造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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アーモンドの木とは
植物名 アーモンド
学 名 Amygdalus dulcis / Prunus dulcis
和 名 扁桃(へんとう) / 巴旦杏(ハタンキョウ)
英 名 Almond
科 名 バラ科
属 名 サクラ属
アーモンドの木の特徴
アーモンドの木は樹高8m程になるバラ科の落葉高木です。日本では3月〜4月にかけて、サクラやモモ、アンズによく似た花を咲かせます。
アーモンドの花は、4cm程の5花弁で花弁の端に小さな切込みが入っています。花の色は白色、桜色、桃色、淡い紅色などがあります。
・サクラとの見分け方は、アーモンドの木は花柄(かへい)が非常に短く、枝に沿うように花を付けます。
アーモンドの葉は、互生する単葉で、やや光沢があり、楕円状披針形で鋸歯(きょし)があります。
アーモンドの果実は、果肉が薄く水分も少ないため、食用にはできませんが、種子の殻を取り除いた仁の部分を食用や薬用に利用しています。
アーモンドの名前の由来
アーモンドは、古くは「ヘントウ(扁桃)」と呼ばれていました。その名の通り、「アンズ(杏子)」や、「モモ(桃)」「ウメ(梅)」などの近縁種で、モモに似た葉や花を付け、ウメに似た果実を付けます。人間の咽喉にある器官「扁桃腺(へんとうせん)」は形が似ていることからきています。また、「ハタンキョウ(巴旦杏)」とも呼ばれますが、「スモモ(李)」にもハタンキョウと呼ばれる品種があり、混同することがあります。
アーモンドの食べ方と種類
アーモンドは、ローストしてそのまま塩味をつけて食べるほか、スライスしたり粉末にしたものを料理や洋菓子(フィナンシェ、マカロン、アマレッティ、ヌガー、マルチパンなど)の材料にします。また、種子を水につけてからアーモンドミルクを絞って飲料とすることもあります。
アーモンドにはスイート種(甘扁桃)とビター種(苦扁桃)があり、食用にされるのはスイート種です。スイートアーモンドには100以上の品種があるとされていて、ピター種は薬用などに利用されていますが、有毒の種類もありますのでご注意ください。
アーモンドは栄養価が高く、抗酸化作用があります
アーモンドは食品の中でもビタミンEが最も多く含まれていて、ビタミンEは活性酸素による体細胞や血管の酸化を防ぐ抗酸化作用があり、老化の予防やAGEsの排出に役立ち、悪玉コレステロールの酸化を抑制し、過酸化脂質の生成を防ぎ、心臓病や糖尿病の予防に役立ちます。
また、豊富な不溶性食物繊維を含み、腸の働きを活発にして整腸を促し、有害物質やコレステロールを吸収し抑制する作用があります。ほかにも亜鉛や、マグネシウム、カリウム、鉄などを多く含んでいます。
アーモンドの脂質の約7割は、一価不飽和脂肪酸のオレイン酸で、善玉コレステロールを維持し悪玉コレステロールを制御し酸化させない働きがあるポリフェノールを多く含んでいます。その効用は紀元前から認められていて、旧約聖書の中にも記述されています。
アーモンドの詳細情報
園芸分類 | 庭木・果樹 |
性質 | 落葉高木 |
開花時期 | 3月〜4月 |
花色 | 白色・ピンク色・淡い紅色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 弱い |
アーモンドの木の詳しい育て方
アーモンドの原産は、アジア西南部。現在では、アメリカのカリフォルニア州が最大の産地で南ヨーロッパやオーストラリアなどでも栽培されています。
日本では香川県小豆島や鹿児島県湧水町、山形県朝日町などで栽培が行われています。
アーモンドの種まき
種まきの適期は3月頃です。水に浸けた種を6号以上の鉢に1粒ずつ植え付けていきましょう。
用土は赤玉土(小〜中粒)に腐葉土を混ぜたものなど、水はけの良い土に深さ3cm〜4cmくらいに植え付けて、土が乾かないように水やりをしてあげると1〜2ヶ月程度で発芽します。
アーモンドの苗植え
苗の植え付けは、真夏や真冬でなければ植え付け可能です。鉢は苗木よりも1回り大きい(6号〜10号くらい)鉢を選びましょう。
アーモンドの地植え
2〜3年程鉢で育ててから地植えした方が丈夫な株に育ちます。
直射日光が当たらず、水はけと風通しの良い場所を好みます。地面はしっかりと耕しながら腐葉土や堆肥をたっぷりと混ぜましょう。
植え付けは、根が地表すれすれくらいに浅めに植え付け、たっぷり水やりをしましょう。
アーモンドの水やり・肥料
根付くまでは表面が乾いたら水やりをします。根付いてからは乾燥気味に育てます。よほどの乾燥でない限りは降雨で問題ありません。
肥料は、秋〜冬の間に1回、果実用の有機質肥料を与えましょう。
アーモンドの害虫や病気
害虫はアブラムシやコスカシバ、ウメケムシなどが発生することがあります。食害されると株が弱ってしまうので、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気は黒星病や縮葉病があります。雨が多い時期や低温が続くと近くの葉っぱへ感染していきますので、病気の葉は全て取り除き、根の回りに殺菌剤を散布して被害を食い止めましょう。
アーモンドの剪定
樹高が1m〜2m程に成長したら幹の先端を切り落とし、枝を横に伸ばすように仕立てていきます。
・実が付かなかった枝や、伸びすぎた枝、混み合って他の枝に干渉している枝を切り落とし、全体的に日光が当たるようにしましょう。
アーモンドの収穫
日本の収穫時期は梅雨から夏頃ですが、台風などの影響で収穫が難しいこともあります。
果実は成熟すると自然と乾燥し、果肉が割れてきます。果肉は割れた時点で収穫しないと虫に食われたり、腐ってしまったり、カビが生えたりして食べることは出来ません。
アーモンドの誕生花・花言葉
アーモンドは「3月14日」の誕生花です。
アーモンドの花言葉は「希望」「真実の愛」「永久の優しさ」です。
花言葉の由来は、青年デモフィーンは、トロイ戦争の帰り道で船が難破し、流れ着いた先で王女フィリスと出会い、二人は恋に落ちます。その後、デモフィーンが本国に帰国したとき、別の美しい女性と出会って恋をし、帰ってきませんでした。その間にフィリスは病気で亡くなってしまい、アーモンドの木にその姿を変えられていました。フィリスのことを思い出したデモフィーンは、アーモンドの木に泣きながらすがりつくと、見事な美しい花を咲かせたというギリシャ神話に由来します。
アーモンドのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが!
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
- 光触媒加工を施すと、目に見えないウイルス・雑菌・悪臭・カビ菌などを分解して、空間をキレイにする効果もあります。
ホームセンターなどで販売している造花やアーティフィシャルは、どうしても偽物とわかってしまい、観賞価値がありません。
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アーモンドのまとめ
アーモンドは花もすごく綺麗で、うまく育てれば家庭でもアーモンドの収穫が楽しめます。
育てるのはそんなに難しくないので、記念樹やシンボルツリー、収穫の楽しみまで、みなさんも是非アーモンドを育ててみてはいかがでしょう!