ナンキンハゼの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説

2024年12月6日

こちらでは、ナンキンハゼの植物図鑑と育て方を私の経験を元にわかりやすく解説します。
造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。

　あっちゃん

この記事の監修者

ナンキンハゼとは

植物名　　　ナンキンハゼ

学　名　　　Triadica sebifera

和　名　　　南京櫨　/　南京黄櫨

別　名　　　下に記載

英　名　　　Chinese tallow tree

科　名　　　トウダイグサ科

属　名　　　ナンキンハゼ属

ナンキンハゼの特徴

ナンキンハゼは樹高5m〜15m程になるトウダイグサ科の落葉高木です。日本では6月〜7月頃に開花します。

ナンキンハゼは樹皮は、灰褐色で不規則に縦に裂けて、若木の樹皮は裂け目から淡橙色の肌が見えます。一年枝は細く、淡緑褐色で無毛です。

ナンキンハゼの葉は互生する単葉で、長さ4cm〜8cm程の先端が尾状に尖った菱形状卵形になり、葉身の付け根にはいぼ状の蜜腺が2つあります。葉には油分が多く、裏面は白っぽく水をはじきます。

一般的に紅葉する樹木は寒さが必要ですが、ナンキンハゼは秋になると暖地でも色鮮やかに紅葉し、赤色や黄色、紫色などが混じり、1枚の葉でも複数の色が見られることがあります。

ナンキンハゼの花は雌雄同株で、長さ6cm〜18cm程の総状花序に小さな黄色い花を多数付けます。その葉腋に1〜3個の雌花を付けますが、付かない花序もあります。雄花も雌花も花弁が無く、雌雄異熟であり、雄花と雌花の開花の順序が木によって異なり、雄性先熟の木と雌性先熟の木があります。

ナンキンハゼの果実は蒴果で、径1cm〜2cm程の扁球形になり、3稜があります。秋に熟すと褐色～黒色になり、裂開して3個の種子が見えるようになり、種子は長さ7mm程の広卵形で、白色の蝋質の仮種皮に包まれています。紅葉の頃には果皮が落ち、落葉しても白い種子が枝に残って目立ちます。ムクドリなどの野鳥がこの種子を摂食します。

ナンキンハゼの冬芽は枝に側芽が互生して、小さい三角形で伏生していて、芽鱗2〜4枚に覆われています。冬芽の直下にある葉痕は半円形で、維管束痕が3個あり、両脇にかたくなった托葉が残ります。仮頂芽は発達せずに、枝先で枯れることが多くあります。

ナンキンハゼ　ポット苗木

遊恵盆栽

ナンキンハゼの名前

ナンキンハゼという名前は、中国の「ハゼノキ（櫨）」という意味で、中国原産から「南京」、ハゼとは紅葉が埴輪の色に似ているので埴輪を作る工人である土師（はにし）が転訛したものであると言われています。ハゼノキ同様に種子から蝋の原料を採ったことに由来していますが、ハゼノキはウルシ科なので、本種とは全く別種の樹木です。

また、「トウハゼ（唐黄櫨）」「リュウキュウハゼ（琉球黄櫨）」「カンテラギ」などの別名もあり、根皮や果実は乾燥して、利尿剤などに利用され、これは「ウキュウ（烏臼）」と呼ばれています。