クダモノトケイソウ(パッションフルーツ)の植物図鑑と育て方をわかりやすく解説

食用のクダモノトケイソウ

こちらでは、クダモノトケイソウ(果物時計草)の植物図鑑と育て方を私の経験を元にわかりやすく解説します。
造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
MIDORI
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この記事の監修者

フラワーショップ店長【ミドリ】プロフィール

クダモノトケイソウとは

クダモノトケイソウの果実

 

植物名   クダモノトケイソウ


学 名   Passiflora edulis


和 名   果物時計草


別 名   パッションフルーツ


英 名   Passion fruit


科 名   トケイソウ科


属 名   トケイソウ属


 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

クダモノトケイソウの特徴

クダモノトケイソウの開花

 

クダモノトケイソウは、つる長3m〜5m程になるトケイソウ科の常緑つる性多年草です。日本では5月〜6月頃に開花します。

クダモノトケイソウは茎が幹では巻き付かず、葉腋から伸びるつるで他物に巻き付いてよじ登ります。幹はやや角がある円柱形で、木質化して年々肥大して太くなります。

クダモノトケイソウの葉は互生して、長さ6cm〜12cm程の掌状になり、3深裂して縁には細かな鋸歯(きょし)があります。切れ込みの基部近くに1〜2個の小さな杯形の腺があります。茎の各節には、巻きひげと托葉があります。

クダモノトケイソウの花は巻きヒゲに対生して、柄のある径4cm〜7cm程の白色や帯紫色の花を付けます。咢片は外側が緑色で内側は薄緑色または白色になります。副花冠は4〜5列に付き、外側の2列は舌形で上半分が糸状になり、長さ2cm~3cm程、基部は薄緑色で、中間は紫色、先は白色になります。花の中心の雌蕊は、先端が3つに分かれている特徴的な形をしています。

クダモノトケイソウの果実は長さ径3cm〜4cm程の卵形になり、熟すと深紫色になり、内部に小さくて堅い種を多く含み、黄色いゼリー状の果肉が黒い種子を包みます。

 

クダモノトケイソウの名前

クダモノトケイソウという名前は、花が時計のように見える「トケイソウ(時計草)」の仲間であることと、本種が食べられる果実を実らせることから名付けられました。英語では、トケイソウを「Passion flower(パッションフラワー)」と呼ぶことから本種は「Passion fruit(パッションフルーツ)」と呼ばれています。また、この「passion」とは、花の中心が十字架のように見えることから「キリストの受難」を意味しています。

 
 

クダモノトケイソウを食べる

クダモノトケイソウの果実はパッションフルーツと呼ばれ、甘酸っぱいゼリー状の果肉と、やや固めの小さな種子の部分を食用とします。果実は芳醇な香りと鮮烈な酸味がありますが、皮の表面がシワシワになる程度に追熟させると甘味が増します。

生食の場合は、レモンスカッシュと同じく、果汁を水で割り砂糖を加えて飲んだり、ヨーグルトやアイスクリームに入れたり、カクテル材料にしたりするほか、果実を半分にカットしてゼリー状の果肉をスプーンですくって種ごと食べますが、この場合、種を分離するのが難しいため、通常は種を噛まずに喉ごしを楽しみます。味は酸味が強いため砂糖をまぶすこともあります。

パッションフルーツの世界の生産量の9割程が加工品として利用されていて、菓子やジュースの材料として流通しています。ケーキやペイストリーの具材、ゼリー、カクテル用のリキュールやシロップなどが作られています。煮詰めて加糖した「希釈用ジュースの素」は東南アジアほか、日本では南西諸島で人気が高く好まれています。

 
 

クダモノトケイソウの栄養素

クダモノトケイソウの栄養素は、ビタミンCやβ-カロテンが豊富に含まれていて、体内でビタミンAに変わり老化防止や免疫力の強化に役立つと言われています。高血圧予防の働きがあるカリウム、血流をよくするナイアシン、妊婦に良いとされる葉酸なども含まれています。

 

クダモノトケイソウの詳細情報

園芸分類草花
性質常緑つる性多年草
開花時期5月〜6月
花色白色・帯紫色
栽培難易度
耐寒性弱い
耐暑性強い
耐陰性弱い
 
 

クダモノトケイソウの詳しい育て方

クダモノトケイソウの熟した果実

クダモノトケイソウはブラジルが原産で、世界の熱帯から亜熱帯地域で広く栽培されています。500種以上の品種があると言われ、日本でも鹿児島県や沖縄県を中心に栽培され、熊本県、岐阜県、東京都、千葉県、長野県、栃木県、福島県など各地で栽培が行われています。ハウス物から露地物、栽培地域によっても異なりますが、7月〜8月頃が最も美味しい旬の時期になります。

 

クダモノトケイソウの植え付け

パッションフルーツは、果実が紫色のもの・黄色のもの・この2種類を交雑したものの3種類の品種があります。収穫を楽しむ場合は、比較的寒さに強い紫色の品種を選びましょう。

植え付けは4月〜5月頃が適期です。日光を好みます。日光が不足すると軟弱気味になって収量が減り、果実も小さくなってしまいます。日本でよく栽培される果実が紫色になる品種は、室内に取り込めば容易に冬越しできます。

用土は花と野菜の培養土を使って植え付けたら、たっぷり水やりをしましょう。鉢植えの場合は、根詰まり対策として2年に1回植え替えをしましょう。また、蔓が長く伸びるため、支柱を立てて誘引しましょう。

 

クダモノトケイソウの水やり・肥料

土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをしましょう。果実がなっている時期は十分与えるように1日2回水やりをしましょう。ただし過湿になると根腐れを起こしやすくなるため、注意が必要です。

春から秋の成長期に、チッ素、リン酸、カリの三要素が等量か、リン酸がやや多めの化成肥料を規定量、置き肥として施しましょう。

 

クダモノトケイソウの害虫や病気

害虫はアブラムシ、カイガラムシ、ハダニなどが発生することがあります。害虫に食害されると株が弱ってしまうため、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。

病気は立枯病があります。カビが原因による病気で梅雨の季節などは特に注意が必要です。植え付けたばかりの苗が発病しやすく、土に接する部分からくたびれたように枯れていきます。過湿に注意して風通しを良くしましょう。

 

クダモノトケイソウの剪定

つるを適宜誘引し、伸びすぎた枝は切り戻しましょう。つるは横か下向きに伸ばすようにすると花芽が付きやすくなります。強い剪定は果実の収穫後に行いましょう。伸びすぎてしまった部分や、枝が混み合っている部分を中心につるを1/3程度まで切りましょう。

 

クダモノトケイソウの収穫

5月頃から開花が始まり、果実は受粉からおよそ2ヵ月で収穫期を迎えます。花が咲いたら綿棒などを使って雌しべに花粉を付け、人工授粉しましょう。

果実が紫色になり、自然落下または軽く触れると落下する程度にまで熟したら、収穫のタイミングです。収穫した果実は、25℃程度の常温で3〜7日程、直射日光の当たらない風通しの良い場所に置いて、追熟させると甘味が引き立ち、香りも強いパッションフルーツが楽しめます。

 

グリーンライフイノベーションの画像2

 
 
 

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クダモノトケイソウの開花
 
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クダモノトケイソウのまとめ

黄色いクダモノトケイソウ

クダモノトケイソウはいかがでしたか?
クダモノトケイソウは、つるを伸ばし、時計のような特徴的な花を咲かせ、果実はパッションフルーツとして世界中で食べられています。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非クダモノトケイソウを育ててみてはいかがでしょう!
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