造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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シモツケとは
植物名 シモツケ
学 名 Spiraea japonica
和 名 下野
別 名 木下野(キシモツケ)
英 名 Japanese Spiraea
科 名 バラ科
属 名 シモツケ属
シモツケの特徴
シモツケは樹高30cm〜100cm程になるバラ科の落葉低木です。日本では6月〜8月頃に花を咲かせます。
シモツケの若枝は赤褐色で、枝は円柱形でよく枝分かれして、皮が剥けやすく、樹皮は生長すると灰褐色〜暗褐色となり、なめらかで、縦に裂けます。
シモツケの花は、今年出た枝の先に複散房形花序を出し、径3mm~6mm程の淡い紅色〜濃い紅色、稀に白色の5弁花を多数付けます。雄しべは25〜30個あり、花弁よりも長くなります。雌しべは5個で、花柱は長さ10mm〜15mm程になります。
シモツケの葉は互生する単葉で、長さ3cm~9cm、幅2cm~4cm程の先が尖った楕円形~広卵形で、葉脈は凹み、裏面は粉白色で、葉の縁には鋸歯(きょし)があります。
シモツケの果実は袋果で、長さ2mm〜3mm程の球形で、表面には光沢があり、先端に花柱が残り、秋になると茶色に熟して裂開します。果実の殻は冬になっても枝に残ります。
シモツケの名前
シモツケの名前は、下野の国(現在の栃木県)で最初に発見されたことから命名されました。また、同科別属の草花である「シモツケソウ(下野草)」と区別するために本種シモツケを「木下野(キシモツケ)」と呼び、シモツケソウを「草下野(クサシモツケ)」と呼ぶこともあります。
本種シモツケと、シモツケソウはよく似ていますが見分け方があります。シモツケの特徴は幹があり、葉は単葉で楕円形~広卵形になり、花弁は5枚あります。これに対してシモツケソウは、茎があり、葉は掌状に5〜7裂して、花弁が3〜5枚あります。
シモツケの詳細情報
園芸分類 | 庭木・盆栽・切り花 |
性質 | 落葉低木 |
開花時期 | 6月〜8月 |
花色 | 淡紅色・濃紅色・白色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 普通 |
シモツケの詳しい育て方
シモツケは東アジアの原産で、国内では本州、四国、九州に分布しています。山地の日当たりが良い林縁や湿原などに自生していますが、ニホンジカなどの食害により個体数が減少し、絶滅危惧類に指定されている地域もあります。
シモツケは庭木や公園樹のほか、鉢植えから盆栽、切り花など観賞用として栽培、植栽されています。また、シモツケ属は数が多く、世界中で植栽され、変種や亜種もたくさんあります。
シモツケの苗植え
苗の植え付けは落葉期の、11月〜12月と翌2月〜3月頃が適期です。日当たりを好みますが、半日陰でも育ちます。用土は赤玉土に腐葉土を混ぜ込んで、植え付けたらたっぷり水やりをしましょう。
シモツケの水やり・肥料
根付いてからは降雨で問題ありませんが、乾燥が続くようであれば水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土が乾燥したら水やりをしましょう。
肥料は、鉢植えであれば新芽が出る4月頃に油粕を与えましょう。肥料を与えた方が花付きが良くなります。庭植えの場合は、肥料は必要ありませんが、元気がないようであれば緩効性化成肥料を株元に与えましょう。
シモツケの害虫や病気
害虫はアブラムシ、カイガラムシなどが発生することがあります。風通しが悪いと害虫が発生します。食害されると株が弱ってしまうため、害虫を見つけた時はすぐに取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気はすす病、うどんこ病があります。すす病は、カビが原因で葉が黒いすすで覆われてしまい、見た目が悪く、光合成ができなくなってしまい弱ってしまうため、病気の葉は全て取り除き、薬剤を散布して防除しましょう。
シモツケの花がら摘み
シモツケは枝を伸ばしながら花芽を作るため、花後に枝先の花がらの付いた枝を切り戻すことで、次の枝が伸びて花芽を伸ばし、開花期が伸びて、長く花を楽しむことができます。
シモツケの剪定
シモツケは春以降に伸びた枝に花が咲きますので、花後から3月頃まで剪定することができます。古い枝を切り取り、元気な新しい枝を出さすことで株全体の更新をしましょう。若い枝の方が枝分かれしやすく勢いもあり、花付きも良くなります。
枝葉が込み合って風通しが悪くなると、株の内側が蒸れて害虫の被害を受けやすくなるため、枝が密生したら、太い枝を間引きましょう。
剪定を行う際は、徒長枝や枯れ枝も切り取りましょう。放任してもある程度樹形はまとまりますが、形をきれいに整える場合は、2~3年に1回、枝を半球状に軽く刈り込みましょう。
シモツケの誕生木・誕生花・花言葉
シモツケは「5月19日」の誕生木です。
シモツケは「6月14日」「10月13日」の誕生花です。
シモツケの花言葉は「無駄」「無益」「儚さ」「努力」「整然とした愛」などがあります。
シモツケのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが!
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
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シモツケのまとめ
シモツケは樹高が大きくならないため、庭木の根本に植える「根締め」として利用されます。春から夏にかけてピンク色の花を咲かせ、盆栽や切り花としても人気がある樹木です。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非シモツケを育ててみてはいかがでしょう!