造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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アイ(藍)とは
植物名 アイ(藍)
学 名 Persicaria tinctoria
和 名 蓼藍(タデアイ)/ 藍蓼(アイタデ)
英 名 Indigo plant
科 名 タデ科
属 名 イヌタデ属
アイ(藍)の特徴
アイは草丈50cm〜1m程になるタデ科の一年生植物です。日本では9月〜10月頃に米粒大の小花を穂状に咲かせます。
アイの花は茎先から偽装花序を伸ばし、淡い紅色の萼が目立ち、花冠は無く白色、桃色、紅色などの花を密に付けます。
アイの葉は互生する単葉で、長さ10cm程の幅の広い被針形です。アイの葉は傷つけると傷口が藍色になります。
アイの果実は、長さ2mm程の痩果で、黒褐色の種子があります。アイの果実は葉とともに漢方などに用いられます。
アイ(藍)の染料
アイの葉を使った「藍染め」は奈良時代から続く歴史があり、染色には「生葉染め」「乾燥葉染め」「すくも染め」があり、海外では「Japan Blue」と呼ばれ、愛好者も多くいます。
「生葉染め」には、最も古い方法である布に生葉をそのまま叩きつけて染める叩き染めか、すり潰した汁で染める方法がありますが、濃く染まらない、葉が新鮮なうちでなければ染色できないという欠点もあります。
「乾燥葉染め」は、そのままでは色素が繊維に沈着しないので、還元反応を行って色素の沈着ができるようにします。生葉に比べて無駄なく染色でき、時期もあまり選ばないのがメリットです。
「すくも染め」は、乾燥した葉を室の中で数ヶ月醗酵させて、それを搗き固めた藍玉を用いる方法です。すくもの利点は、いつでも醗酵させて染色できること、染料の保存が楽なこと、木綿にも濃く染められることなどがあります。
すくも染めは、生産に高度な技術と手間が必要なため、現在では徳島県以外で日本産のすくもを見ることはほぼないと言われています。
藍染した布は、抗菌性、消臭性、防虫性に優れているため、保存性が高いという利点があります。そのため、武士が付ける甲冑の下着や、江戸時代の火消し用半纏、蒸気機関車乗員の制服などに使われていました。また、藍染した和紙の紺紙は色合いが美しく、写経などに利用されています。
アイ(藍)の詳細情報
園芸分類 | 草花 |
性質 | 一年草 |
開花時期 | 9月〜10月 |
花色 | 白色・桃色・紅色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 弱い |
アイ(藍)の詳しい育て方
アイ(藍)は東南アジア原産で、日本には6世紀頃に中国から渡来したと言われ、藍色の染料を採るために江戸時代には盛んに栽培されていて、30種以上の品種が作られていました。現在でも徳島県の阿波藍(アワアイ)などが有名です。
アイの種まき
種まきの適期は3月〜5月頃です。育苗ポットを用意し、赤玉土に腐葉土を混ぜた水はけの良い土に、深さ1cm程の穴を開け5〜6粒の種をまきます。発芽適温は20℃程で、土が乾かないように水やりをしてあげると10日程で発芽します。
発芽した後は葉が触れ合わない程度に間引きながら育てて、1ヶ月程経過したら鉢やプランター、地面に植え替えましょう。
アイの苗植え
苗の植え付けは、4月〜5月頃が適期です。株同士は20cm〜30cm程間隔を開けて植え付けましょう。日当たりが良く風通しの良い場所が好みです。
特に土質は選びませんので、赤玉土に腐葉土を混ぜた一般的な組み合わせのものや、市販の花の培養土を使用し、元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んで植え付けましょう。
アイの水やり・肥料
表面が乾いたらたっぷり水やりをしましょう。特に生育期の5月〜10月頃はたくさん水を必要とするので、水切れに注意しましょう。
肥料は、植えつけから2カ月程経ったら、液体肥料を2週間に1回与えましょう。
アイの害虫や病気
害虫はアブラムシなどが発生することがあります。食害されると株が弱ってしまうので、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
アイは病気の心配は特にありません。
アイの収穫
アイは7月と9月の年2回、収穫をすることができます。地際から10cm程を残して切り戻しましょう。花が咲きはじめると、葉っぱは小さくなり、染料の青色も減ってしまうので、収穫する際は早めに摘み取りましょう。
アイ(藍)の誕生花・花言葉
アイは「7月31日」「9月12日」の誕生花です。
アイの花言葉は「美しい装い」「あなた次第」です。
花言葉の由来は「アイの花が藍染めに使われることから、衣服を染めてくれることで着物等を美しいものにしてくれること」に由来します。
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アイ(藍)のまとめ
アイは花が綺麗で、葉は藍染の原料としても利用されている植物で、自分で育てて染め物も楽しめる植物です。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非アイを育ててみてはいかがでしょう!