造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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オニグルミとは
植物名 オニグルミ
学 名 Juglans mandshurica var. sachalinensis
和 名 鬼胡桃
別 名 胡桃(クルミ) / カラフトオニグルミ(樺太鬼胡桃)
英 名 Japanese walnut
科 名 クルミ科
属 名 クルミ属
オニグルミの特徴
オニグルミは樹高15m〜25m、幹形1m程になるクルミ科の落葉高木です。日本では5月〜6月頃に開花します。
オニグルミの樹皮は、樹齢を重ねると縦に割れて、深いシワが入ります。若枝には密に腺毛があります。
オニグルミの花は雌雄同株で、雄花は葉腋から下垂する長さ10cm〜20cm程の尾状花序で、花被片は緑色で4枚あり、雄しべは10〜20本あります。雌花は枝先に上向きに付き、長さ6cm〜12cm程の穂状花序で、花柱は紅色になります。
オニグルミの葉は互生して、長さ40cm〜60cm程の奇数羽状複葉で、11〜19枚の小葉からなります。小葉は長さ8cm〜15cm程の楕円形で、裏面には星状毛が密に生えて、縁には細かい鋸歯(きょし)があります。
オニグルミの果実は核果で、径3cm〜4cm程の球形で、褐色の毛が密に生えます。9月〜10月頃に熟し、果実の中には種子(仁)があります。
栄養価の高い種子はリス、ノネズミ、ツキノワグマなどの野生動物も好みます。これらの野生動物が種子を運び、地中に埋める習性から、発芽することで子孫を残している樹木です。
オニグルミの名前
オニグルミという名前は、かつては本種のことを単に「クルミ」と呼んでいましたが、海外産のクルミが日本へ入ってきたときに、それらと区別するために「オニグルミ」と呼ぶようになりました。この「鬼」は、種の表面の模様が鬼の顔に見えることや、果実が大きいこと、核が硬いことに由来すると言われています。
「クルミ」の語源は、樹皮が黒色の染料になり、生の樹皮、葉、花被は赤茶と濃茶の染料となり、正倉院の文書には樹皮で染めた色を「胡桃色」としていたとする説や、中国産のペルシャグルミである「呉の実」を由来とする説があります。
また、樺太地方にも分布することから「カラフトオニグルミ(樺太鬼胡桃)」とも呼ばれています。日本において自生するクルミ属は本種の他に「ヒメグルミ」があります。
オニグルミの利用
オニグルミの実は、縄文時代から食用として利用されてきました。殻(核果)が厚く非常に堅いため、殻の中の仁を綺麗に取り出す事は容易でありませんが、その分、味が濃厚で保存性が高い木の実です。
オニグルミの木材は、暗褐色の木目が美しく、加工が容易であり、製材後の狂いが少ないことから、家具材としては高級木材の一つ「ウォールナット」として知られ、机や椅子、洋風家具、建築材、フローリング材、彫刻、大砲の台座(銃床)などにも用いられています。
また、世界的に有名な最高級木材の一つとして知られ、化粧材や家具材として輸入されているウォールナットは、アメリカ原産の「ブラックウォールナット」です。
オニグルミの種子は、「胡桃仁(ことうじん)」という生薬に用いられ、果実の殻はスタッドレスタイヤの素材に、樹皮を除いた木質部はスモークチップに使われています。
オニグルミの詳細情報
園芸分類 | 庭木・果樹 |
性質 | 落葉高木 |
開花時期 | 5月〜6月 |
花色 | 緑色・紅色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 弱い |
オニグルミの詳しい育て方
オニグルミは日本、樺太の原産で、国内では北海道、本州、四国、九州に分布しています。主に山間の川沿いや谷間などに自生しています。鑑賞性は高くありませんが、果樹として庭木などに植栽されることもあります。
オニグルミの苗植え
苗植えは落葉期の12月〜翌2月頃が適期です。日当たりが良く風通しの良い場所を好みます。鉢植えの場合、夏は暑さを避けるために風通しの良い明るい日陰に置きましょう。果実を収穫するために結実させたい場合は、庭植えで複数の株を植え付けましょう。
庭植えの場合は、庭土に腐葉土を混ぜて、根鉢の2倍以上の穴を掘って、植え付けたら水をたっぷり与えましょう。鉢植えの場合は、市販の花と野菜の培養土を使って、根鉢より一回り大きな鉢に植え付けたら、たっぷりと水やりをしましょう。
オニグルミの水やり・肥料
庭植えの場合は、植えつけてから1年未満の株は、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えましょう。根付いた株は降雨だけで問題ありません。鉢植えの場合は、土が乾燥したら水やりをしましょう。
オニグルミの肥料は、庭植えの場合は、成長が始まる2月頃と、結実で消耗した体力の回復のため10月頃に緩効性化成肥料を与えましょう。鉢植えの場合は、2月、7月、10月の年3回、同じ肥料を与えましょう。
オニグルミの害虫や病気
害虫はテッポウムシ、コウモリガが発生することがあります。幹を食害されると株が弱ってしまうため、針金などを穴に差し込んで取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気は胴枯病、黒斑細菌病、炭疽病があります。ウイルスが原因の病気は感染すると枯死してしまうため、病気の部分は取り除き、他の株に感染する前に処分しましょう。
オニグルミの剪定
オニグルミは成長が早く、放任すると大きくなり管理が難しくなります。庭木として管理する場合は、お庭のスペースに合わせて、幹の芯を止めましょう。剪定は落葉期の12月〜翌2月頃が適期です。
短い枝の先端は花を付けるため、短い枝を切ってしまうと花数が減ってしまいます。剪定は、徒長枝や混み合っている枝、枯れ枝などを切り取る間引き剪定をしましょう。
オニグルミの誕生木・誕生花・花言葉
オニグルミは「9月20日」の誕生木です。
オニグルミは「3月15日」「5月19日」「12月16日」の誕生花です。
オニグルミの花言葉は「知性」「謀略」「知恵」「野心」です。
オニグルミのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが!
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
- 光触媒加工を施すと、目に見えないウイルス・雑菌・悪臭・カビ菌などを分解して、空間をキレイにする効果もあります。
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オニグルミのまとめ
オニグルミの果実は、縄文時代から食用に利用される程親しまれ、その木材はウォールナットと呼ばれ、家具材などに利用されています。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非オニグルミを育ててみてはいかがでしょう!