造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
この記事の監修者
ミツマタとは
植物名 ミツマタ
学 名 Edgeworthia chrysantha
和 名 三椏
別 名 結木(ムスビギ)
英 名 Oriental paperbush
科 名 ジンチョウゲ科
属 名 ミツマタ属
ミツマタの特徴
ミツマタは樹高1m〜3m程になるジンチョウゲ科の落葉低木です。日本では2月〜4月頃に開花します。
ミツマタの幹は株立ち状になり、枝が必ず三つ叉状に分かれるのが特徴で、枝が横に広がる樹形となります。樹皮は灰褐色で滑らかになります。
ミツマタの花は、葉が展開する前に枝の上部の葉腋に頭状花序を出し、30〜50個程の小花が球状に付きます。花には花弁がなく、筒状で先端が4裂した萼裂片の内側が黄色くなり、萼裂片の外側は白色の綿毛に覆われます。花には8個の雄しべと、1個の雌しべがあり、甘い芳香があります。
ミツマタの葉は互生する単葉で、長さ5cm〜20cm程の長楕円形です。若葉では葉の両面に長い綿毛が密に生えます。葉質は薄く全縁で、表面は鮮やかな緑色ですが、裏面は白っぽくなります。
ミツマタの果実は痩果で、長さ1cm程の先が尖った卵形になり、6月〜7月頃に熟します。果実は枯れた萼に包まれた緑色で、中には小さな種子を1個含みます。果実は噛むと辛味があり、有毒ですので食べないように注意が必要です。
ミツマタの名前
ミツマタという名前は、新しい枝が必ず三叉に分かれることから名付けられました。漢字の「椏」は木の又を意味して、「三枝」や、「三又」と書くこともあります。また、毎年出る枝が必ず三叉になるため、枝の分岐点を数えれば樹齢が分かると言われています。
ミツマタは別名「結木(ムスビギ)」とも呼ばれています。これはミツマタの切れにくい樹皮を用いて、山の境界線の目印にしたことによる説や、中国では「結香(ジエシアン)」と呼ばれていることに由来する説もあります。
ミツマタの利用
ミツマタは栽培が容易で、栽培植物としては、鹿による食害が比較的少ないことや、ミツマタの樹皮は繊維質が強く、和紙の原料としては加工が容易であり、丈夫で良質とされ、重要な原料とされています。また、日本紙幣、証券、地図、ハガキ、コピー紙の原料としても使用されています。
ミツマタ同様、和紙の原料として古くから用いられている樹木に、同科の「ガンピ(雁皮)」や、クワ科の「コウゾ(楮)」があります。
ミツマタの詳細情報
園芸分類 | 庭木 |
性質 | 落葉低木 |
開花時期 | 2月〜4月 |
花色 | 黄色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
耐陰性 | 普通 |
ミツマタの詳しい育て方
ミツマタは中国中西部から南部、ヒマラヤ地方の原産で、日本へは慶長年間に渡来したとされますが、もっと古くから渡来、使用されているとも考えられています。
ミツマタは和紙の原料として栽培されたものが野生化して、関東地方以西に分布して、中国・四国地方の山地に多く生育しています。また、園芸品種としても植栽され、赤やオレンジ色の花が咲く品種もあります。
ミツマタの苗植え
ミツマタは移植が難しい植物です。根が傷ついてしまうと枯れてしまうため、基本的に植え替えはせず、植え付ける場所は慎重に選びましょう。
苗植えは2月〜3月頃が適期です。日向から明るい日陰まで、幅広く植栽できますが、苗木の内は直射日光が当たらない場所で育てましょう。ただし、日光が当たらないと花付きが悪くなり、西日が当たるような乾燥する場所は苦手なため、明るい半日陰が適しています。
用土は赤玉土に腐葉土を混ぜたものを使い、植え穴は深めに掘りましょう。植え付けたら支柱を立てて、たっぷり水やりをしましょう。
ミツマタの水やり・肥料
植え付けから1年程は、土の表面が乾いたら水やりをしましょう。根付いてからは降雨で問題ありませんが、極端な乾燥には弱いため、夏場など乾燥が続くようであれば水やりをしましょう。
庭植えの場合の肥料は2月に寒肥として、油かすと鶏糞を混ぜたものを与えましょう。鉢植えの場合は、このほかに花芽ができる前の6月に、化成肥料を与えましょう。
ミツマタの害虫や病気
害虫はテッポウムシが発生することがあります。幹を食害されることがありますので、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
ミツマタは病気の心配は特にありません。
ミツマタの剪定
ミツマタは放任しても自然と樹形がまとまるため、毎年の剪定は必要ありません。枝が張ってきたら、伸びすぎた枝や混み合っている枝を剪定する程度で大丈夫です。
ミツマタは夏頃から花芽が出ますので、花後の5月〜6月頃が剪定の適期です。ただし、強めの剪定は必要なく、秋以降には花芽が肉眼で確認できますので、落葉した12月〜翌2月頃に剪定することもできます。
ミツマタの誕生木・誕生花・花言葉
ミツマタは「3月26日」の誕生木です。
ミツマタは「2月15日」「2月21日」「3月5日」「3月20日」の誕生花です。
ミツマタの花言葉は「強靭」「壮健」「肉親の絆」「意外な思い」「永遠の愛」などがあります。
ミツマタのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが!
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
- 光触媒加工を施すと、目に見えないウイルス・雑菌・悪臭・カビ菌などを分解して、空間をキレイにする効果もあります。
ホームセンターなどで販売している造花やアーティフィシャルは、どうしても偽物とわかってしまい、観賞価値がありません。
グリーンピースのアーティフィシャルグリーンは、日本の職人が国内で作る業界最高のクオリティです。近くで見ても本物と見間違うほどの圧倒的クオリティで、景観や観賞価値を損ないません。
お好みの樹木をお好みの大きさにオーダーメイドも可能で、天然木を使ったMADE IN JAPANのアーティフィシャルグリーンは個人のご自宅をはじめ、さまざまな商業施設や有名施設でも採用され、多くの方に楽しまれています。実際の施工例などもご紹介しておりますので、ぜひ下のページも御覧ください。
ミツマタのまとめ
ミツマタの強靭な樹皮は和紙や紙幣の原料として用いられ、早春に咲かせる甘い香りの花は、園芸品種もあり庭木としても人気がある樹木です。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ミツマタを育ててみてはいかがでしょう!