造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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ヤマモモとは
植物名 ヤマモモ
学 名 Morella rubra
和 名 山桃
漢 名 楊梅(ヨウバイ)
英 名 Red bayberry
科 名 ヤマモモ科
属 名 ヤマモモ属
ヤマモモの特徴
ヤマモモは樹高10m〜20m程、幹径100cm程になるヤマモモ科の常緑高木です。山に生えて、「モモ(桃)」のような果実を付けることから名付けられたと言われています。
ヤマモモの花は雌雄異株で、3月〜4月頃にあまり目立ちませんが、葉腋に出る穂状花序に小さな花を咲かせます。雄花は黄色または赤褐色の穂状で、長さは2cm~4cm程になり、雌花は黄緑色で直立し、長さは1cm程になり、紅色の1本の雌しべがあります。
ヤマモモの葉は互生する単葉で、小枝では枝先に密生します。葉は長さ5cm〜10cm程の長楕円形で、革質で厚みがあり、若い株の葉には鋸歯(きょし)がありますが、成木の葉には鋸歯(きょし)がなくなり、全縁になります。
ヤマモモの果実は球形の核果で、径1.5cm〜2cm程になり、表面が円錐形のこぶに覆われていて、6月頃に暗い紅紫色に熟します。甘みや酸味があり、生食できます。中には一粒の硬い種子が入っています。
ヤマモモの利用
ヤマモモは街路樹や公園樹として植栽されるほか、四国や九州ではヤマモモの果実が食用として店頭販売されています。ただし、果実は腐りやすく、朝に摘んだ果実が、昼にはダメになると言われるほど日持ちしないため、主にジャムや果実酒、塩漬けなどに加工されています。
ヤマモモの樹皮は「楊梅皮(ようばいひ)」という生薬に利用されています。また、染料としても用いられ、潮水に強い性質があるため、漁網を染めるのに使われていました。
ヤマモモに似ている木
ヤマモモに葉がよく似た樹木に「ホルトノキ」があります。また、果実がよく似た樹木に「イチゴノキ(苺の木)」があります。
ホルトノキは古い葉が赤くなる特徴があり、少数の葉が赤く色づいているため見分けることができます。また、ホルトノキには葉の縁に鋸歯(きょし)があり、側脈の分かれ目に水かき状の膜がある点が異なります。
天然記念物のヤマモモ
ヤマモモは、高知県の「県の花」、徳島県の「県の木」に指定されています。また、日本国内には樹齢数百年以上の天然記念物に指定されているヤマモモがたくさんあり、その一部をご紹介します。
国指定の天然記念物
- 静岡県伊東市の「蓮着寺のヤマモモ」
都道府県指定の天然記念物
- 大阪府豊中市の「寶珠寺のヤマモモ」
- 大阪府和泉市の「松尾寺のヤマモモ」
- 大阪府泉南郡熊取町の「雨山のヤマモモ」
- 大阪府三島郡島本町の「尺代のヤマモモ」
- 奈良県五條市の「奥谷のヤマモモ」
- 徳島県海部郡美波町の「由岐のヤマモモ」
- 福岡県福岡市の「金武のヤマモモ」
- 福岡県那珂川市の「市ノ瀬のヤマモモ」
市町村指定の天然記念物
- 静岡県静岡市の「瀬名幕ヶ谷のヤマモモ」
- 静岡県磐田市の「天御子神社のヤマモモ」
- 岐阜県不破郡垂井町の「岩手のヤマモモ」
- 愛知県豊川市の「広幡神社のヤマモモ」
- 奈良県奈良市の「王龍寺のヤマモモ」
- 京都府京都市の「養源院のヤマモモ」
- 京都府京都市の「一言寺のヤマモモ」
- 兵庫県神崎郡福崎町の「ヤマモモ」
- 広島県呉市の「冠崎のヤマモモ」
- 広島県尾道市の「摩訶衍寺のヤマモモ」
- 愛媛県今治市の「明堂のヤマモモ」
- 山口県防府市の「阿弥陀寺のヤマモモ」
ヤマモモの詳細情報
園芸分類 | 庭木・果樹 |
性質 | 常緑高木 |
開花時期 | 3月〜4月 |
花色 | 黄色・赤色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 弱い |
ヤマモモの詳しい育て方
ヤマモモは中国と日本の原産で、台湾、韓国、フィリピンにも分布しています。国内では、関東以南の低地や山地に自生して、西日本の太平洋沿いではごく普通に見られます。
ヤマモモの苗植え
苗植えは3月〜4月頃が適期です。日当たりが良く、水はけの良い場所が好みです。ヤマモモは根に放線菌という、大気中の窒素を取り込める菌が付いているので、痩せた土地でもよく育ちます。
用土は黒土に腐葉土と堆肥を混ぜたものを使用し、植え付けたら水やりをしましょう。風の強い場所であれば、支柱を立てて株を支えてあげましょう。
ヤマモモの水やり・肥料
根付くまでは表面が乾いたら水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土が乾燥したら水やりをしましょう。庭植えの場合は、降雨のみで問題ありません。
ヤマモモは窒素を取り込んでくれる放線菌と共存しているので、肥料はあまり必要ありませんが、果実を収穫した後の7月と、2月~3月に1回ずつ、油かすと骨粉を混ぜあわせた有機質肥料を与えましょう。
ヤマモモの害虫や病気
害虫はハマキムシなどが発生することがあります。害虫に食害されると株が弱ったり、景観が悪くなってしまうので、見つけたら取り除き、薬剤散布で駆除しましょう
ヤマモモは病気の心配は特にありません。
ヤマモモの剪定
ヤマモモは、春に伸びた枝の先端に花芽を作り、それが翌春に開花し実を付ける性質があります。そのため、剪定の適期は3月~4月頃で、軽めに剪定することが実付きをよくしながら樹形をきれいに整えるポイントです。
剪定は全体のバランスを見ながら、混み合っている枝や長く伸びすぎた枝を間引いていきましょう。枝の先端だけを切り落としてしまうと、花芽を切り落とすことになるので注意しましょう。
ヤマモモの収穫
ヤマモモは風によって花粉が運ばれる風媒花のため、一般的に1~3㎞程離れた相当遠方からでも花粉が風に運ばれ受粉しますので、庭に一本だけ植えても結実すると言われています。
ヤマモモは6月~7月頃に真っ赤に熟した実を収穫しましょう。雨に当たると実の味が落ちてしまうので、梅雨の合間の晴れた日に素早く収穫するのが美味しいヤマモモを堪能するコツです。
ヤマモモの誕生木・誕生花・花言葉
ヤマモモは「6月21日」の誕生木です。
ヤマモモは「6月21日」の誕生花です。
ヤマモモの花言葉は「教訓」「一途」「ただ一人を愛す」です。
ヤマモモのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが!
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
- 光触媒加工を施すと、目に見えないウイルス・雑菌・悪臭・カビ菌などを分解して、空間をキレイにする効果もあります。
ホームセンターなどで販売している造花やアーティフィシャルは、どうしても偽物とわかってしまい、観賞価値がありません。
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ヤマモモのまとめ
ヤマモモは果実が収穫できる樹木として、比較的病害虫に強く、難しい管理も必要ないため、はじめて果樹を栽培する方にもオススメです。
育てるのは比較的簡単なので、みなさんも是非ヤマモモを育ててみてはいかがでしょう!