エゴマの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説

エゴマの花穂と葉

こちらでは、エゴマの植物図鑑と育て方を私の経験を元にわかりやすく解説します。
造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
MIDORI
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この記事の監修者

フラワーショップ店長【ミドリ】プロフィール

エゴマとは

エゴマ油と葉

 

植物名   エゴマ


学 名   Perilla frutescens


和 名   荏胡麻


別 名   荏(エ) / ジュウネン


英 名   Wild sesame


科 名   シソ科


属 名   シソ属


 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

エゴマの特徴

エゴマの花穂

 

エゴマは草丈60cm〜120cm程になるシソ科の一年草です。「シソ(紫蘇)」とは同一種内の変種関係とされています。

エゴマの茎は太く、4稜があり、断面は四角形になり、長い下向きの軟毛が生えます。

エゴマは9月〜10月頃に開花します。枝先または葉腋に細長い総状花序を出し、白色の唇形花を多数つけます。花冠は白色に淡い紫色を帯びて、長さ5mm程で、花弁は4枚あり、下側の2枚が長くなります。

エゴマの葉は対生する単葉で、長さ7cm〜12cm程の先端が尖った広卵形で、表面は緑色ですが、裏面は赤紫色を帯びることもあり、縁には鋸歯(きょし)があります。

エゴマの果実は4分果であり、分果は長さ1.5mm〜2mm程の球形で、初めは紫色を帯びて、暗褐色になり、網目模様があります。

 

エゴマの利用

日本では「ゴマ(胡麻)」よりも古くから利用されています。エゴマをはじめとするシソ属種実の検出は縄文時代早期から確認されていて、食用加工もされていたと考えられ、平安時代にはエゴマ油が食用や燃料に使われていました。

エゴマの種子

エゴマの種子は、ゴマに似た風味を持ち、主に精油用ですがゴマの代用にも使われています。岐阜県の飛騨地方では、エゴマのことを「あぶらえ」と呼び、味噌に混ぜて五平餅や焼いた餅に付けたり、茹でた青菜や煮たジャガイモにあえて食べられています。エゴマが比較的多く栽培されている福島県には、じゅうねん味噌やしんごろうやかりんとう饅頭など種子を用いた料理・菓子が多く存在するほか、エゴマを餌に混ぜて育てたエゴマ豚の飼育も行われています。

 

エゴマ油

エゴマ油は種子から絞った油で、荏の油(えのあぶら、えのゆ)、荏油(じんゆ)とも言われ、食用に利用されています。また、乾性油なので防水性を持たせる塗料として油紙、番傘、油団などに用いられていました。菜種油が普及するまでは日本で植物油と言えばエゴマ油であり、灯火にも用いられていました。

エゴマ油が人体に不可欠な必須脂肪酸であるα-リノレン酸を、他の食用油に比べ類を見ないほど豊富に含んでいることから、健康によい成分を持つことが注目され、再び日本の食品市場に現れるようになりました。工業用では塗料樹脂の原料、リノリウム、印刷インキ、ポマード、石鹸などの原料として利用されています。

昔はエゴマ油の知名度が低かった日本では、商品展開上不利として、同属の植物であり知名度の高かった「シソ油」という商品名で流通していたため、誤解されることがありますが、現在では「エゴマ油」の名前で流通しているか、エゴマが原料であることが記載されています。

 

エゴマの葉

エゴマの葉は焼き肉のサンチュのように使うほか、醤油漬けや天ぷらにしたり、刻んで薬味やドレッシングに入れたりと、青ジソのような使い方ができます。ただし、シソ系統の品種群の香りが好まれてきた日本においては、エゴマ特有の臭いを不快と感じる人が多く、一部の漬物用を除いて、葉を野菜として利用することはほとんどありませんでした。また、開花前の花穂は穂ジソと同様に使われています。

 
 

エゴマの変種

野生の変種にはレモンのような香りのある「レモンエゴマ」がありますが人間による利用はされていません。広島県の宮島に分布するレモンエゴマは、ここの系統にのみ含まれるエゴマケトンの強い臭気により、ニホンジカの食害を免れています。また、ニホンザルはこの種子をよく食べていることが知られています。

 

エゴマの詳細情報

園芸分類ハーブ・野菜
性質一年草
開花時期9月〜10月
花色白色
栽培難易度
耐寒性強い
耐暑性普通
耐陰性普通
 
 

エゴマの詳しい育て方

エゴマの畑

エゴマは東南アジアの原産で、中国を経て渡来し、古くから栽培されたものが野生化して、本州、四国、九州の山地などに自生しています。

葉と種実を食用、または油を採るために栽培され、国内では福島県で栽培が盛んに行われています。ハウス物も含め年間を通して流通していますが、露地栽培の場合は6月〜8月頃が旬の時期です。

 

エゴマの置き場所

エゴマは日当たりの良い場所から半日陰でも育ちますが、日光が強いと葉が硬くなってしまうため、葉っぱを食べる場合は半日陰や明るい日陰の方が葉が柔らかくなります。

エゴマは涼しい環境を好み、夏は暑さで弱りますので、夏は日陰を作るなどして管理しましょう。鉢植えであれば、室内に取り込んでもいいですが、冷房の風が当たらないように注意しましょう。

エゴマはほかのシソ科植物と交雑しやすく、交雑すると香りの薄いシソが生えてくるため、シソ科植物から離して栽培しましょう。

 
 

エゴマの種まき

種まきの適期は4月〜6月頃で、発芽温度は20℃前後です。用土は市販の花と野菜の培養土を使用しましょう。種子は前日に一晩、水につけていると発芽しやすくなります。

ビニールポットやセルトレイに用土を入れ、種子を1粒から2粒まいたら薄く覆土し、たっぷり水やりをしましょう。日向や明るい半日陰で乾燥させないように管理しましょう。発芽日数は7日〜10日程で、発芽したら間引いて、1本を残し、草丈が5cm程になったら畑やプランターに植え付けましょう。

 

エゴマの苗植え

苗植えの適期は4月〜6月頃です。株間30cm~40cm程あけて植え付けましょう。ポットから根鉢を崩さないように取り出し、浅めに植え付けてたっぷりと水やりをしましょう。地植えの場合、腐葉土とたい肥をたっぷり混ぜ込みましょう。

 

エゴマの水やり・肥料

エゴマは乾燥に弱いので、土がしっかりと乾燥する前に水やりをしましょう。乾燥がひどい時は地面に腐葉土などを敷き、マルチングして乾燥を防ぎましょう。

肥料はあまり必要としませんが、収穫期の6月頃から草勢を見ながら野菜の肥料などを与えましょう。

 

エゴマの害虫や病気

害虫はアブラムシ、ベニフキノメイガ、ハダニ、ヨトウムシなどが発生することがあります。害虫に食害されると株が弱ってしまったり、味や香りが損なわれてしまうため、見つけたら早めに取り除き、薬剤散布で防除しましょう。

病気はさび病があります。原因はカビの一種で、感染すると葉が変色し弱ってしまいます。見つけたら感染箇所を取り除き、殺菌剤を散布して被害を食い止めましょう。

 

エゴマの摘芯

成長点を摘むことを摘芯といい、摘芯をすると脇芽が出て葉が増え、収穫量が増えます。また、草丈が高くなると風などで折れてしまうことがあるため、成長に合わせて摘芯をしましょう。

茎が5〜6節ほど伸びたら、3〜5節あたりで摘芯しましょう。その後も同様に摘芯して脇芽を出させましょう。プランターの大きさや、育てたいサイズによって草丈は100cm前後くらいにまとめましょう。

 

エゴマの収穫

エゴマの収穫の適期は6月〜8月頃です。本葉が10枚以上になったら、下の葉から順次収穫しましょう。摘芯して脇芽を増やすことで長く収穫を楽しめます。

秋以降に葉っぱが黄色くなったら、種子が収穫できます。実と殻やゴミを取り除き、日陰の風通しのいいところに吊るして乾燥させ、乾燥したら水洗いしてからまた乾燥させましょう。保存する場合はジップロックに入れて冷蔵庫で保管しましょう。

 

グリーンライフイノベーションの画像2

 
 
 

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エゴマのまとめ

エゴマの種子

エゴマはいかがでしたか?
エゴマはシソと同一種内の変種関係とされているシソの仲間です。エゴマ油のほか葉や種子も食され、健康にも良いとされ、家庭菜園でも育てられています。
育てるのはそんなに難しくなく、収穫の楽しみもあるので、みなさんも是非エゴマを育ててみてはいかがでしょう!
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