造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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モチノキとは
植物名 モチノキ
学 名 Ilex integra
和 名 黐の木
別 名 下に記載
英 名 Bird-lime holly
科 名 モチノキ科
属 名 モチノキ属
モチノキの特徴
モチノキは樹高5m〜30m程になるモチノキ科の常緑高木です。日本では4月〜5月頃に開花します。
モチノキの幹は滑らかな灰褐色で樹齢を重ねると細かな筋模様が入ります。一年枝は緑色で無毛です。
モチノキの花は雌雄異株で、径8mm程の黄緑色で枝の葉腋に密に付きます。雌花には雌しべ１つと退化した４つの雄しべがあり、１～４輪がまばらに咲くだけであまり目立ちません。雄花には４本の雄しべがあり、数個が束になって咲くため目立ちます。
モチノキの葉は互生する単葉で、長さ4cm〜8cm程の先端が尖った楕円形で、肉厚で表面には光沢があり、幼樹のうちは縁に細かい鋸歯（きょし）がありますが、樹齢を重ねると鋸歯（きょし）はなくなります。
モチノキの果実は核果で、径10mm〜15mm程の球形になり、11月〜12月頃になると赤色に熟します。果実の先端には浅く裂けた花柱が黒く残ります。実は冬まで残り、長く枝に残るものは黒くなります。
モチノキの冬芽のうち、花芽は雄株・雌株ともに葉の付け根に付き、雄株の方が花芽は多くなります。頂芽は円錐形で小さく、葉痕は半円形で、維管束痕は1個付きます。
モチノキの名前
モチノキという名前は、樹皮から鳥黐（トリモチ）が採れることに由来します。また、良質の鳥糯が採れる「ヤマグルマ（山車）」と共に「トリモチノキ」と呼ばれることもあります。本種から採れる鳥黐は色が白いため、「シロモチ」や「ホンモチ」と呼び、ヤマグルマを「アカモチ」と呼び区別することもあります。
モチノキの利用
モチノキの材は堅くて緻密であり、その白さを生かして彫刻やソロバンの珠、数珠、「ツゲ（黄楊）」の代用として櫛、印鑑などに使われています。樹皮は鳥黐に使うほか、薬用、染料にされることもあります。
モチノキの詳細情報
| 園芸分類 | 庭木 |
| 性質 | 常緑高木 |
| 開花時期 | 4月〜5月 |
| 花色 | 黄緑色 |
| 栽培難易度 | |
| 耐寒性 | 強い |
| 耐暑性 | 強い |
| 耐陰性 | 普通 |
モチノキの詳しい育て方
モチノキは日本の原産で、宮城県、山形県以西の本州、四国、九州、沖縄県に分布しています。主に海辺の林内に自生しています。潮風に強いことから海岸沿いの防風、防潮用として利用されたり、葉に水分が多いことから防火用として用いられることもあり、公園樹としても植栽されるほか、日本庭園には欠かせない定番の庭木としても親しまれています。
モチノキの苗植え
苗植えは生育期の4月〜5月と、9月〜10月頃が適期です。日陰にも耐えますが、日当たりの良い場所が好みです。用土は庭土に腐葉土を混ぜて、植え付けたらたっぷり水やりをしましょう。
モチノキの水やり・肥料
植え付けてから1年程は水やりをしましょう。庭植えで根付いた株は、降雨だけで問題ありませんが、夏場など極端に乾燥するときは水やりをしましょう。
肥料は与えなくても枯れませんが、与えた方がよく育ちます。肥料は寒肥として2月頃に油かすを株元にすき混みましょう。
モチノキの害虫や病気
害虫はカイガラムシやハマキムシ、モチノキタネオナガコバチなどが発生することがあります。モチノキタネオナガコバチは、種子の中に卵を生みつけ、幼虫が実の中で生育します。幼虫が中にいると実が赤くならず、鳥に食べられいため、そのまま越冬します。また、害虫に食害されると株が弱ってしまうので、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気はスス病があります。梅雨時期に発症しやすいカビによる病気で他の葉っぱへ感染していきますので、病気の葉は全て取り除き、殺菌剤を散布して被害を食い止めましょう。
モチノキの剪定
剪定の適期は6月〜7月と、11月〜12月です。モチノキは樹齢の低いものは、葉っぱを不用意に落とすと生育が鈍くなるため、内側へ伸びる枝を落とし、内部に風が通るようにするなど軽めの剪定にしましょう。
樹齢を重ねたものは、強い剪定にも耐えるため、刈り込んだり好みの樹形に仕立てることもできます。刈り込んで仕立てる場合も、害虫被害を防ぐために時折、内側の枝を透かすような剪定もしましょう。
モチノキの誕生木・花言葉
モチノキは「12月8日」の誕生木です。
モチノキの花言葉は「時の流れ」です。
モチノキのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが！
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
- 光触媒加工を施すと、目に見えないウイルス・雑菌・悪臭・カビ菌などを分解して、空間をキレイにする効果もあります。
ホームセンターなどで販売している造花やアーティフィシャルは、どうしても偽物とわかってしまい、観賞価値がありません。
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モチノキのまとめ
モチノキは鳥黐が採れることで知られ、古くから日本庭園には欠かせない樹木として、庭木の三大名木としても親しまれています。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非モチノキを育ててみてはいかがでしょう！