造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
この記事の監修者
シソとは
植物名 シソ
学 名 Perilla frutescens var. crispa
和 名 紫蘇
別 名 下に記載
英 名 Perilla / Shiso
科 名 シソ科
属 名 シソ属
シソの特徴
シソは草丈70cm〜100cm程になる一年草です。日本では馴染み深く、香辛野菜やハーブとして古くから親しまれています。
シソの茎は四角形で直立し、茎や葉には毛が生えていて、全草に芳香があります。
シソは8月〜9月頃に花を咲かせます。枝先に細長い総状花序を伸ばし、白や紫色の唇形の小花を多数付けます。
シソの葉は対生する単葉で、長さ5cm〜8cm程の先端が尖った広卵形になり、表面には葉腋が目立ち、縁には鋸歯(きょし)があります。
シソの名前
シソという名前は、中国の伝説で、蟹を食べて食中毒になり死にかけた子供に、紫のシソの葉を食べさせたところ蘇ったため、この草を「紫蘇」と呼ぶようになったという説があります。
シソの古名を「イヌエ」と言い、イヌは似て非なるものの意味で、エとは「エゴマ(荏胡麻)」のことを指し、エゴマに似ていますがエゴマとは異なる植物という意味で呼ばれたものと考えられています。
シソには多くの品種があり、それらの総称として「シソ」と呼ぶことがあります。代表的な品種として、葉が暗紫色で縮れているものを「チリメンジゾ(縮緬紫蘇)」、葉が暗紫色の縮れていないものを「アカジソ(赤紫蘇)」、葉が緑色のものを「アオジソ(青紫蘇)」と呼び、アオジソは「大葉(おおば)」という名称でスーパーなどで食用として流通しています。
シソの食用
一般的に食用として用いられるのはアカジソ(赤じそ)とアオジソ(青じそ)で、アオジソは「大葉(おおば)」という名称でも知られています。シソは特有の香りと辛味を持った、和風ハーブの代表格とされています。
シソはβ-カロテン、ビタミンB群、ビタミンC、食物繊維、カルシウム、鉄、カリウムなどのミネラルを多く含み、特に、β-カロテン、カルシウム、ビタミンB1の含有量は、野菜類の中でも群を抜いて優れています。シソ特有の香りの元である精油成分のペリルアルデヒドは、臭覚神経を刺激して胃液の分泌を促し、食欲を増進させる他、健胃作用や強い殺菌作用により食中毒の予防にも効果があります。
アカジソ(赤じそ)
日本では梅干しを作る際に、梅の成分であるクエン酸によってシアニジンが強く赤く発色することで、梅干しの発色や、漬物の色づけに使われています。葉を乾燥させたものは七味唐辛子に配合されたり、ふりかけなどにも用いられています。また、湯で煮て砂糖を加えシソジュースにする利用法もあり、焼酎などの酒類の割物も、赤紫蘇エキスを原料としています。
アオジソ(青じそ)
日本では葉や花を香味野菜として刺身のつまや天ぷらなどにします。青ジソの若葉を摘んだものは「大葉(おおば)」と呼び、薬味として用いられることもあります。西日本の一部では「青蘇(せいそ)」とも呼ばれ、香りがよく、ほのかに苦味があります。
ホジソ(穂じそ)
花穂の蕾、または花が落ちて実が未熟なうちに摘んだものを「穂じそ」と呼び、刺身のつまなどに使われ、種子が熟しかけたシソの実は摘み取ってから塩漬け、醤油漬け、佃煮に使われています。穂ジソの蕾が開いたものは「花穂じそ」で、主につまや飾りに使われています。日本では萼ごと食用とし、乾燥させてお茶漬けなどの風味付けに用いたり、食塩や醤油で漬物にしたり、穂ごと天ぷらにします。
メジソ(芽じそ)
芽じそとは、発芽して間もない双葉の状態の若芽(スプラウト)のことで、赤ジソの芽は「紫芽(むらめ)」、青ジソの芽は「青芽(あおめ)」と呼びます。主に刺身のつまやあしらいに用いられています。
シソの漬物
柴漬(紫葉漬)は、ナスを主体に、キュウリ、ミョウガなどとともにシソを加えて漬け込んだ漬物です。また、紫紅色のシソを塩漬けしたものに梅酢を加えたものは「もみじそ」などといい梅干し(シソ漬け梅干し)に用いられます。このもみじそ(しそ漬け梅)を数日間天日干しし、すり鉢で細かくしてから、ふるいにかけたものを「ゆかり」といいます。
シソ油
シソの種子からは、シソ油が取れます。シソ油には抗酸化作用のあるα-リノレン酸を多く含み、最近では健康食品としても注目されています。ただし、同属の植物である「エゴマ(荏胡麻)」の種から取れた精油も「シソ油」という名前で流通していることがあります。
昔はエゴマ油の知名度が低かった日本では、商品展開上不利として、同属の植物であり知名度の高かった「シソ油」という商品名で流通していたためであり、商品名だけでは誤解されることがありますが、現在では「エゴマ油」の名前で流通しているか、エゴマが原料であることが記載されています。
シソの薬用
主に夏に収穫して干して乾燥させた赤じその葉を「蘇葉(そよう)」または「紫蘇葉(しそよう)」と言い、理気薬に用いられます。また、秋に収穫した赤じその花穂から採取した熟した種子だけを集めたものを「紫蘇子(しそし)」または「蘇子(そし)」と言い、茎は「蘇梗(そこう)」と言います。葉・種子・茎ともに、解熱、鎮痛、鎮静、咳、喘息、便秘、嘔吐、食欲不振などの治療に用いられています。
シソの詳細情報
園芸分類 | 野菜・ハーブ |
性質 | 一年草 |
開花時期 | 8月〜9月 |
花色 | 白色・紫色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 普通 |
シソの詳しい育て方
シソはヒマラヤ、中国の原産で、日本では平安時代頃から栽培が始まったとされ、栄養価も豊富でさまざまな料理に使われたり、ジュースや漢方としても重宝されている食材です。
国内では愛知県などで栽培が盛んに行われていて、ハウス栽培などもあり一年を通して流通していますが、赤じそは6月〜7月頃、青じそは6月〜9月頃が旬になります。
シソの種まき
種まきの適期は4月〜6月頃です。種まきの前に発芽率を上げるため、種を一晩水に浸けておきましょう。用土は市販の野菜用の培養土を使用しましょう。育苗ポットに土を湿らせて、種が重ならないように5粒づつ種をまき、薄く覆土したらたっぷり水やりをしましょう。
シソは好光性種子のため、日光が当たる場所で管理し、乾燥しないように水やりをしましょう。発芽温度は20℃前後で、発芽日数は7日〜10日程です。発芽した本葉が2〜3枚出てきたら間引き、5〜6枚程出てきたら植え替えましょう。
シソの苗植え
苗植えの適期は4月〜5月頃です。日当たりの良い場所を好みます。鉢植えなら10号鉢に1苗を目安に植え付けましょう。地植えの場合は、定植2週間前に苦土石灰を混ぜて耕し、1週間前にたい肥を混ぜ込み、株の間隔を20cm程空けて、植え付けたらたっぷり水やりをしましょう。
シソの水やり・肥料
湿気のある土壌を好むので、庭植えの場合も鉢植えの場合も、土が乾燥したら水やりをしましょう。水切れさせてしまうと葉が傷んでしまうのでこまめにチェックしましょう。また、葉水をかけるとハダニなどの害虫を予防できます。
シソは肥料が切れると葉が硬くなり香りが弱くなってしまいます。肥料は収穫が始まる6月頃から、2週間に1回程度、薄めた液体肥料を様子を見ながら与えましょう。シソは窒素肥料を施しすぎるとアブラムシが付きやすくなるので、与えすぎには注意しましょう。また、有機質が不足している土だと、香りが弱くなることがあります。
シソの害虫や病気
害虫はハダニ、アブラムシ、ハマキムシ、ヨトウムシ、ベニフキノメイガなどが発生することがあります。放任すると害虫に葉が食害されてしまうので、風通しを良くし、こまめに観察して、見つけたら取り除きましょう。
シソは病気の心配は特にありません。
シソの摘芯
草丈が30cm程に成長したら、株の頂点を切り戻しましょう。摘芯すると脇芽が出てきて、収穫量を増やすことができます。また摘芯しないと穂が出てきて枯れてしまいますので摘芯は必ずしましょう。
シソの収穫
シソは主に葉を収穫して楽しむのが一般的ですが、穂じそ、芽じそなど、生育段階に応じた収穫も楽しめます。また、シソは収穫時期によって呼び名が変わります。シソは6月〜10月頃まで収穫できます。
芽じそ
種まきから本葉が1〜2枚出てきた頃に収穫します。赤ジソの芽は「紫芽(むらめ)」、青ジソの芽は「青芽(あおめ)」と呼び、1cm程のサイズで、刺身のつまやあしらい、薬味として使用できます。
シソ(大葉)
6月〜9月頃が収穫期で、成長した本葉が10枚以上になったら下の葉から順次収穫しましょう。大きくなった葉はどんどん収穫しましょう。
花穂
シソは9月頃からとう立ちします。花が3割程開いたら収穫しましょう。花穂は天ぷらや刺身のあしらいとして利用できます。また、香りが良く薬味としても使用できます。
穂じそ
花後の実が未熟なうちに、穂先を5cm程に切り取って収穫しましょう。種はシソの実として刺身のあしらいや、天ぷら、塩漬けや醤油漬けなど、ご飯のお供としても楽しめます。
シソの誕生花・花言葉
シソは「10月28日」の誕生花です。
シソの花言葉は「善良な家風」「力が蘇る」です。
お花のある生活
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シソのまとめ
シソはいろいろな料理や調理方法があって、昔から香辛野菜やハーブとして親しまれてきました。家庭菜園でも簡単に収穫できるとして人気があります。
育てるのはそんなに難しくなく、収穫の楽しみもあるので、みなさんも是非シソを育ててみてはいかがでしょう!