造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
この記事の監修者
キャラボクとは
植物名 キャラボク
学 名 Taxus cuspidata var. nana
和 名 伽羅木
英 名 Dwarf Japanese yew
科 名 イチイ科
属 名 イチイ属
キャラボクの特徴
キャラボクは樹高1m〜2m程になるイチイ科の常緑針葉低木です。日本では3月〜4月頃に開花します。
キャラボクは幹が横に伸びて広がり、枝葉は密に出ます。樹皮は赤みを帯びた褐色で、樹齢を重ねると裂け目が入り、古木になると白骨化した枯れ木のような味わい深い姿になります。
キャラボクの花は雌雄異株で、ともに葉腋に単生します。雄花は淡黄色の小さな楕円形の花序を作り、雌花は薄い緑色になります。
キャラボクの葉は互生する単葉で、長さ2cm〜5cm程の先端が尖った線形で、螺旋状に密生します。葉は厚みがある濃い緑色で、裏面には黄緑色の気孔帯が2本あります。
キャラボクの果実は、径1cm程の頂部が開いた球形で、肉厚の仮種皮に包まれ、10月頃に赤く熟します。仮種皮はほのかに甘みがあり食べられますが、中の種子は有毒なので注意が必要です。
キャラボクの有毒性
キャラボクは果肉を除く植物全体に有毒のアルカロイドのタキシンが含まれています。果実を食べる際に種子を誤って飲み込むと中毒症状を引き起こし、痙攣や呼吸困難で死亡する例もあるため注意が必要です。
キャラボクの名前
キャラボク（伽羅木）という名前は、キャラボクの材に微かな香りがあり、それがインドの香木「伽羅（キャラ）」に似ていることからキャラボクと名付けられました。ただし、本種キャラボクはイチイ科で、キャラはジンチョウゲ科なので、全くの別種の植物です。
キャラボクの園芸品種
キャラボクの園芸品種として「キンメキャラボク（金芽伽羅木）」があります。オウゴンキャラボクとも呼ばれ、葉が鮮やかな黄色をして、新芽の黄色が特に美しく、冬になると金色に近くなり、庭木として人気の樹木です。
天然記念物のキャラボク
鳥取県西伯郡大山町にある大山の８合目付近から頂上にかけての北西傾斜面には、約8haに及ぶ日本固有のキャラボクの群落が広がっています。ここは「大山のダイセンキャラボク純林」として、日本最大のキャラボクの群落で、独特の大景観を呈し、学術的にも貴重であることから、国の特別天然記念物に指定されています。
キャラボクとイチイの違い
本種キャラボクは、「イチイ（一位）」の変種であり、姿はよく似ていますが、キャラボクは樹高が低く葉は小さく、枝に対して不規則な螺旋状に並びます。これに対してイチイは樹高が高く葉は大きくなり、枝に対して葉が2列に並ぶため見分けることができます。ただし、枝先の葉は螺旋状になります。
キャラボクの詳細情報
| 園芸分類 | 庭木 |
| 性質 | 常緑針葉低木 |
| 開花時期 | 3月〜4月 |
| 花色 | 薄黄色・薄緑色 |
| 栽培難易度 | |
| 耐寒性 | 強い |
| 耐暑性 | 強い |
| 耐陰性 | 強い |
キャラボクの詳しい育て方
キャラボクは日本原産で、国内では本州の日本海側の亜高山帯に自生します。園芸品種もあり、全国的に庭園樹として植栽されています。
キャラボクの苗植え
苗植えの適期は4月〜6月と9月〜10月頃です。明るい日陰を好む樹木ですが、大きくなると日向でも育ちます。用土は庭土に堆肥や腐葉土を混ぜて植え付けたら、水をたっぷり与えましょう。
キャラボクの水やり・肥料
植えつけてから2年未満の株は、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えましょう。根付いた株は降雨だけで問題ありません。
肥料は寒肥として2月に、油かすと骨粉を株元に与えましょう。
キャラボクの害虫や病気
害虫はアブラムシ、カイガラムシ、ハダニが発生することがあります。葉を食害されると株が弱ってしまい、観賞価値が下がってしまうため、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気は害虫の排泄物からスス病を発生することがあります。風通しを良くし、病気の枝葉は取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
キャラボクの剪定
キャラボクの剪定は3月〜5月頃の新芽が出る前か、果実が実った後の10月〜11月頃が適期です。イチイは放置していると樹形乱れるため、最低でも年1回は剪定が必要です。
徒長枝や枯れ枝、ひこばえ、胴吹きは取り除き、枝を切り詰めてから葉を刈り込みましょう。葉はハサミで切ると切り口が茶色く変色するので、時間がかかりますが手摘みをした方が綺麗になります。
キャラボクの誕生木・誕生花・花言葉
オウゴンキャラボクは「1月28日」の誕生木です。
キャラボクは「9月23日」の誕生花です。
キャラボクの花言葉は「風格」「底力」です。
キャラボクのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが！
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
- 光触媒加工を施すと、目に見えないウイルス・雑菌・悪臭・カビ菌などを分解して、空間をキレイにする効果もあります。
ホームセンターなどで販売している造花やアーティフィシャルは、どうしても偽物とわかってしまい、観賞価値がありません。
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キャラボクのまとめ
キャラボクは樹高があまり高くならず、日陰にも強い樹木です。園芸品種もあり葉が美しく、庭木や生垣として日本庭園や洋風庭園にもよく植栽されています。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非キャラボクを育ててみてはいかがでしょう！