造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
この記事の監修者
ヨシとは
植物名 ヨシ
学 名 Phragmites australis
和 名 葦 / 蘆 / 葭
別 名 下に記載
英 名 Common reed
科 名 イネ科
属 名 ヨシ属
ヨシの特徴
ヨシは草丈2m〜3m程になるイネ科の多年草です。日本では8月〜10月頃に開花します。
ヨシは、茎の先端に長さ20cm〜40cm程の円錐花序を付けます。花は淡紫色で、小穂は2〜4個の小花があり、第1小花は雄性花、その他は両性花で基部に毛を密生します。
ヨシの葉は互生して、長さ20cm〜50cm程の先が尖った線形で、葉の縁はザラつきます。葉の基部は茎を囲む葉鞘となり、葉身の基部の両側には「葉耳（ようじ）」と呼ばれる小さな耳状に張り出した突起部があります。
ヨシの果実は穎果で、線状の楕円形になり、熟すと小穂とほぼ同じ長さの白毛が付いて、護頴の先から伸びて芒のように見えます。
ヨシの利用
ヨシは茎が木化して真っ直ぐに伸びる材として、古くから様々な形で活用され、親しまれました。ヨシの茎で作ったすだれは「葦簀（よしず）」と呼ばれ昔から利用されています。また、「ススキ（薄）」「チガヤ（千萱）」とともに、茅葺屋根（かやぶきやね）の材料に用いられています。
ヨシの茎は竹同様に中空なので、笛として使われたり、トイレットペーパーや紙コップ、名刺、ハガキなど製紙原料にも用いられています。また、根茎を乾燥したものは生薬になり「蘆根（ろこん）」と称して、漢方では利尿、消炎、止渇、鎮吐に処方されています。
ヨシの名前
ヨシという名前は、本来の呼び名が「アシ」でしたが、「悪し」に通じることから、「善し」に言い換えられたと言われています。また、水草綱目ではヨシの漢名がいろいろあり、初生は「葭（か）」、若いヨシは「蘆（ろ）」、成長したヨシは「葦（い）」とされています。
ヨシは古くは「ハマオギ（浜荻）」とも呼ばれ、「ナニワグサ（難波草）」「タマエグサ（玉江草）」「サザレグサ（細草）」「ヒムログサ（氷室草）」などの別名もあります。
ヨシの詳細情報
| 園芸分類 | 草花 |
| 性質 | 多年草 |
| 開花時期 | 8月〜10月 |
| 花色 | 淡紫色 |
| 栽培難易度 | |
| 耐寒性 | 強い |
| 耐暑性 | 強い |
| 耐陰性 | 強い |
ヨシの詳しい育て方
ヨシは世界の温帯から亜寒帯にかけての原産で、日本では北海道、本州、四国、九州、沖縄県に分布しています。主に池沼、河岸、湿地などの水辺に自生しています。
ヨシの苗植え
苗植えの適期は4月〜5月頃です。日当たりが良く風通しの良い場所を好みます。用土は赤玉土に腐葉土を混ぜた一般的なものに植え付けたら、たっぷりと水やりをしましょう。
ヨシの水やり・肥料
鉢植えの場合、土が乾燥したらたっぷり水やりをしましょう。地植えの場合、降雨で問題ありませんが、夏の高温期は水やりをしましょう。
肥料は、生育期の4月〜10月頃に、1ヶ月に1回程度、緩効性化成肥料を与えましょう。
ヨシの害虫や病気
ヨシは病害虫の心配は特にありません。
ヨシの剪定
ヨシは冬になると地上部分は枯れてしまいますが、春になると新たに生えてくるため、そのままでも生育には問題ありませんが、鑑賞するには見苦しいため、枯れた部分は刈り取りましょう。
ヨシの誕生花・花言葉
ヨシは「9月24日」「10月17日」「11月30日」「12月8日」の誕生花です。
ヨシの花言葉は「音楽」「従順」「哀愁」「憂愁」「後悔」「不謹慎」「神の信頼」などがあります。
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ヨシのまとめ
ヨシは河川敷など水辺に群生して、軒先の日除けに使われている「葦簀（よしず）」の原料として使われ、古くから親しまれている植物です。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ヨシを育ててみてはいかがでしょう！