造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。

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ハマボウとは
植物名 ハマボウ
学 名 Hibiscus hamabo
和 名 浜朴 / 黄槿
別 名 下に記載
英 名 Hibiscus hamabo
科 名 アオイ科
属 名 フヨウ属
ハマボウの特徴
ハマボウは樹高1m〜3m程になるアオイ科の落葉低木です。日本では7月〜8月頃に開花します。
ハマボウの樹皮は灰白色から淡褐色で、滑らかですが樹齢を重ねると縦に皮目が入ります。幹はよく枝分かれし、障害物がなければ横にも広がります。また、細い枝には灰白色の細毛が密生します。
ハマボウの花は、枝先や葉腋に単生し、径5cm〜8cm程の5花弁で花弁が螺旋状に並び、花弁は黄色で基部は暗赤色を帯びます。雄しべは花糸が合着して筒状になり、筒に葯が多数付き、花柱は突き出て、先が5裂します。ハマボウの花は朝咲いて、夕刻には萎む一日花ですが、大きな株では毎日次々と開花します。
ハマボウの葉は互生し、直径3cm〜8cm程の先端がやや尖った円形で、厚みがあり、葉裏には灰白色の毛が密生し、縁には鋸歯(きょし)があります。また、秋には紅葉または黄葉しますが、綺麗に色付かないこともあります。
ハマボウの果実は蒴果で、径3cm程の卵形になり、褐色の毛が密生します。秋なると黄褐色に熟し、5つに裂けます。中には長さ5mm程の豆のような黒褐色の種子が十数個程あり、果実の基部には萼片と副萼片が付きます。中に入る種子には海水に強く、海面を漂って遠方まで拡散されます。
ハマボウの冬芽は裸芽で、灰白色の星状毛があり、側芽が枝に互生します。托葉痕は枝を一周して、葉痕は半円形で、維管束痕が3個から数個程、輪状に並びます。
ハマボウの名前
ハマボウという名前は、諸説ありますが、浜辺に生えていることと「ホオノキ(朴木)」に似ていることから名付けられたという説が有名で、漢字も「浜朴」と書きます。また、「フヨウ」の転訛ではないかという説もあり、もう一つの漢字名である黄色の「ムクゲ」という意味の「黄槿」は誤用であるという説もあります。
上記にあります「フヨウ(芙蓉)」や「ムクゲ(木槿)」、ほかにも「ブッソウゲ(仏桑花)」など、同属の樹木はよく似た花を咲かせます。
また、別名として「キイロムクゲ」や「カワラムクゲ」、「ハマツバキ」とも呼ばれ、方言呼称には「ヒシテバナ」などもあります。
天然記念物のハマボウ
日本国内には多くのハマボウが自生し、九州などでは群落もたくさんあります。鹿児島県南さつま市の吹上浜にそそぐ万之瀬川の左岸沿いの泥質干潟を中心に、約1kmに渡ってハマボウが1,000株以上生育し、日本最大規模の大群落を形成し、「万之瀬川河口域のハマボウ群落及び干潟生物群集」として国の天然記念物に指定されています。
ハマボウの詳細情報
園芸分類 | 庭木 |
性質 | 落葉低木 |
開花時期 | 7月〜8月 |
花色 | 黄色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | やや弱い |
ハマボウの詳しい育て方
ハマボウは日本の原産で、神奈川県以西の本州、四国、九州に分布しています。河口や内湾など、汽水域の潮間帯上部から潮上帯の砂地や砂泥地に自生し、塩分に強く、満潮時には根元が海水に浸る位置に生えますが、海水が届かない位置にも生えます。
人為的なものを除けば海岸から離れて生えることはほぼなく、荒波が打ち寄せる海岸にも見られません。マングローブが発達しない九州以北ではハマジンチョウ、ハマナツメなどと並び特徴的な生態を示す木であり、「半マングローブ植物」とも呼ばれています。
ハマボウは暖地性の樹木なので、関東北部より北の寒冷地では生育が不良となることがあります。基本的には庭植えで管理しましょう。盆栽としても流通していますが、盆栽の場合は花が咲かないため、秋の紅葉を楽しむことになります。
ハマボウの苗植え
苗植えの適期は4月〜5月頃です。日当たりと風通しの良い場所を好みます。用土は庭土に腐葉土を混ぜたものに植え付けて、たっぷりと水やりをして、根付くまでは乾燥させないように管理しましょう。
ハマボウの水やり・肥料
根付いてしまえば降雨だけで問題ありませんが、夏場の暑い時期に土が乾燥するようであれば、たっぷりと水やりをしましょう。
肥料は、春から秋の成長期に、緩効性化成肥料を2ヶ月に1回程度与えましょう。肥料はリン酸とカリが多めのものが適しています。チッソ分が多いと花付きが悪くなることがあります。
ハマボウの害虫や病気
害虫はアブラムシ、ハマキムシ、カイガラムシ、ハダニなど発生することがあります。害虫に食害されると株が弱り、花数が減ってしまうので、見つけたらすぐに取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
ハマボウは病気の心配は特にありません。
ハマボウの剪定
ハマボウは成長が早く、枝葉は密生します。樹形は大振りで、整えにくい樹木です。剪定は12月〜翌2月頃が適期です。自然樹形を活かしながら、徒長枝や枯れ枝、混み合っている枝を付け根から切り取りましょう。枝を切りすぎて枝数が減ってしまうと、花数も減ってしまうため注意しましょう。
ハマボウの誕生木・誕生花・花言葉
ハマボウは「8月6日」の誕生木です。
ハマボウは「7月30日」の誕生花です。
ハマボウの花言葉は「楽しい思い出」です。
ハマボウのアーティフィシャルグリーン

アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。

本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが!
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- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
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ハマボウのまとめ
ハマボウは河口や内湾などに自生するハイビスカスなどの仲間で、夏には爽やかな黄色い花を咲かせ、秋には紅葉や黄葉が楽しめます。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ハマボウを育ててみてはいかがでしょう!
