造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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ヒイラギとは
植物名 ヒイラギ
学 名 Osmanthus heterophyllus
和 名 柊 / 疼木
別 名 鬼目突(オニノメツキ)
英 名 Holly olive
科 名 モクセイ科
属 名 モクセイ属
ヒイラギの特徴
ヒイラギは樹高4m〜10m程になるモクセイ科の常緑小高木です。日本では11月〜12月頃に白い小花を密生させます。
ヒイラギの幹は、直立しますが枝分かれが多いためあまり太くはなりません。樹皮は淡い白色で、樹齢を重ねると網目状に剥離します。幹は堅く粘りがあることから、玄翁の柄やソロバン、楽器、印材などに使用されます。
ヒイラギの花は雌雄異株で、雄株の花には2本の雄蕊があり、雌株の花は花柱が長く発達しています。花は5mm程で葉腋に数個の花が密生し、キンモクセイに似た芳香があり、鐘形で4つに深く裂けています。
ヒイラギの葉は対生する単葉で、厚みがあり硬く、光沢があり外側に反り返ります。長さ3cm~5㎝程の卵状長楕円形をしていて、2〜5対の鋭く尖った鋸歯(きょし)がありますが、老木になると鋭いトゲは無くなり、葉の縁は丸くなります。
ヒイラギの果実は核果で、長さ1cm〜1.5cm程の楕円形で、翌年の5月〜7月頃に黒紫色に成熟します。
ヒイラギの風習
古くから魔除け効果があるとされ、節分には鬼を払うためヒイラギの枝とイワシの頭を門戸に飾る「柊鰯」という風習があります。
また、古くから邪気の侵入を防ぐと信じられ表鬼門(北東)に「ヒイラギ」、裏鬼門(南西)に「ナンテン(南天)」を植える風習もあります。
ヒイラギの品種
こちらは、葉の形が特徴的なヒイラギの品種です。
- 「ヒメヒイラギ」は葉が1cm〜2cm程と小さい葉が特徴の品種です。
- 「マルバヒイラギ」は葉が小さく、トゲがない丸い葉が特徴の品種です。
- 「キッコウヒイラギ」は葉にトゲがなく亀の甲羅形になる品種です。
- 「ヒトツバヒイラギ」は葉が丸くて、先端だけが尖る品種です。
他にも、葉の色が特徴的な「シマヒイラギ」「ゴシキヒイラギ」「フイリヒイラギ」「フクリンヒイラギ」「キフクリンヒイラギ」「オウゴンヒイラギ」などの品種があります。
ヒイラギと似ている樹木
クリスマスリースなどの飾り付けに使われる「セイヨウヒイラギ」はヒイラギに似ていて混同されますが、モチノキ科の植物で別種の樹木です。
また、葉が良く似ている樹木に「ヒイラギナンテン(柊南天)」がありますが、こちらは赤い実を付け、メギ科の植物でこちらも別種の樹木です。
天然記念物のヒイラギ
日本国内には樹齢数百年以上の天然記念物に指定されているヒイラギがたくさんあり、その一部をご紹介します。
県・市指定の天然記念物
- 山形県山形市の「平清水のヒイラギ」
- 茨城県ひたちなか市の「金砂山の大ヒイラギ」
- 栃木県大田原市の「片田のヒイラギ」
- 群馬県吾妻郡の「駒岩のヒイラギ」
- 埼玉県川越市の「鯨井のヒイラギ」
- 神奈川県小田原市の「光照寺のヒイラギ」
- 東京都調布市の「絵堂のヒイラギ」
- 山梨県山梨市の「上石森のヒイラギ」
- 長野県上高井郡の「雁田のヒイラギ」
- 静岡県静岡市の「黒俣の大ヒイラギ」
- 岐阜県本巣市の「国恩寺のヒイラギ」
- 福井県坂井市の「教徳寺のヒイラギ」
- 三重県鈴鹿市の「西の城戸のヒイラギ」
- 岡山県津山市の「宰務家のヒイラギ」
- 広島県三次市の「山家のヒイラギ」
- 愛媛県大洲市の「神明神社のヒイラギ」
- 長崎県長崎市の「琴海のヒイラギ」
ヒイラギの詳細情報
園芸分類 | 庭木・盆栽 |
性質 | 常緑小高木 |
開花時期 | 11月〜12月 |
花色 | 白色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
耐陰性 | 普通 |
ヒイラギの詳しい育て方
ヒイラギは日本と台湾の原産で、国内では関東似西の本州、四国、九州、沖縄県に分布しています。
庭木としても人気ですが、特徴的な葉から防犯目的で生け垣などに利用されることもあります。また、盆栽としても楽しまれています。
ヒイラギの苗植え
ヒイラギの苗植えは4月〜5月頃の暖かい時期が適期です。水はけと日当たりの良い場所を好みます。
苗木は根鉢を崩さないように植え付けましょう。用土は赤玉土に腐葉土や堆肥などを混ぜたものを使用し、根鉢を浅めに植え付けて、たっぷり水やりをしましょう。苗木が倒れそうな時は、必要に応じて支柱を立てて支えてあげましょう。
ヒイラギの水やり・肥料
根付くまでは土の表面が乾いたら水やりをしましょう。根付いてからは降雨で問題ありませんが、夏の乾燥した時期には水やりをしましょう。
肥料は基本的に必要としませんが、生育が良くない時は、2月と10月頃に緩効性化成肥料を土の上に置き肥として与えましょう。
ヒイラギの害虫や病気
害虫はカイガラムシやテントウノミハムシ、ハモグリガの幼虫などが発生することがあります。幹や葉を食害されると株が弱ってしまうので、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気は炭そ病や褐斑病があります。カビによる病気で他の葉っぱへ感染していきますので、病気の葉は全て取り除き、殺菌剤を散布して被害を食い止めましょう。
ヒイラギの剪定
ヒイラギの剪定は、芽吹く前の3月〜4月頃に行いましょう。強い剪定にも耐えられますが、長くなりすぎた枝を整えるくらいで大丈夫です。枯れ枝や混み合った枝も一緒に整理しましょう。
刈込みにも強く、しっかりと芽吹きますが、刈り込むほどにトゲトゲが増すことがあります。また、トゲに触ると痛いので、剪定や刈込みの際は軍手などを用意し、注意しながら行いましょう。
ヒイラギの誕生木・誕生花・花言葉
ヒイラギは「2月3日」の誕生木です。
ヒイラギは「11月8日」「12月7日」「12月25日」の誕生花です。
ヒイラギの花言葉は「用心深さ」「先見の明」「保護」などがあります。
「用心深さ」という花言葉は、ヒイラギの葉にはトゲがあり、むやみに近づいたり触ることができないことに由来します。
「保護」という花言葉は、鋭いトゲのある葉が魔除けになる事にちなんで付けられたと言われています。
ヒイラギのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが!
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
- 光触媒加工を施すと、目に見えないウイルス・雑菌・悪臭・カビ菌などを分解して、空間をキレイにする効果もあります。
ホームセンターなどで販売している造花やアーティフィシャルは、どうしても偽物とわかってしまい、観賞価値がありません。
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ヒイラギのまとめ
ヒイラギは甘い香りがするお花と、トゲのある葉が魔除けとして古くから邪気の侵入を防ぐために、庭に植える風習があります。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ヒイラギを育ててみてはいかがでしょう!