造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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イヌエンジュとは
植物名 イヌエンジュ
学 名 Maackia amurensis
和 名 犬槐
別 名 大槐(オオエンジュ)/ 黒槐(クロエンジュ)
英 名 Amur Maackia
科 名 マメ科
属 名 イヌエンジュ属
イヌエンジュの特徴
イヌエンジュは樹高8m〜15m程になるマメ科の落葉高木です。日本では7月〜8月頃に開花します。
イヌエンジュの幹は全体がゆったりと曲がったような形になり、樹齢を重ねると樹皮には菱形の模様が入ります。
イヌエンジュの花は、枝先の複総状花序に長さ1cm程の小さなグリーム色の蝶形花を密に付けます。
イヌエンジュの葉は互生する奇数羽状複葉で、小葉は7個~13個程あり、長さ4cm〜8cm程の卵形で、先端が鈍く尖る全縁で、表面は濃緑色になり、淡い褐色の軟毛が両面に生え、フェルトのように見えます。
イヌエンジュの果実は、長さ4cm〜9cm程の豆果で、さや状になり枝先から垂れ下がります。中には3~6個の種子があります。
イヌエンジュの利用
赤みの濃い芯材と、淡色の縁材の色味がハッキリして、国産材としては珍しい特徴があり、美観、強度、耐久性がありますが、流通量が限られるため、床柱など装飾材に珍重されるほか、フローリング、家具、その他工芸品や細工物などに用いられます。
現在「エンジュ」の名で床柱などの美観材として流通しているのは本種の「イヌエンジュ」材です。
また、アイヌ民族は、イヌエンジュのことを「チクペニ」と呼び、墓標に用いたとされています。
イヌエンジュの名前
イヌエンジュの名前は、中国で珍重されていた「エンジュ」に似ていましたが、格下の樹木とするため「イヌ」を付けたとされています。
また、「エンジュ」という名は、イヌエンジュの古名である「エニス(恵爾須)」が転訛したものとされています。
イヌエンジュは、各地域によって別名や異名がありますが、北海道ではエンジュと言えば、本種のイヌエンジュのことを指します。
イヌエンジュの見分け方
イヌエンジュとよく似た樹木に「エンジュ(槐)」や「ハリエンジュ(針槐)」がありますが、それぞれの特徴があり、見分け方があります。
イヌエンジュ
イヌエンジュの樹皮は、平面的で、菱形の模様が入ります。
イヌエンジュの葉は、先端が鈍く尖る卵形です。
イヌエンジュの果実は、鞘状になります。
エンジュ
エンジュの樹皮は、縦に裂け目が入り、表面がボコボコしています。
エンジュの葉は、先端が尖る細い楕円形です。
エンジュの果実は、数珠状になり豆の形にくびれます。
ハリエンジュ
ハリエンジュの樹皮は、縦に裂け目が入り、表面がボコボコしています。
ハリエンジュの葉は、楕円形で先端は尖らないか、凹みます。
ハリエンジュの果実は、鞘状になります。
また、ハリエンジュには名前のとおりハリ(トゲ)があります。
イヌエンジュの詳細情報
園芸分類 | 庭木 |
性質 | 落葉高木 |
開花時期 | 7月〜8月 |
花色 | クリーム色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 普通 |
イヌエンジュの詳しい育て方
イヌエンジュは日本、中国、ロシアの原産で、アムール川流域に分布しています。国内では北海道、本州、四国、九州の山地や川原などに自生しています。街路樹や公園樹、庭園樹にも植栽されています。
イヌエンジュの苗植え
植え付けの適期は3月〜4月頃です。日当たりが良く水はけの良い肥沃な土壌を好みます。用土はあまり選びませんので、植え穴に堆肥や腐葉土を混ぜて、苗より一回り大きめの穴に植え付けて、たっぷりと水やりをしましょう。
イヌエンジュの水やり・肥料
根付いたら降雨だけで問題ありませんが、日照りが続いて土が極端に乾燥したときは水やりをしましょう。
肥料は特に必要としませんが、葉色が悪い場合は開花後に油かすや鶏糞などの有機肥料を施しましょう。
イヌエンジュの害虫や病気
害虫はエンジュヒメハマキ、マメドクガ、アブラムシなどが発生することがあります。幹や枝葉を食害しますので、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気はさび病があります。原因はカビの一種で、感染すると葉が変色し弱ってしまいます。見つけたら感染箇所を取り除き、殺菌剤を散布して被害を食い止めましょう。
イヌエンジュの剪定
イヌエンジュは自然樹形が美しく、剪定をすると樹形が乱れることもあります。イヌエンジュは枝葉を大きく広げて育つため、スペースを確保して管理しましょう。
剪定の適期は3月〜4月頃になります。剪定は細い枝や飛び出した枝、混み合っている枝などを間引く程度で問題ありませんが、芽吹く力は強く、強剪定による更新剪定で芽を吹き直させ、樹形を作り直すこともできます。
イヌエンジュの花言葉
エンジュの花言葉は「上品」「幸福」「慕情」です。
イヌエンジュのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが!
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
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イヌエンジュのまとめ
イヌエンジュは雄大な樹形で、特徴的な花を咲かせる樹木で、公園樹や街路樹、庭園樹としても用いられます。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非イヌエンジュを育ててみてはいかがでしょう!