造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
この記事の監修者
クロガネモチとは
植物名 クロガネモチ
学 名 Ilex rotunda
和 名 黒鉄黐
別 名 下に記載
英 名 Round Leaf Holly
科 名 モチノキ科
属 名 モチノキ属
クロガネモチの特徴
クロガネモチは樹高10m〜20m程になるモチノキ科の常緑高木です。日本では5月〜6月頃に開花します。
クロガネモチの樹皮は灰白色から灰褐色で、滑らかですが樹齢を重ねると小さい皮目が多数見られます。若い茎には陵があり、紫色を帯びて、1年生枝は褐色を帯びます。
クロガネモチの花は雌雄異株で、当年枝の葉腋にいずれも径5mm程の白色〜淡紫色の小さな花を咲かせます。花弁は4〜6枚あり反り返ります。雌花は雄しべが退化して、中央にある花柱が隆起し、雄花は4〜6本の雄しべが目立ちます。
クロガネモチの葉は互生する単葉で、長さ5cm〜8cm程の先端が尖った楕円形で、表面は深緑色の光沢がある革質になり、全縁ですが乾燥しているとやや波打ちます。
クロガネモチの果実は核果で、径7mm程の球形になり、多数が集まって実り、11月〜12月頃に赤く熟します。中には5mm程の種子が5〜6粒入っています。
クロガネモチの名前
クロガネモチという名前は、関東を中心に庭木として親しまれる「モチノキ（黐の木）」の仲間で、若枝や葉柄が黒紫色であること、葉が乾くと鉄色になることから鉄の呼称である「黒鉄」を冠してクロガネモチと名付けられました。
東日本ではモチノキほど普及していませんが、その名前が「苦労がなく金持ち」に通じると洒落こみ、縁起木として植栽されることもあります。また、「フクラシバ」「フクラモチ」「イモグス」などの別名もあります。
クロガネモチと似ている木
クロガネモチと「モチノキ」はよく似ています。本種は葉柄が紫色を帯びますが、モチノキは黄緑色です。また、本種の方が果実が多く、より鮮やかです。ほかには、本種は樹高が20m程まで成長しますが、モチノキは10m程と小さいので見分けることができます。
クロガネモチの近縁種で似ている樹木に「ソヨゴ（冬青）」がありますが、こちらは葉の縁が波打ちます。また、同属の「ナナミノキ（七実の木）」も似ていますが、こちらは葉の縁に鋸歯（きょし）があります。
クロガネモチの詳細情報
| 園芸分類 | 庭木・盆栽 |
| 性質 | 常緑高木 |
| 開花時期 | 5月〜6月 |
| 花色 | 白色・淡紫色 |
| 栽培難易度 | |
| 耐寒性 | 弱い |
| 耐暑性 | 強い |
| 耐陰性 | 普通 |
クロガネモチの詳しい育て方
クロガネモチは日本の原産で、関東地方以西の本州、四国、九州、沖縄県に分布しています。主に太平洋側の丘陵地や平地の常緑樹林内に自生しています。
各地域の地方公共団体の木にも指定され、街路樹や公園樹に植栽されるほか、冬季にできる赤い実などを観賞するために、庭木としても植栽されています。
クロガネモチの苗植え
苗植えは、気温の上がってきた4月〜5月頃が適期です。半日陰にも耐えますが、寒さに弱いため日当たりの良い場所を選びましょう。用土は庭土に腐葉土を混ぜて、植え付けたらたっぷり水やりをしましょう。
クロガネモチの水やり・肥料
植えつけてから2年未満の株は、土の表面が乾いたらたっぷり水やりをしましょう。庭植えで根付いた株は、水やりの必要はありませんが、雨が少なく土が乾燥気味のときは水やりをしましょう。
肥料は寒肥として2月頃に、リン酸・カリを含んだ化成肥料を株元にすき混みましょう。
クロガネモチの害虫や病気
害虫はアブラムシ、カイガラムシが発生することがあります。食害されると株が弱ってしまうので、見つけたら取り除き、早めに薬剤散布で防除しましょう。
病気はスス病があります。害虫の排泄物が原因でカビが発生し、葉が黒くなります。幹や果実にも広がるため黒い部分を水で洗うか、布で拭き取り、殺菌剤を散布して被害を食い止めましょう。
クロガネモチの剪定
アオハダは新梢の枝先から数節に実が付くため、樹形が整っている株は、古い枝を間引いて、新梢を残しすようにしましょう。剪定は、花が終わってすぐの6月〜7月頃が適期です。強めの剪定をすると実が少なくなってしまうため、枯れ枝や混み合っている枝、徒長枝などを落として風通しをよくする程度にしましょう。
クロガネモチの誕生木・誕生花・花言葉
クロガネモチは「11月8日」の誕生木です。
クロガネモチは「12月19日」の誕生花です。
クロガネモチの花言葉は「魅力」「寛容」「執着」「仕掛け」です。
クロガネモチのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが！
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
- 光触媒加工を施すと、目に見えないウイルス・雑菌・悪臭・カビ菌などを分解して、空間をキレイにする効果もあります。
ホームセンターなどで販売している造花やアーティフィシャルは、どうしても偽物とわかってしまい、観賞価値がありません。
グリーンピースのアーティフィシャルグリーンは、日本の職人が国内で作る業界最高のクオリティです。近くで見ても本物と見間違うほどの圧倒的クオリティで、景観や観賞価値を損ないません。
お好みの樹木をお好みの大きさにオーダーメイドも可能で、天然木を使ったMADE IN JAPANのアーティフィシャルグリーンは個人のご自宅をはじめ、さまざまな商業施設や有名施設でも採用され、多くの方に楽しまれています。実際の施工例などもご紹介しておりますので、ぜひ下のページも御覧ください。
クロガネモチのまとめ
クロガネモチはその名前から「苦労がなく金持ち」に通じると洒落こみ、縁起木として知られ、冬季にできる赤い実などを観賞するために、庭木としても植栽されています。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非クロガネモチを育ててみてはいかがでしょう！