんでしまいます。花弁は5枚で、縦筋が多数あり、螺旋状に重なり合います。雄しべは多数が合一して単体となり、柱頭は5裂します。

オクラの葉は互生して、長い柄があり、径15cm~30cm程で掌状に3~5裂します。

オクラの果実は莢果で、長さ10cm~30cm程になり、先端が尖った5稜の角状で、表面には硬い短毛をもち、熟すと木質化します。

 

オクラの名前

オクラという名前は、英語名「okra(オクラ)」からの借用語で、その語源はアフリカのガーナで話されるトウィ語の「nkrama」に由来します。その形状から婦人の指という意味の「Lady's finger(レディース・フィンガー)」とも呼ばれ、別名では「gumbo(ガンボ)」とも呼ばれます。フランス語名は「gombo(ゴンボ)」、イタリア語名では「gombo(ゴンボ)」または「abelmosco(アベルモスコ)」と言います。

本来の和名を「アメリカネリ」と言い、ほかに「陸蓮根(オカレンコン)」の異名もあります。従来「ネリ」と呼んでいた「トロロアオイ」の近縁種であったことから「アメリカネリ」と名付けられました。沖縄県や鹿児島県、伊豆諸島など、この野菜が全国的に普及する以前から食べられていた地域では「ネリ」と呼ばれていました。今では「オクラ」という名称以外ではほとんど通じません。

 
 

オクラの種類

オクラは果実の形状によって区分され、「五角種」「丸さや種」「多角種」などの違いがあります。現在の日本では、稜がはっきりしていて断面は丸みを帯びた星型になる品種が主流ですが、沖縄県や八丈島などでは大型で稜がほとんどなく、断面の丸いものが栽培されています。その他、果実表面の色が緑色のほか紫紅色、黄色の品種や、大きさが2cm程の小さい品種もあります。

五角種

一般に出回っている品種で、莢の断面が五角形のきれいな星形になります。開花後4、5日後の若いサヤが食用とされます。「東京五角オクラ」などの品種があります。

 

丸オクラ

莢の断面が円形で、大きくなっても柔らかいのが特徴です。五角種と味や成分は変わりません。代表品種に、八丈島原産で関東地方で主に栽培されている「八丈オクラ」や、沖縄県産の「島オクラ」があります。

 

赤オクラ

果実の莢にアントシアニンを含む暗紫紅色の品種で、断面は五角形で加熱すると緑色になります。比較的柔らかくて味が濃く、サラダなどの生食に向いています。

 

白オクラ

山口県で栽培されている果実が白色になる丸オクラの品種です。固くなりにくく、生食に向いています。

 

島オクラ

沖縄県で栽培されている在来種で、丸オクラの1種です。一般のオクラと比べると17cm〜18cm程とかなり大きくなり、柔らかくて食べやすく、味も変わりません。

 

スターオブデイビッド

イスラエルで栽培される伝統品種で、莢の断面が八角形になります。柔らかくて粘りがあります。

 

ミニオクラ

これは品種ではありませんが、普通のオクラの実を小さいうちに早採りしたものです。実の長さは2cm〜3cm程で、料亭などで提供されています。

 

オクラの食用

オクラの天ぷら

世界各地で食べられているオクラですが、日本では夏野菜の一つに数えられ、生あるいは軽く茹でて小口切りにして粘り気を出し、醤油、鰹節、味噌などをつけて食べたり、煮物、天ぷら、炒め物、酢の物、和え物、汁の実、すりおろすことによってとろろの代わり、納豆の薬味、サラダなどでも食べられています。花蕾を収穫して、天ぷらにしてもおいしく食べられます。

果実の表面には細かい産毛があり、そのままでは口当たりが悪いので塩をまぶしてこすり取ると口当たりが良くなります。生でも食べられ、茹でるときは固めに仕上がるように、熱湯に入れてから手早く冷水に取って冷ますと、鮮やかな緑色で茹で上がります。果実の基部にある角張った部分は苦味があるため、丸ごと使う場合は面取りするように削り取って使います。

粘り気を出して料理に活かすためには、包丁で細かく刻んだり、たたいたりして、オクラの組織を破壊するようにします。少し加熱することでも粘りは出ますが、加熱しすぎると栄養分が損なわれてしまうため、軽くゆがいて細かく刻んだほうが、他の食材ともなじみやすくなります。

 
 

オクラの栄養素

オクラはβ-カロテンやビタミンB群が豊富な緑黄色野で、ビタミンC、カルシウム、葉酸、食物繊維なども豊富に含まれています。また、刻んだ時にぬめぬめした粘り気が出ますが、これは主に水溶性食物繊維のペクチンと植物性糖タンパク質のムチレージです。

ペクチンは、血糖値の上昇を抑制したり、便通をよくする作用があり、ムチレージは、脂肪や悪玉コレステロールの吸収を減らす効果があると言われ、胃の粘膜保護、タンパク質の消化吸収を助ける働きがあります。ペクチン以外の不溶性食物繊維も豊富に含まれ、便秘を改善して、大腸がんのリスクなどを抑制すると言われています。

 

オクラの詳細情報

園芸分類野菜
性質多年草
開花時期7月〜9月
花色乳白色
栽培難易度
耐寒性強い
耐暑性弱い
耐陰性普通
 
 

オクラの詳しい育て方

オクラの葉

オクラはアフリカ北東部の原産で、原産地や熱帯など本来の環境では多年草として何年も繰り返し果実を付けますが、日本では越冬できないため一年草として扱われています。

果実基部のヘタや萼の周辺に黒い斑点がなく、全体に濃い緑色で、産毛がしっかり生えているものが良品とされ、鹿児島県、高知県、沖縄県が主な生産地として知られ、ハウス栽培や輸入物など通年流通していますが、日本の露地栽培では6月〜9月頃が旬の時期です。

 

オクラの種まき

種まきの適期は4月〜5月頃です。発芽適温は25℃〜30℃で、発芽日数は4〜5日程です。

プランター栽培は、60cm以上の深型のプランターを用意して、用土は「野菜の培養土」を使用しましょう。

畑栽培では、植え付ける2週間前に苦土石灰を混ぜて耕し、1週間前に堆肥を混ぜて再度耕しましょう。植付けは幅80cm、 高さ15cm程の畝に、株間30cm間隔で、1つの穴に3粒ずつ、種が重ならないようにまきましょう。軽く土を被せたらたっぷり水を与え、その後もできるだけ乾燥させないようにしましょう。また、オクラは連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を2〜3年あけるようにしましょう。

 

オクラの間引きと支柱立て

オクラは本葉が2〜3枚出たところで、緑が濃く元気のよい苗を1本残して間引きしましょう。苗は手で引き抜かずに、ハサミなどで根元付近を切り取りましょう。

オクラは成長すると最大で2m程になるため、苗が30cm程まで成長したら、風や雨で倒れないように支柱を立てて支えてあげましょう。

 

オクラの水やり・肥料

オクラは根をまっすぐ張るため、株元を中心に水を与えましょう。夏場の高温期は水切れを起こさないようにするのが多収穫のポイントです。苗が成長したら、用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。

肥料は化成肥料を、植え付けてから2~3週間が経って、本葉が5〜6枚になる頃に1回目を施し、その後2〜3週間に1回の頻度で追肥しましょう。プランター栽培では株元から離れた場所の土と混ぜ、露地栽培では畝の肩や株間にまいて用土と混ぜましょう。また、追肥のタイミングで土寄せしましょう。

 

オクラの害虫や病気

害虫はヨトウムシ、ハダニ、カメムシ、ワタノメイガ、ハスモンヨトウムシ、フタトガリコガヤ、アオクサカメムシ、ワタアブラムシなどが発生します。食害されると株が弱ってしまうため、見つけたら取り除き、必要な場合は薬剤を散布して駆除しましょう。

病気は立枯れ病、うどんこ病、輪紋病、ウイルス病、すす病などがあります。日照不足や多湿環境、肥料不足が原因で病気になることがあります。土壌の水はけと根元の風通しを良くして、日当たりの良い場所で育てることで対策することができます。

 

オクラの収穫

品種により異なりますが、開花から5〜7日で収穫適期を迎えます。長さ5cm~8cm程の柔らかい若サヤを収穫しましょう。収穫が遅れると硬くなります。オクラは蕾を収穫して、天ぷらにしても美味しく食べられます。

オクラは果柄が固いため、ハサミで切って果柄を1cm程付けて切り取って収穫しましょう。使い終わったハサミは病害が伝染しないように水で洗うか消毒しておきましょう。

 

オクラの摘葉・脇芽かき

収穫と同時に、その下に2枚の葉を残して、それより下の葉を切り取りましょう。摘葉することで、養水分を上の若い葉の方に回すことができ、次々と実をつけて収穫が長く続きます。また、風通しもよくなって病害虫の予防にもつながります。

ただし、葉や茎が細いなど草勢が弱い場合は、摘葉せずに葉を残して、光合成を優先させましょう。また、茎葉の付け根からは脇芽が出てきます。脇芽にも実がつくので、そのまま伸ばして収穫もできますが、風通しが悪くなるため、密植栽培している場合は、早めに摘み取ってしまいましょう。

 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

オクラの誕生花・花言葉

オクラの未熟果

 

オクラは「8月15日」の誕生花です。

オクラの花言葉は「恋の病」「恋で身が細る」です。

 

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オクラの花
 
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オクラのまとめ

オクラの天ぷら

オクラはいかがでしたか?
オクラは世界各地で食べられているネバネバした食感が特徴的な野菜で、家庭菜園でも人気があり、初夏にはハイビスカスに似た美しい花を咲かせます。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非オクラを育ててみてはいかがでしょう!
MIDORI
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