造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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コウゾとは
植物名 コウゾ
学 名 Broussonetia × kazinoki
和 名 楮
英 名 Broussonetia
科 名 クワ科
属 名 コウゾ属
コウゾの特徴
コウゾは樹高3m〜6m程になるクワ科の落葉低木です。日本では4月〜5月頃が開花時期です。
コウゾの葉は互生する単葉で、長さ10cm〜20cm程の先端が尖った卵状楕円形または、深く2〜3裂して、縁には鋸歯(きょし)があります。葉の表面には毛が生えてザラザラします。また、秋には黄色く黄葉します。
コウゾの花は雌雄異株で、葉腋に1個ずつ付きます。雄花序は白い円筒形で、多数の小さな雄花が付き、4個の花被片と4本の雄しべからなります。雌花序は径1cm程の赤紫色の球形で、多数の小さな正常な雌花と不稔の雌花が付き、4個の花被片と1本の雌しべからなります。
コウゾの果実は核果で、小さい球形の果実が集まって球状になり、6月頃に熟します。この果実は甘味があり、生で食べることができます。
コウゾの名前
コウゾという名前は、古くから和紙の材料として知られていて、「紙麻(かみそ)」と言う語が転じて「コウゾ」になったとする説があります。
本種コウゾは、「ヒメコウゾ(姫楮)」と、「カジノキ(梶の木)」の雑種とされています。ただし、野生では中間種もあり、区別が難しい場合もあります。また、ヒメコウゾを単に「コウゾ」と呼ぶこともあります。
コウゾと、カジノキは同じ様な性質を持ち、区別する方法に葉の切れ込みや、葉の大きさの違いなどが用いられますが、個体差もあるため見分けるのは困難であり、どちらも種別としては「コウゾ」であるという文献もあります。ただし、本種コウゾと、カジノキは厳密には別の樹木です。
コウゾの利用
コウゾの樹皮は強靭な繊維を持ち、高級和紙を作る材料として用いられます。この樹皮から繊維を採って糸を作り、布を織るためにも使われていました。そのため、古くから日本各地で栽培が行われてきましたが、現在では国内で流通しているコウゾは安価で品質の良い外国産のものになります。
コウゾの樹皮の繊維は、麻に次いで長く、繊維が絡み合う性質が強く、その紙は粘りが強く揉んでも丈夫な紙となり、障子紙や表具用紙、傘紙などに使われています。
コウゾ同様、和紙の原料として古くから用いられている樹木に、ジンチョウゲ科の「ミツマタ(三叉)」や、「ガンピ(雁皮)」があります。
ほかにも、コウゾの繊維を蒸して水にさらし、細かく割いて作った糸を「木綿(ゆう)」といい、同じ字の「木綿(もめん)」とは別のもので、神道の祭事に用いられますが、後に紙で作られた紙垂も用いられるようになりました。
コウゾの詳細情報
園芸分類 | 庭木 |
性質 | 落葉低木 |
開花時期 | 4月〜5月 |
花色 | 白色・赤紫色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 普通 |
コウゾの詳しい育て方
コウゾは中国の原産である、ヒメコウゾとカジノキの雑種とされ、7世紀頃に日本へ渡来しました。日本各地で製紙用に栽培されたものが野生化し、現在では本州、四国、九州、沖縄県の山地に自生が見られます。
コウゾの植え付け
苗の植え付けは落葉期の12月〜翌3月頃が適期です。日当たりの良い場所を好みますが、半日陰でも十分育ちます。用土はあまり選ばないため、赤玉土に腐葉土を混ぜたものを使って植え付けて、たっぷりと水やりをしましょう。
コウゾの水やり・肥料
根付いてからは降雨でも問題ありませんが、夏場など乾燥が続くようであれば水やりをしましょう。
肥料は寒肥として、2月頃に緩効性化成肥料を与えましょう。
コウゾの害虫や病気
害虫はメイガ類、カミキリムシ、ヨコバイなどが発生することがあります。害虫に葉や幹を食害されると株が弱ってしまうため、見つけたら早めに取り除き、薬剤を散布して駆除しましょう。
コウゾは病気の心配は特にありません。
コウゾの剪定
剪定は落葉期の12月〜翌2月頃が適期です。混み合っている枝や徒長枝、枯れ枝、勢いのない枝は根本から切り取りましょう。
コウゾの誕生木・花言葉
コウゾは「6月8日」の誕生木です。
コウゾの花言葉は「過去の思い出」です。
コウゾのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
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コウゾのまとめ
コウゾは、強靭な繊維を持ち、古くから高級和紙の原料として用いられています。初夏には木イチゴのような果実が実り、食べることもできます。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非コウゾを育ててみてはいかがでしょう!