造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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ウツギとは
植物名 ウツギ
学 名 Deutzia crenata
和 名 空木
別 名 卯の花(ウノハナ)
英 名 Deutzia
科 名 アジサイ科
属 名 ウツギ属
ウツギの特徴
ウツギは樹高2m〜4m程になるアジサイ科の落葉低木です。日本では5月〜7月頃に開花します。
ウツギは株立状になり、樹皮は褐色で成長すると縦に剥離します。若枝は赤褐色を帯びて、星状毛を密生させます。ウツギは幹や枝の中に「髄」がなく、空洞になっていることから「空木(ウツギ)」という名前が付けられました。
ウツギの葉は対生する単葉で、大きさや形に変化があり、長さ5cm〜10cm程の卵形〜卵状披針形です。葉の両面には星状毛が多くザラザラして、葉の縁には細かい鋸歯(きょし)があります。葉柄は2cm〜7cm程あり、星状毛が密に生えます。
ウツギの花は、枝先に円錐花序を出して多くの白い花を咲かせます。花は径1cm程の5花弁で、釣鐘形になり、萼筒と萼裂片には星状毛が密生します。雄しべは10本あり、花弁よりやや短く、花糸の両側に翼があって、上方で歯状になり、雌しべは3~4本あります。また、八重咲き品種もあります。
ウツギの果実は蒴果で、径5mm程の椀型になり木質で硬く、先端が少し凹みます。はじめは緑色ですが、10月〜11月頃になると黄褐色に熟して種子を飛ばします。
ウツギの近縁種
ウツギの近縁種に「ヒメウツギ(姫空木)」や、「マルバウツギ(丸葉空木)」があります。どれもよく似ていますが、簡単な見分け方があります。
ウツギは樹高が2m〜4m程に成長するのに対して、ヒメウツギは樹高が1m〜1.5m程と低く、グラウンドカバーとしても管理しやすいため庭木としても人気があります。
マルバウツギの特徴は、ウツギに比べると葉が丸くなり、花の中心部にオレンジ色の花盤が目立ち、花序の下に付く葉には葉柄がなく、茎を抱きます。
ウツギの詳細情報
園芸分類 | 庭木 |
性質 | 落葉低木 |
開花時期 | 5月〜7月 |
花色 | 白色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 普通 |
ウツギの詳しい育て方
ウツギは日本の原産で、北海道南部、本州、四国、九州に広く分布して、日当たりのよい野原や山林の縁、土手などに自生しています。畑の生け垣にしたり観賞用として庭木などに植栽されています。
ウツギの植え付け
植え付けの適期は2月〜3月頃です。日当たりの良い場所から明るい日陰でも育ちます。耐暑性、耐寒性がありますので、広い地域で栽培が可能です。
用土はあまり選びませんので、赤玉土に腐葉土と堆肥を混ぜたものに植え付けて、たっぷりと水やりをしましょう。
ウツギの水やり・肥料
庭植えの場合は、根付くまでは表面が乾いたら水やりをしましょう。根付いてからは降雨で問題ありませんが、乾燥が続くようであれば水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土が乾いたら水やりをしましょう。
肥料は寒肥として2月頃と、開花後のお礼肥に、油かすや緩効性化成肥料を株元に混ぜ込みましょう。
ウツギの害虫や病気
害虫はアブラムシやハダニ、カイガラムシなどが発生することがあります。食害により株が弱ってしまうので、見つけたらすぐに取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気はうどんこ病にかかりやすく、葉に粉をまぶしたように白くなる病気です。はじめはポツポツと白く粉をふいているように見えますが、悪化すると葉の全体が真っ白になり、葉にカビが生えたようになってしまいます。見つけたら早めに葉を取り除き、殺菌剤を散布して被害を食い止めましょう。
ウツギの剪定
ウツギは花後の7月〜8月頃に翌年の花芽が形成されるため、開花中または開花後の6月〜7月頃が剪定の適期です。夏以降に剪定をすると花芽を落としてしまいます。
ウツギは、剪定せずに放任しても花は咲きますが、枝がどんどんと伸びて樹形が乱れてしまいます。花は今年伸びた枝に咲きますので、咲き終わった枝を剪定しましょう。枯れた枝や混み合っている枝があれば根本から切り戻しましょう。
ウツギは4〜5年程で株が大きくなります。コンパクトに仕立てたい場合や、大きくなった株を4〜5年に一度、強めに切り戻すことで株を小さくすることができます。
その場合は、落葉期の2月頃が剪定の適期で、株を小さくする場合は、株元までバッサリと切り戻しましょう。強めの剪定にも耐えて、芽吹く力が強いので春以降にしっかりと芽吹きます。ただし、強い剪定を行った場合は、その年は花を見ることができません。
ウツギの挿し木の方法
ウツギの挿し木は6月〜7月が適期です。今年伸びた新梢を使い、枝の長さは15cm〜20cm程、上に葉を2枚〜3枚残し、下の葉も取り除きます。残した葉は半分くらいカットしましょう。(これは葉から水分が蒸発するのを防ぐためです。)
挿し穂の茎の下部分を斜めにカットして水に挿し、1時間以上水上げをしたら、用土に割り箸などで穴を開け、挿し穂の葉が重ならないように挿しましょう。根元を押さえたら、たっぷり水やりをしましょう。
鉢は明るい日陰に置き、乾いたら水をあげましょう。3週間〜1ヶ月程で発根しますので、発根したら肥料入りの培養土に植え替えましょう。
ウツギの誕生木・誕生花・花言葉
ウツギは「5月6日」の誕生木です。
ウツギは「4月14日」「6月4日」の誕生花です。
ウツギの花言葉は「秘密」「古風」「風情」です。
ウツギのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
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- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
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ウツギのまとめ
ウツギは万葉集でも詠まれるなど、古くから初夏の風物詩として親しまれてきた植物の一つで、白く可愛い花が庭木としても人気があります。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ウツギを育ててみてはいかがでしょう!