造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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オトギリソウとは
植物名 オトギリソウ
学 名 Hypericum erectum
和 名 弟切草
別 名 ヤクシソウ / アオグスリ
英 名 St. John's wort
科 名 オトギリソウ科
属 名 オトギリソウ属
オトギリソウの特徴
オトギリソウは草丈30cm〜80cm程になるオトギリソウ科の多年草です。日本では7月〜9月頃に開花します。
オトギリソウの花は茎頂や分枝した枝先に、数個ずつ次々と咲かせます。花は径1.5cm〜2cm程の黄色い5弁花で、20〜40本程の黄色い雄しべがあります。花弁と萼には黒線と黒点があり、花を潰すと紫色になります。また、この花は日中に咲き、1日で終わる1日花です。
オトギリソウの葉は対生する単葉で、長さ2cm〜6cm程の先端が丸い披針形で、基部はやや茎を抱きます。葉にも黒点と明点があります。
オトギリソウの果実は蒴果で、径5mm〜10mm程の長卵形になります。
オトギリソウの名前
オトギリソウ(弟切草)という名前は、平安時代に鷹の傷薬としてこの植物を使っていた鷹匠が、その秘密を漏らした弟を斬り捨てたという伝説に由来する説があります。言い伝えでは、オトギリソウの葉や花弁に見られる黒点は、斬り殺された弟の飛び散った血とされています。
オトギリソウの毒性と薬用
オトギリソウは伝説のとおり、古くから茎や葉は止血などの民間薬として使われています。オトギリソウには多量のタンニンが含まれていて、地上部の全草が薬草として利用され、開花期または結実期などに、花や果実が付いたままの茎葉を刈り取り、日干し乾燥させたものを「小連翹(しょうれんぎょう)」と称して用いています。
粗刻みした小連翹は、のどの痛み、風邪の咳、口内炎、扁桃炎、歯痛には煎じ液をうがい薬として利用したり、切り傷、腫れ物、湿疹、かぶれには患部に煎じ液を直接塗るか、冷湿布するなどの利用方があります。
ただし、オトギリソウの葉や花弁には黒点があり、この黒点は「ヒペリシン(Hypericin)」という光作用性物質で、これを摂取した後に日光に当たると皮膚炎や浮腫を生じるため、安易な飲用服用は避けましょう。
オトギリソウの詳細情報
園芸分類 | 草花 |
性質 | 多年草 |
開花時期 | 7月〜9月 |
花色 | 黄色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
耐陰性 | 普通 |
オトギリソウの詳しい育て方
オトギリソウは日本、中国、朝鮮半島に分布しています。変異が多く、国内でも数十種が自生していると言われていますが分類は困難です。国内では全国に分布して、主に日当たりの良い道端や草地、山野、疎林などに自生しています。
オトギリソウの植え付け
苗の植え付けは芽吹く前の3月〜4月頃が適期です。日当たりが良く、風通しの良い場所を好みますが、強い直射日光に当たると株が弱ってしまうため、夏は木陰などに移動するか、遮光しましょう。
用土は、山野草の土を使いましょう。根鉢よりも一回り大きいものを選んで、植え付けたらたっぷりと水やりをしましょう。鉢植えの場合は、根詰まりを防ぐために2年に1度植え替えをしましょう。
オトギリソウの水やり・肥料
庭植えの場合は、降雨だけで問題ありませんが、夏の乾燥する時期は水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土が乾燥したら水やりをしましょう。冬の時期は、土が乾燥して2〜3日経ってから水やりをしましょう。
肥料は、開花を充実させるために4月〜6月頃、液体肥料を2週間に1回程度与えましょう。
オトギリソウの害虫や病気
オトギリソウは病害虫の心配は特にありません。
オトギリソウの誕生花・花言葉
オトギリソウは「6月24日」「11月19日」の誕生花です。
オトギリソウの花言葉は「迷信」「怨念」「秘密」「恨み」「敵意」などがあります。
「怨念」「秘密」「恨み」「敵意」などの花言葉は、上記で紹介したオトギリソウの秘密を漏らしたことで、兄が弟を斬り捨てたという伝説に由来すると言われています。
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オトギリソウのまとめ
オトギリソウは古くから薬草として用いられ、名前の由来にもなった、薬の秘密を漏らしたことで兄が弟を斬り捨てたという伝説もある草花です。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非オトギリソウを育ててみてはいかがでしょう!