造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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イタヤカエデとは
植物名 イタヤカエデ
学 名 Acer pictum
和 名 板屋楓
別 名 下に記載
英 名 Painted maple
科 名 ムクロジ科
属 名 カエデ属
イタヤカエデの特徴
イタヤカエデは樹高15m〜20m、幹径1m程になるムクロジ科の落葉高木です。日本では4月〜5月頃に開花します。
イタヤカエデの樹皮は灰褐色で、若木では滑らかですが、成長すると縦に筋が入ります。若枝は鮮褐色で軟毛が生えます。
イタヤカエデの葉は対生し、長さ7cm～13cm、幅10cm〜20cm程で掌状に浅く5〜7裂します。葉は分厚く、ほかのカエデ類とは異なり全縁で、裂片の縁に鋸歯（きょし）はありません。また、秋には黄葉します。
イタヤカエデの花は雌雄同株で、枝先に長さ3cm～4cm程の複総状花序に10〜50個程付きます。花は淡黄色で、花弁と萼片ともに5個あります。花には雄花と両性花があり、雄花には雄しべのみで、両性花には雄しべと、二つに裂けた雌しべ（柱頭）があります。
イタヤカエデの果実は翼果で、長さ2cm程でプロペラ状の翼があり、鋭角に開き、秋頃に熟すと風に乗って飛んでいきます。
イタヤカエデの利用
トウカエデは、カエデの仲間では最も大きく育つと言われ、材が白くて美しく、弾力性に富むことから、建材、フローリング、家具、ヴァイオリンやギター、ピアノなどの楽器類、バット、スキー板などに使われ、「カエデ材」として流通する木材のほとんどは本種イタヤカエデの材です。
秋田県仙北市では、イタヤカエデの若木の幹を帯状に裂いて編み、箕（み）やカゴなど、さまざまなものを作る「イタヤ細工」が生産され、秋田県の伝統的工芸品に指定されています。
イタヤカエデの幹に傷を付けると、糖質を含む樹液が流れ出します。同じように利用されている「サトウカエデ（砂糖楓）」に比べると含有糖分がやや低いものの、本種イタヤカエデの樹液からもメイプルシロップや、メイプルシュガーを採取できます。
アイヌはイタヤカエデを「トペニ（乳の木）」と呼び、冬の時期、幹に傷を付けて樹液を出して、凍った「甘いつらら」をアイスキャンデーのように食べていました。
イタヤカエデの名前
イタヤカエデという名前は、大きな葉が繁る様子を、板葺きの屋根に見立ててイタヤカエデと名付けられました。また、秋季でも葉が緑色をしていることから「トキワカエデ（常磐楓）」という別名もあります。ただし、落葉する直前に黄色く黄葉します。
ほかにも「イタギ」や、「ツタモミジ」などの別名もあり、北海道に分布しているものは、「エゾイタヤ（蝦夷板屋）」とも呼ばれています。
イタヤカエデの詳細情報
| 園芸分類 | 庭木 |
| 性質 | 落葉高木 |
| 開花時期 | 4月〜5月 |
| 花色 | 淡黄色 |
| 栽培難易度 | |
| 耐寒性 | 強い |
| 耐暑性 | 強い |
| 耐陰性 | 普通 |
イタヤカエデの詳しい育て方
イタヤカエデは日本、中国の原産で、国内では北海道、本州、四国、九州に分布しています。主に北海道や東北地方など、寒い地域の山地や、特に沢沿いの日向に自生しています。また、園芸品種もあり庭木や公園樹としても植栽されています。
イタヤカエデの植え付け
植え付けは落葉期の11月〜翌2月頃が適期です。日当たりが良い場所を好みますが、直射日光で葉っぱが葉焼けして傷んでしまうため、明るい半日陰などが適しています。また、昼と夜の寒暖差が大きい程、綺麗に紅葉すると言われています。
用土はあまり選びませんので、庭土に腐葉土や堆肥をたっぷり混ぜて、植え付けたらたっぷりと水やりをしましょう。
イタヤカエデの水やり・肥料
根付いてからは降雨で問題ありません。夏場など乾燥が続くようであれば水やりをしましょう。
肥料は寒肥として、2月頃に緩効性化成肥料を株元に与えましょう。
イタヤカエデの害虫・病気
害虫はアブラムシ、カミキリムシが発生することがあります。暖かい時期に発生して葉を食害します。食害されると株が弱ってしまったり、観賞価値が下がってしまうため、早めに取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気はうどんこ病、すす病があります。葉に粉をまぶしたように白くなる病気です。はじめはポツポツと白く粉をふいているように見えますが、悪化すると葉の全体が真っ白になり、葉にカビが生えたようになってしまいます。見つけたら早めに葉を取り除き、殺菌剤を散布して被害を食い止めましょう。
イタヤカエデの剪定
剪定は落葉期の12月〜翌2月頃が適期です。徒長枝や混み合っている枝、枯れ枝をを切り取り、樹形を整えましょう。
イタヤカエデは自然樹形を楽しむ樹木です。成長が早く、大きくなる樹木ですが強い剪定を好まないため、太い枝を切ると樹木にダメージがあります。木が細いうちに残す枝を決めて、将来的な樹形をイメージして整えましょう。
イタヤカエデの誕生木・花言葉
イタヤカエデは「10月15日」の誕生木です。
カエデの花言葉は「遠慮」「美しい変化」「大切な思い出」などがあります。
イタヤカエデのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが！
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
- 光触媒加工を施すと、目に見えないウイルス・雑菌・悪臭・カビ菌などを分解して、空間をキレイにする効果もあります。
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イタヤカエデのまとめ
イタヤカエデは、ほかのカエデより派手な花を咲かせて、大きな葉は秋になっても黄葉せず、落葉する直前に黄色く黄葉します。
育てるのはそんなに難しくはないので、みなさんも是非イタヤカエデを育ててみてはいかがでしょう！