造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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シオジとは
植物名 シオジ
学 名 Fraxinus platypoda Oliv.
和 名 塩地
別 名 ショウジノキ/ タモ
英 名 Fraxinus platypoda
科 名 モクセイ科
属 名 トネリコ属
シオジの特徴
シオジは樹高20m〜30m、幹径1m程になるモクセイ科の落葉高木です。日本では4月〜5月頃に開花します。
シオジの幹は、比較的まっすぐ伸びます。樹皮は、若木では明るい灰白色ですが、大きくなると縦に裂け目が入り、暗褐色になります。
シオジの花は雌雄異株で、葉の脇から円錐花序を出し、花弁のない、白い小さな花を多数付けます。
シオジの葉は、7〜9小葉からなる奇数羽状複葉で対生し、長さ20cm〜30cm程になり、小葉は長さ5cm〜10cm程の先が尖る長楕円形で、縁には細かい鋸歯（きょし）があり、表面の葉脈が少し凹み、基部には毛がありません。
シオジの果実は膜状の羽がある翼果で、長さ3cm〜5cm程の倒披針形で垂れ下がります。10月頃に熟すと、褐色になり、長い翼があるため風に乗って飛んでいきます。
シオジの利用
ヤチダモは、幹が真っすぐに伸びるため大きな材を取りやすいこと、柔らかくて加工しやすいことから、タモ材として重宝され、テーブルやイスなどの家具、フローリング、土木建築、ベニヤ、運動具、器具、野球のバット、テニスラケットなどに利用されています。
家具や建築などでは「タモ材」と呼ばれていますが、「タモ」という樹木はなく、本種シオジや、「アオダモ（青梻）」、「ヤチダモ（谷地梻）」、「トネリコ（梣）」など同属の樹木を総称して「タモ」と呼んでいます。
シオジと似ている樹木
シオジと似ている樹木に、同じように「タモ」と呼ばれる同属の「ヤチダモ」があります。どちらもよく似ていますが、見分け方があります。
シオジは、主に暖地を好む植物で、西日本に多く分布しています。これに対して、ヤチダモは寒冷地を好む植物で、主に東日本の豪雪地帯などに多く分布しています。
植物の見分け方としては、ヤチダモは葉の付け根に赤褐色の綿毛がありますが、シオジはこの綿毛がないので、見分けることができます。
天然記念物のシオジ
群馬県多野郡上野村楢原の北沢渓谷にある「上野楢原のシオジ原生林」は、250年以上も伐採されておらず、手つかずの自然が多く残っていることから国の天然記念物に指定されています。
埼玉県秩父市の「彩の国ふれあいの森」にある「大山沢のシオジ林」は、埼玉県を代表する自然林の１つです。ここには、シオジやイヌブナなどの原生林が見られ、国内でも屈指のシオジ林として、さまざまな学術研究も行われ、埼玉県の天然記念物に指定されています。
シオジの詳細情報
| 園芸分類 | 庭木 |
| 性質 | 落葉高木 |
| 開花時期 | 4月〜5月 |
| 花色 | 白色 |
| 栽培難易度 | |
| 耐寒性 | 弱い |
| 耐暑性 | 強い |
| 耐陰性 | 普通 |
シオジの詳しい育て方
シオジは日本の原産で、国内では関東以西の本州、四国、九州の山地に自生しています。暖地を好む樹木で、雄大な樹形を鑑賞するため、庭木としても植栽されています。
シオジの苗植え
苗植えは落葉期の11月〜翌2月頃が適期です。日当たりが良い場所を好みますが、多少の日陰でも育ちます。ただし、乾燥した寒風には弱いので、あまり風に当たらない場所が適しています。
用土はあまり選ばないので、赤玉土に腐葉土を混ぜたものか、市販の花の培養土を使い、植え付けたら、たっぷりと水やりをしましょう。
シオジの水やり・肥料
根付いてからは降雨で問題ありませんが、真夏の乾燥する時期は水やりをしましょう。
肥料は寒肥として、2月頃に油かすなどの有機質肥料を株元に混ぜ込みましょう。
シオジの害虫や病気
害虫はテッポウムシ、カミキリムシの幼虫、アメリカシロヒトリ、キクイムシなどが発生することがあります。幹や枝を食害して、おがくずが落ちていたら、害虫がいるかもしれません。食害されると株が弱ってしまうので、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気はうどんこ病があります。うどん粉をまぶしたように白いカビが繁殖します。近くに広がってしまうので、病気の部分は取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
シオジの剪定
剪定の適期は、落葉期の12月〜翌2月頃になります。シオジは将来的に、大きくなる樹木です。枝なども太くなり、雄大な樹形を楽しむ樹木ですが、強い剪定にも耐えます。
剪定は、太い枝を切り詰めるよりは、間延びしている枝や、重なり合っている枝、枯れ枝など邪魔な枝を間引きながら、樹形を整えましょう。
シオジのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが！
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
- 光触媒加工を施すと、目に見えないウイルス・雑菌・悪臭・カビ菌などを分解して、空間をキレイにする効果もあります。
ホームセンターなどで販売している造花やアーティフィシャルは、どうしても偽物とわかってしまい、観賞価値がありません。
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シオジのまとめ
シオジは木材としても利用される樹木ですが、大きく成長し、まっすぐ伸びた幹と、太い枝が広がる樹形は雄大です。
育てるのは難しくないので、みなさんも是非シオジを育ててみてはいかがでしょう！