造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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キンカンとは
植物名 キンカン
学 名 Citrus japonica
和 名 金柑
別 名 金橘(キンキツ)
英 名 Kumquat
科 名 ミカン科
属 名 ミカン属
キンカンの特徴
キンカンの木は樹高2m〜3m程になるミカン科の常緑低木です。観賞用や食用、薬用にも利用されている柑橘類です。
キンカンの葉は互生する単葉で、長さ5cm〜8cm程の先端が尖った楕円形になります。葉は革質で、明るい油点があり、葉柄は狭い翼状になっていて、葉縁は不規則で低い波状の鋸歯(きょし)があります。また、枝には稀に小さなトゲがあります。
キンカンの花は6月〜7月頃に開花します。葉腋に白色の5弁花を1輪〜数輪咲かせます。花には芳香があり、中央に雌しべが1本、多数ある雄しべは基部で合体して筒状になります。
キンカンの果実は球形で、直径2cm〜3cm程と小さく、10月〜11月頃に黄色に熟します。果肉は甘酸っぱく、後味はほろ苦く、果皮にも酸味と甘味があり、生食できます。
キンカンの名前
キンカンという名前は、黄金色の柑橘類という意味から名付けられました。一般的に栽培されている品種は、細長い「ナガキンカン」と、果実が丸い「マルキンカン」で、総称してキンカンと呼ばれています。俳句では秋の季語に用いられています。
近縁種には「チョウジュキンカン(フクシュウキンカン)」があり、中国福建省原産でキンカン類の中で最も実が大きく、「オオミキンカン」という名前で流通しています。ほかにも「ナガキンカン(ナガミキンカン)」や、「ネイハキンカン(ニンポウキンカン、メイワキンカン)」「マメキンカン」「プチマル」などがあります。
キンカンの利用
キンカンの果実は果皮ごとあるいは果皮だけ生食します。果皮の中の白い部分に苦味と甘味があります。果肉は酸味と甘みがあります。果皮のついたまま甘く煮て、砂糖漬け、蜂蜜漬け、甘露煮、マーマレードにします。甘く煮てから、砂糖に漬けてドライフルーツにすることもあります。
キンカンの果実は、「金橘(きんきつ)」と称して民間薬として咳や、のどの痛みに効果があるとされています。また、抗菌や利尿などにも役立つとされ、精油は延髄中枢を刺激して、血液循環を良くして、発汗作用の働きがあると言われています。
キンカンの詳細情報
園芸分類 | 庭木・果樹・盆栽 |
性質 | 常緑低木 |
開花時期 | 6月〜7月 |
花色 | 白色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | やや弱い |
キンカンの詳しい育て方
キンカンは中国の原産で、江戸時代に日本へ渡来したと言われています。庭木や生け垣として植栽されるほか、観賞用として鉢植えや盆栽にも利用されています。
日本の主な生産地は宮崎県と鹿児島県で、西日本の他の地域でも栽培されています。キンカンは温室栽培、ハウス栽培、露地栽培があり、冬から春にかけて流通しています。露地物は、1月〜3月頃が最も美味しい旬の時期です。
キンカンの苗植え
苗植えの適期は3月〜4月頃です。日当たりと風通しの良い場所が好みで、西日の当たらない場所が適しています。庭植えの場合は、冬は敷きワラなどのマルチングを行って寒さ対策をしましょう。鉢植えの場合は、季節や天候などによって鉢を移動させましょう。
用土は水はけのよい土が適していますので、庭植えの場合は掘り起こした土に腐葉土をたっぷり混ぜましょう。鉢植えの場合は市販の果樹用の培養土を使い、植え付けたらたっぷりと水やりをしましょう。鉢植えの場合は、2年に1回、根詰まり対策として一回り大きな鉢に植え替えをしましょう。
キンカンの水やり・肥料
庭植えの場合は根付いたら降雨だけで問題ありませんが、乾燥が続くようであれば水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土が乾燥したら、たっぷりと水やりをしましょう。
肥料は3月、6月、11月の年3回、油かすなどの有機肥料を与えましょう。
キンカンの害虫や病気
害虫はアブラムシ、ハダニ、カイガラムシ、アゲハチョウの幼虫が発生することがあります。葉を食害しますので、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気はカビによるソウカ病、細菌によるカイヨウ病、黒点病などがあります。感染すると葉や果実に病斑ができて株が弱ってしまいます。発病した箇所を切り取り、薬剤散布で防除しましょう。
キンカンの剪定
キンカンの剪定の適期は収穫後の3月〜5月頃です。キンカンの花は、前年に伸びた枝先にも咲きますが、主に春以降に伸びた枝の先に咲かせます。
剪定は枯れ枝や混み合った枝を取り除いて、風通しを良くして内部まで日光が入るようにしましょう。また、果実は上に向いた枝ではなく、下向きの枝に大きな実を付けやすい性質がありますので、枝を紐などで引っ張って誘引して、下向きにすることで大きな実を付けさせることができます。
キンカンの収穫
キンカンは夏頃から結実しますが、たくさんの果実が実ると株が弱ってしまうため、果実が枝一つにつき1〜2個程度に摘果しましょう。キンカンの収穫時期は12月〜翌3月頃です。
ライムを収穫する際は、枝にあるトゲに注意して、実を落とさないようにしっかりと持って、茎を少し長めに切りましょう。
キンカンの誕生木・誕生花・花言葉
キンカンは「12月2日」の誕生木です。
キンカンは「1月29日」の誕生花です。
キンカンの花言葉は「感謝」「思い出」です。
キンカンのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが!
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- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
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キンカンのまとめ
キンカンは、観賞用として栽培されるほか、食用や薬用にも利用される柑橘類で、花には芳香があり、小さな果実には酸味と甘みがあります。
慣れてしまえば育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非キンカンを育ててみてはいかがでしょう!