造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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ミヤマキリシマとは
植物名 ミヤマキリシマ
学 名 Rhododendron kiusianum
和 名 深山霧島
別 名 雲仙ツツジ(ウンゼンツツジ)
英 名 Kyushu Azalea
科 名 ツツジ科
属 名 ツツジ属
ミヤマキリシマの特徴
ミヤマキリシマとは、樹高0.5m〜1m程になるツツジ科の常緑低木です。日本では5月〜6月頃に開花します。
ミヤマキリシマの花は、枝先に2~3輪ずつ咲きます。花は径2cm〜3cm程で、花色は紅紫色、朱色、薄紅色など変化が多く、花冠は漏斗状で先端が5裂して、雄しべは5本あります。
ミヤマキリシマの葉は互生する単葉で、長さ1cm~2cm程の楕円形で、表面に褐色の毛が生えています。
ミヤマキリシマの果実は、長さ5mm〜10mm程の楕円形で、粗い毛があり、多数の種子を含み10月頃に熟します。
ミヤマキリシマの生態系
ミヤマキリシマは、火山活動により生態系が撹乱された山肌で優占種として生存できる植物ですが、火山活動が終息して植物の遷移により森林化が進むと、優占種として生存できなくなると言われています。
ミヤマキリシマの名前
ミヤマキリシマとは、植物学者・牧野富太郎が九州の霧島を訪れた際に発見し、「深い山に咲くツツジ」という意味で「深山霧島(みやまきりしま)」と命名しました。
ミヤマキリシマは、長崎県では昔から「雲仙ツツジ(うんぜんつつじ)」と呼ばれていて、この名称で都道府県の花に指定されています。ただし、同属の「雲仙躑躅(ウンゼンツツジ)」とは全く同じ名前ですが、別の樹木です。
天然記念物のミヤマキリシマ
日本国内には数万株のミヤマキリシマの群生地があり、天然記念物に指定されている場所もあります。その一部をご紹介します。
国指定の天然記念物
- 長崎県雲仙市の「池の原ミヤマキリシマ群落」
- 大分県竹田市の「大船山のミヤマキリシマ群落」
ミヤマキリシマの詳細情報
園芸分類 | 庭木・盆栽 |
性質 | 常緑低木 |
開花時期 | 5月〜6月 |
花色 | 紅紫色・ピンク色・他 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
耐陰性 | やや弱い |
ミヤマキリシマの詳しい育て方
ミヤマキリシマは日本の原産で、九州各地の標高1000m以上の高山に自生しています。花を鑑賞する樹木として、庭木や盆栽として楽しまれています。
ミヤマキリシマの苗植え
苗の植え付けは12月〜翌3月頃が適期です。日当りが良く風通しの良い場所が好みです。日陰ではあまり成長せず、花が付かなくなってしまいます。
用土は水はけがよく、適度な保水力を兼ね備えた酸性土が適しています。鹿沼土とピートモスを混ぜたものに植え付けましょう。鉢植えの場合は、根鉢より一回り大きな鉢に植え付けて、2〜3年毎に一回り大きな鉢に植え替えをしましょう。
ミヤマキリシマの水やり・肥料
庭植えの場合は、根付いた後は降雨だけで問題ありませんが、夏場に極端に乾燥すると、株が弱ってしまうため、夏場は水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土が乾燥したら水やりをしましょう。冬は控えめに与えましょう。
肥料は寒肥として2月、お礼肥として6月、夏後の9月に油かすと骨粉を混ぜたものを、根から離れたところに施しましょう。
ミヤマキリシマの害虫や病気
害虫はハダニ、ツツジグンバイムシ、ベニモンアオリンガ、キシタエダシャクなどが発生することがあります。食害されると観賞価値が下がったり、株が弱ってしまうため、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気はうどんこ病、炭疽病があります。病気はカビの一種で、茎や葉が白い粉を吹いたようになり、植物から栄養を吸収したり光合成を邪魔します。発見次第薬剤を散布して防除しましょう。
ミヤマキリシマの剪定
ミヤマキリシマは開花前後に新梢を伸ばし始め、夏の間に翌年開花する花芽を枝先に作ります。このため、剪定作業は5月〜6月の花後の早い時期に行いましょう。
剪定をする際は、株全体を刈り込み、形を整えましょう。刈り込むことで摘芯となって、小枝が出てきて密度が増します。その際、花がらを取り除き、枯れ枝や混み合っている枝などを切り取りましょう。
ミヤマキリシマの花言葉
ミヤマキリシマの花言葉は「情熱」「自制心」です。
ミヤマキリシマのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが!
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
- 光触媒加工を施すと、目に見えないウイルス・雑菌・悪臭・カビ菌などを分解して、空間をキレイにする効果もあります。
ホームセンターなどで販売している造花やアーティフィシャルは、どうしても偽物とわかってしまい、観賞価値がありません。
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ミヤマキリシマのまとめ
ミヤマキリシマは九州の高山に生息するツツジで、紅紫色の花を咲かせますが、花色は変化も多く、花を鑑賞する庭木や盆栽として楽しまれています。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ミヤマキリシマを育ててみてはいかがでしょう!