造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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ショウガとは
植物名 ショウガ
学 名 Zingiber officinale
和 名 生姜 / 生薑
別 名 薑(ハジカミ)
英 名 Ginger
科 名 ショウガ科
属 名 ショウガ属
ショウガの特徴
ショウガは草丈50cm〜90cm程になるショウガ科の多年草です。根茎を食用としたり、生薬として利用される野菜の一つです。
ショウガは地下に根茎があり、地下茎は多肉質の塊状で、灰色〜黄色になり、強い芳香と辛味があります。
ショウガの花は、根茎から高さ20cm程の茎を出し、鱗片が重なった花を付けます。花は鱗片の間から出て、唇弁は赤紫色や白で、黄色の斑点があります。開花期は8月〜10月頃になりますが、日本ではほとんど開花しません。
ショウガの葉は、長さ15cm〜30cmの披針形で、深緑色をして地上に出ている茎のようなものは偽茎で、葉柄が折り重なるように巻いたもので、両側から2列に互生しているように見えます。
ショウガの利用方法
ショウガは主に、根茎の基部が肥大してできる塊茎が香辛料として使われます。ヨーロッパなどでは乾燥したものをスパイスとして使うのが一般的で、ショウガを生で食べるのは日本独特の習慣になります。
ショウガの根茎は、そのまま生食やジンジャエールなどの飲み物、薬味、食材のニオイ消し等の香辛料、民間療法の生薬などに使用されています。
主な栄養成分として、カリウム、亜鉛、銅、マグネシウム、食物繊維を含んでいます。また、200種以上におよぶ香り成分や辛味成分が含まれていると言われ、この辛味成分が料理に使う肉や魚の臭みと結合して、臭い消しの働きをします。
種として植えた根茎は、新根茎ができても腐敗せずに残ります。これをヒネショウガといって、辛味が強く「生姜(しょうきょう)」と称して生薬や漢方薬に利用されています。
ショウガの分類
ショウガは、その大きさにより「大生姜」「中生姜」「小生姜」の3種類に分けられています。
「大生姜」は、生姜の晩生種で、1個の大きさが1kg程にもなる大型で、一般的に流通している生姜の大半を締めます。香りや辛味が少ないマイルドなショウガです。
「中生姜」は、生姜の中生種で、1個の大きさが500g前後程になり、従来の生姜に比べ退色しにくく、繊維が少ないのが特徴で、香りや辛みのあるショウガです。
「小生姜」は、生姜の早生種で、1個の大きさが300g前後と小さめで、辛味成分であるジンゲロールが多く含まれているため、辛みが強く少ない量でも薬味の効果があります。
ショウガの名前の由来とは
ショウガという和名の由来は、ミョウガとともに日本に持ち込まれた際、香りの強いほうを「兄香(せのか)」、弱いほうを「妹香(めのか)」と呼んだことから、これがのちに「ショウガ」「ミョウガ」に転訛したとする説があります。
ショウガのコンパニオンプランツ
ショウガと一緒に作物などを植えることで、害虫被害を減らしたり、風味を増したりといった良い効果を生み出すコンパニオンプランツとしても利用されています。
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ショウガの詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
性質 | 多年草 |
開花時期 | 8月〜10月 |
花色 | 白色・赤紫色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 普通 |
ショウガの詳しい育て方
ショウガはインドなどの熱帯アジアが原産であるという説が最も有力ですが、野生のショウガが発見されたことがないためショウガの原産地は厳密にはわかっていません。日本では奈良時代には栽培されていたと「古事記」に記載があります。
国内では高知県で栽培が盛んに行われていて、高知県内にはショウガを使ったチョコレートやシロップ、ジンジャエールなどご当地商品がたくさんあります。また、一年を通して流通していますが、新ショウガの旬は夏頃、根ショウガの旬は秋頃になります。
ショウガの植付け
植付けの適期は4月〜5月頃です。日当たりと高温多湿を好みますが、日差しが強すぎる場所は乾燥しやすいので適していません。
ショウガの植付けは「種ショウガ」を植え付けます。種ショウガは、しっかりとした芽があり、水分を含んでみずみずしいものを選びましょう。
発芽温度は18℃前後なので、地面の温度が15℃以上になってから植付けをしましょう。生育適温は25℃〜30℃で、発芽日数は1ヶ月程です。
プランター栽培の用土は「野菜の培養土」を使用しましょう。深さ30cm、長さ60cm程のプランターに2~3株が植え付けの目安です。
畑栽培の用土は、定植2週間前に苦土石灰を混ぜて耕し、1週間前に堆肥と元肥を施して再度耕しましょう。植付けは幅60cm、 高さ10cm程の畝に、株同士の間隔を20cm以上空けて植え付けましょう。
深さ15cm程の穴を掘り、種ショウガを50g程の大きさに割り、横に寝かせて、その上に土を盛り、しっかりと鎮圧し、たっぷりと水をやりましょう。
芽が出るまでは、乾燥するようならビニールや不織布で地表を覆って保温しましょう。また、真夏の強い日差しには遮光ネットなどで日除けをしましょう。
ショウガの水やり・肥料
ショウガは多湿を好みます。土が湿った状態で管理し、夏の乾燥時期は水を切らさないように、たっぷり水やりをしましょう。
また、畑で栽培する場合は、土の乾燥を防ぐため、稲わらなどを敷いてマルチングしましょう。
植え付けから1ヶ月後に追肥をしましょう。有機肥料や化成肥料を株周りの土と混ぜ合わせて、株元に土寄せしましょう。その後、1ヶ月に1回のペースで同じ肥料を施していきましょう。
ショウガの害虫や病気
害虫はアワノメイガなどが発生します。アワノメイガは葉茎や根に侵入し、内部を食害します。見つけたら取り除き、すぐに薬剤を散布して駆除しましょう。
病気は根茎腐敗病などがあります。カビの一種が原因で、幼芽に水滴のような病斑ができ、地上部分は黄褐色になり腐敗します。窒素肥料を控えることで予防できます。
ショウガの収穫と種類
ショウガは収穫時期によって呼び名が変わります。お好きなタイミングで収穫し、いろいろなショウガを楽しみましょう。
筆ショウガ(矢ショウガ)
筆ショウガ(矢ショウガ)の収穫は6月〜7月頃、新芽の葉が3枚〜4枚開き、根が肥大していない状態で収穫します。
葉ショウガ
葉ショウガの収穫は7月〜8月頃、葉が5〜7枚の頃で、根が少し太った状態で収穫します。根茎が小指程度の大きさにまで生長した段階の葉が付いたままで収穫します。
根ショウガ
根ショウガ(新ショウガ)の収穫は10月〜11月頃、地上部の茎葉が黄色くなり始めたもので、充分に肥大した状態のものを収穫します。霜が降りる前には全て収穫しましょう。
ひねショウガ
最初に植え付けた種ショウガも「ひねショウガ」と呼ばれ、最後の収穫のときに一緒に収穫します。食べることもできますが、辛味が強いので薬味として使うのがオススメです。
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ショウガのまとめ
ショウガはベランダや半日陰でも栽培できる野菜で、風邪や冷え性にも効果があると言われ、薬味やおつまみとしても人気があります。
慣れてしまえば育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ショウガを育ててみてはいかがでしょう!