造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
この記事の監修者
キャベツとは
植物名 キャベツ
学 名 Brassica oleracea var. capitata
和 名 キャベツ
別 名 甘藍(カンラン) / 玉菜(タマナ)
英 名 Cabbage
科 名 アブラナ科
属 名 アブラナ属
キャベツの特徴
キャベツは草丈50cm〜150cm程になるアブラナ科の一年草または多年草です。日本では最も消費されている野菜の一つです。
キャベツの根出葉は多数出て、白粉を帯びた淡緑色になります。根出葉と茎葉は、葉身が10cm〜30cm程の円形で、基部は狭くなり、縁は波状となります。上部の茎葉は卵形で茎を抱きます。
キャベツの花は3月〜5月頃が開花期で、花は茎先の総状花序に付き、経2cm〜3cm程の淡黄色の4弁花です。
キャベツの名前
キャベツという名前は、英語名「Cabbage」が転訛して名付けられました。別名の「甘藍(カンラン)」は漢名の「甘藍」に由来し、「玉菜(タマナ)」は結球する性質に由来しています。
野菜としてのキャベツは、生産される季節により、玉が固く締まって中が白い「冬キャベツ」と、葉の巻きがゆるくて緑色が濃い「春キャベツ」というように呼び分けわれています。
キャベツの品種
キャベツは世界中で様々な品種改良が行われていて、用途や栽培時期、栽培地、病害抵抗性などの異なる数多くの品種が作出されています。現在では60種以上あるとも言われ、日本でも数多くの品種が栽培されています。
札幌大球(サッポロタイキュウ)
北海道札幌市発祥の巨大なキャベツで、一般的に市販されるキャベツの重さが1kg程なのに対し、札幌大球はその10倍以上となる10kg以上のものも存在します。葉は軟らかく甘味も強いため、様々な料理に利用でき、近年では主にニシン漬けなどの漬物用に使われています。
ムラサキキャベツ
赤キャベツとも呼ばれ、冬キャベツよりも肉厚で固く、葉の表面は紫色ですが葉肉は白色で、切り口の見た目、特に色合いの美しさからピクルスやサラダに用いられています。また、ムラサキキャベツの色素アントシアニンは、キャンディーやゼリーなどに赤紫色を発色させる着色料としてよく使用されています。
エンスイキャベツ
たけのこ型キャベツとも呼ばれ、普通のキャベツよりも小ぶりで円錐状に尖った形で葉が巻き、角卵形に結球します。「みさき」や「トンガリボウシ」という品種があり、葉は柔らかく甘味があります。
芽キャベツ
葉の付け根に付く脇芽が、径2cm〜3cm程に球結するキャベツの1変種です。普通のキャベツより水分が少なく、ビタミンCは豊富に含まれ、独特なほろ苦さがあり、主に煮込み料理や炒め物に使われています。
食用ではなく葉を観賞する品種です。株の中心部の葉が白や赤に染まり「ボタン(牡丹)」の花の様に見えることから名付けられました。ハボタンは「花キャベツ」と呼ばれることもありますが、キャベツや同属の「ケール」の改良品種です。
グリーンボール
デンマーク産のコペンハーゲンマーケットの交配種で、丸玉とも呼ばれ、小ぶりのボール型で葉に光沢があり、葉の内部まで緑色を帯びています。葉は肉厚で軟らかく、組織はしっかりしています。茨城県西部地区産は主に春と秋に、北海道など関東地方以外の市場に出荷されています。
サボイキャベツ
「ちりめんキャベツ」とも呼ばれ、ヨーロッパではポピュラーなフランスの品種です。ちりめん状に縮れた葉を持ち、肉厚で緑色が濃く中心部は黄色くなります。葉は甘味があり、普通のキャベツに比べると繊維が多いため、スープや長時間の煮込み料理などに使われています。
キャベツの食用
キャベツは葉が柔らかく癖のない味で、様々な料理に使われています。また、茎に生える小さな腋芽も食用となります。硬い芯も、細かく刻み加熱するなどすれば食べることができ、米飯の代用品が商品化されています。
春キャベツは、柔らかいのが特徴で生食に最も向いていて、炒めてもおいしく食べられます。冬キャベツは、玉の中まで固く締まり、寒さや霜に当たると甘味を増します。
生食する場合は、千切りキャベツとして揚げ物などの付け合わせにしたり、コールスローなどのサラダ類に調理して食べるほか、乱切りにしてそのまま塩や味噌、タレを付けて食べることもあります。
煮物料理では、スープの具材にしたり、挽肉などを巻いてロールキャベツなどに調理します。もつ鍋には具材として用いられるほか、水炊きにはスープを吸うことで風味を増し、キャベツを「ハクサイ(白菜)」の代わりに用いる場合もあります。
漬物としては、浅漬けや糠漬けといった普通の漬け物以外にも、北海道ではサケやニシンの重ね漬けの材料として利用したり、「札幌大球」という大型の品種が一般的に用いられています。また、ドイツ料理のザワークラウトは、キャベツを乳酸発酵させた漬物です。
炒めものとしては、野菜炒めやお好み焼き、焼きそばなどに用いられています。また、温野菜や蒸し料理に利用されるほか、キャベツに含まれる酵素成分を抽出した栄養ドリンクやダイエット食品、ビタミンUを利用した「キャベジン」などの胃腸薬も作られています。
キャベツの栄養素
キャベツは生の場合、水分が約90%以上を占め、淡色野菜の中では、カロテンやビタミンCを多く含み、ビタミンC含有量は季節変動の影響をあまり受けず、夏場の「ホウレンソウ(菠薐草)」よりも多く含まれています。
キャベツ特有成分として、胃腸粘膜の新陳代謝を活発にするビタミン様成分とされるビタミンUが知られています。このビタミンUは熱に弱く、加熱調理をすると減少します。また、部位によってビタミンの含有量に差があり、外側の緑色が濃い部分はカロテンを多く含み、中心の芯の方にはビタミンCを多く含んでいます。
キャベツの詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
性質 | 一年草・多年草 |
開花時期 | 3月〜5月 |
花色 | 淡黄色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 弱い |
耐陰性 | やや弱い |
キャベツの詳しい育て方
キャベツは西ヨーロッパの原産で、日本へは明治時代の初め頃に渡来したと言われています。キャベツは収穫時期により産地を変えて栽培され、冬キャベツは愛知県が中心で、春キャベツは千葉県、神奈川県が主体となり、夏秋キャベツは群馬県、北海道、長野県などが産地となります。
本来の旬は原産地の気候(地中海性気候)から冬季と考えられていますが、日本では品種、栽培地の標高や緯度で出荷時期が異なり、年間を通して流通し、特定の旬が存在しないと言われていますが、分類上では冬キャベツは11月〜翌3月頃、夏秋キャベツは7月〜10月頃、春キャベツは4月〜6月頃が美味しい旬の時期とされています。
キャベツの栽培期間
キャベツの種まきは、春まきや夏まき、秋まきと年3回のまき時がありますが、冷涼な気候を好むため、家庭菜園では温度が上昇していく春よりも、温度が下がる夏に種まきし、秋から冬にかけての低温期に収穫する栽培の方が作りやすいです。
収穫までの日数は、品種・作型によって異なりますが、120日〜140日程となります。また、連作は避けるため、同じ畑では2〜3年は空けるようにしましょう。
キャベツの種まき・間引き
種まきの適期は7月〜8月頃で、発芽適温は15℃〜25℃です。また、発芽日数は3日〜5日程です。
種まきは、市販の野菜用培養土を使い、ポット(3号:9cmサイズ)に3粒ずつ種をまき、軽く覆土して、たっぷりと水やりをしましょう。ポット苗は、春まきは保温資材を使って暖かい環境で管理し、夏まきは寒冷紗などをかけて高温対策を施して育苗しましょう。
発芽後は過湿にならないように水やりをして、本葉が2枚の頃に間引きをして1本立ちにし、最終的に本葉5〜6枚の苗に育てたら定植しましょう。夏まきでは35日程度、春・秋まきでは45日程度(本葉7〜8枚)が目安です。
キャベツの定植
定植の2週間前に、苦土石灰を混ぜながらよく耕しましょう。1週間前にたい肥と元肥を施し、再びよく耕しましょう。本葉5〜6枚の頃が定植の適期です。株間30cm〜40cm程あけて植え付けましょう。
定植の前にポットごと水につけて吸水させておくか、定植後にたっぷりと水やりをしましょう。植えた苗がしおれてしまわないように、炎天下の日中は避けて、日差しが和らぐ夕方などに植え付けましょう。また、キャベツは害虫が付きやすいため、定植後に防虫ネットをかけて対策しましょう。
キャベツの水やり・肥料
キャベツは過湿になると裂球の原因となるため、土がしっかり乾いたら水やりをしましょう。
大きな球を作るためには、結球開始期までに外葉を大きく、葉数を多く育てることが大切です。そのためには追肥を施す時期が重要です。
春まき・夏まきでは、植え付け2〜3週間後に1回目、結球が始まる前に2回目の追肥を施しましょう。秋まき春採りでは、春に新葉が動き出したら1回目、結球が始まる頃に2回目の追肥を施しましょう。また、追肥と同時に中耕と土寄せをしておきましょう。
キャベツの害虫や病気
害虫はアオムシ、コナガ、ヨトウムシ、シンクイムシなどが発生することがあります。食害されると味が落ちたり、株が弱ってしまうため、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。また、防虫ネットをトンネル状にかけると被害を抑えることができます。ネットをかける時は、土との間にすき間ができないようにしましょう。
病気は黒腐病、萎黄病、菌核病、根こぶ病、軟腐病などがあります。軟腐病は結球間近になって、茎の地際から腐り始めて悪臭を放ちます。軟腐病や根こぶ病は連作をしないようにして、畝を高くして水はけをよくすることで、ある程度防ぐことができます。また、予防として薬剤散布で防除しましょう。
キャベツの収穫
収穫は結球した球を押さえてみて、固く締まっていたら収穫時期です。球が小さくても、固く締まっていればそれ以上大きくならないので収穫してしまいましょう。外葉を広げて球を少し傾けて、株元を包丁で切って収穫しましょう。収穫後のキャベツの根は畑に置かずに片付けましょう。
夏まきは、ある程度長い間畑におけますが、秋まき春採りでは収穫が遅れると球が割れたり、葉が固くなったりして味が落ちてしまうため、採り遅れには注意しましょう。また、キャベツの外葉の表面が寒さに当たると紫色(赤色)になる場合があります。色が変わるのは外気に直接当たる外葉だけで、1枚葉をむけば中は通常の緑色の状態で、問題なく食べられます。
キャベツの花言葉
キャベツの花言葉は「利益」です。
お花のある生活
新鮮なお花を毎月決まったお日にちに、ご自宅までお届けしますので、いつもキレイなお花がご自宅で楽しめます。
グリーンピースはここがスゴイ!
- ネットから簡単注文で、お店に買いに行く手間がない!
- 豊富なプランから、お好きなボリュームとお届け頻度を選ぶだけ!
- 数百品種の中からフラワーデザイナーが厳選した素敵なお花をお届け!
- 花市場直送だから、フラワーショップよりもお花が新鮮!
- 家中をお花と笑顔でいっぱいにする圧倒的なボリューム!
お花を飾ることで、お部屋に華やかさと潤いをプラス!お花にはリラックス、リフレッシュ、リラクゼーション、ストレス緩和などの効果があります。
どんなお花が届くのか、箱を開けるまでのお楽しみ!定番のお花はもちろん、ご自身では普段あまり選ばないお花や、フラワーショップにはあまり入荷しない珍しいお花など、新しいお花との出会いを楽しみましょう。実際に届くお花や、定期便の魅力などをご紹介した下のページもぜひ見てみてください。
キャベツのまとめ
キャベツは日本では生産量が多い野菜の一つで、品種や調理方法が多く人気があります。年間を通して流通していますが、季節ごとに特徴が異なります。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非キャベツを育ててみてはいかがでしょう!