造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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エンレイソウとは
植物名 エンレイソウ
学 名 Trillium smallii
和 名 延齢草
別 名 立葵（タチアオイ）
英 名 Trillium
科 名 シュロソウ科
属 名 エンレイソウ属
エンレイソウの特徴
エンレイソウは草丈20cm〜40cm程になるシュロソウ科の多年草です。日本では4月〜5月頃に開花します。
エンレイソウは太く短い根茎を持ち、地上には茎が1本立ち上がります。この根茎はサポニンなどの有毒成分を含みます。
エンレイソウの葉は茎先に3枚輪生して、長さ・幅ともに10cm〜20cmの先端が尖った菱状円形になります。全縁でやや波打ち、葉柄はなく、茎から直接生じます。
エンレイソウの花は、葉の中心から短い花柄を出し、その先に1個付けます。花は緑色または紫褐色で、花弁はなく、長さ1cm～2cm程の長楕円形となる萼片が3枚あります。
エンレイソウの果実は液果で、長さ1cm〜2cm程の球形になり、3稜があり、黒紫色に熟します。熟した果実は甘みがあり、食用となります。
エンレイソウの名前
エンレイソウという名前は、中国ではエンレイソウの根茎を「延齢草根」と呼び、民間薬として用いられています。腹痛や食あたり、高血圧などに効果があるとされ、エンレイソウによって命ながらえた人がいたことから「（エンレイソウ）延齢草」と名付けられました。
エンレイソウの仲間は葉が3枚、萼が3枚あり、学名である「Trillium」は、「3つ」「ユリ」という意味があります。また、エンレイソウは別名「立葵（タチアオイ）」と呼ばれることもあります。アオイ科の植物に「タチアオイ（立葵）」という同じ名前の植物がありますが、本種とは全く別種の植物です。
単に「エンレイソウ」と呼ぶ場合、本種だけでなく、白い花を咲かせる「ミヤマエンレイソウ（深山延齢草）」や、白く大きな花を咲かせる「オオバナノエンレイソウ（大花延齢草）」など、他のエンレイソウ属植物や、エンレイソウ属全般を指して用いられる場合もあります。
エンレイソウの詳細情報
| 園芸分類 | 草花 |
| 性質 | 多年草 |
| 開花時期 | 4月〜5月 |
| 花色 | 緑色・紫褐色 |
| 栽培難易度 | |
| 耐寒性 | 強い |
| 耐暑性 | やや弱い |
| 耐陰性 | 普通 |
エンレイソウの詳しい育て方
エンレイソウは東アジアの原産で、日本では北海道、本州、四国、九州に分布しています。主に低地や山林のやや湿った場所に自生しています。
エンレイソウの植え付け
植え付けは10月〜11月頃が適期です。春に芽が出て、花が咲くまでの間はよく日の当たる場所に置きましょう。その後は直射日光を避けて、明るい日陰に置きましょう。また、夏は涼しい場所が適しています。
用土は鹿沼土に赤玉土と腐葉土を混ぜたものを使って植え付けたら、たっぷり水やりをしましょう。鉢植えの場合は、地下茎より大きいもので深鉢を使いましょう。
エンレイソウの水やり・肥料
エンレイソウは乾燥に弱いため、土の表面が乾燥したらたっぷりと水やりをしましょう。特に夏場は水切れに気をつけましょう。冬は休眠していますが、地下茎は生育していますので、土が乾燥して数日経ったら水やりをしましょう。
エンレイソウの生育には肥料が欠かせません。肥料不足の株は、成長や開花に影響します。与える肥料は固形肥料と液体肥料を使い分けましょう。
固形肥料は春の芽出しの頃、3月〜4月に、油かすと骨粉を混ぜたものを与えましょう。花後の6月〜7月と9月〜10月頃に液体肥料を10日に1回程度与えましょう。ただし、真夏の暑い時期と、葉が枯れた休眠期は肥料を与えないようにしましょう。
エンレイソウの害虫や病気
害虫はハダニ、アブラムシなどが発生することがあります。春に新芽や蕾についたり、気温が高くて乾燥する時期に発生するため、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気はマイコプラズマ病があります。症状は株が全体的に寸詰まりになったり、花弁が緑色になったり、緑の縞が入るなどがあります。その後成長不良を起こして枯れてしまいます。この病気は治療ができないため、株ごと廃棄しましょう。
エンレイソウの誕生花・花言葉
エンレイソウは「7月24日」の誕生花です。
エンレイソウの花言葉は「叡智」「熱心」「奥ゆかしい美しさ」です。
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エンレイソウのまとめ
エンレイソウは、果実が食用となり、根茎は有毒成分を含みますが生薬としても利用され、大きな葉と春には花弁を持たない花を咲かせます。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非エンレイソウを育ててみてはいかがでしょう！