イヌサフランの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説

イヌサフランの花

こちらでは、イヌサフランの植物図鑑と育て方を私の経験を元にわかりやすく解説します。
造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
MIDORI
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この記事の監修者

フラワーショップ店長【ミドリ】プロフィール

イヌサフランとは

イヌサフランの群生

 

植物名   イヌサフラン


学 名   Colchicum autumnale


和 名   イヌサフラン


別 名   コルチカム


英 名   Autumn crocus/ Meadow saffron


科 名   イヌサフラン科


属 名   イヌサフラン属


 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

イヌサフランの特徴

イヌサフランの球根

 

イヌサフランは草丈15cm〜25cm程になるイヌサフラン科の多年草です。日本では9月〜10月頃に開花します。

イヌサフランは地下に肥大した球茎があり、球茎の外皮は褐色の繊維質です。

イヌサフランの花は茎の中心から、1〜数個の花を咲かせます。花は径7cm〜10cm程の基部が細くなる筒状花で、花弁は6個あり、淡い紫色です。

イヌサフランの葉は根出する単葉で、3~6枚出ます。葉は長さ20cm~30cm程の披針形で、早春に伸び出して、6月頃には枯れて休眠します。

 
 

イヌサフランの名前

イヌサフランという名前は、香辛料で知られる植物「サフラン」に似ている花を咲かせますが、本種は食材として役に立たないということから「イヌサフラン」と名付けられました。ただし、本種イヌサフランはイヌサフラン科の植物で、サフランはアヤメ科なので、全く別種の植物です。

また、イヌサフランは花が可愛く、開花が簡単なことから「コルチカム」という名前で園芸用に流通しています。

 

イヌサフランの毒性

イヌサフランの球茎(球根)や種子には「コルヒチン」という物質が含まれていて、これを誤って摂取すると下痢、嘔吐、皮膚の知覚麻痺、呼吸困難を発症し、重症の場合は死亡することもあるため、誤って食べないように注意しましょう。

イヌサフランの葉が、食用の山菜である「ギョウジャニンニク(行者大蒜)」と間違えられることがあります。見分け方としては、イヌサフランは無臭で、葉は隙間なく重なりますが、ギョウジャニンニクは特徴的な匂いがあり、葉に隙間が空いているため見分けることができます。

また、イヌサフランがサフランと似ているため、花柱を乾燥させた物がスパイスや鎮静・鎮痛・通経薬として使用できると誤認しての中毒例もあるため注意が必要です。

 
 

イヌサフランの利用

イヌサフランに含まれている「コルヒチン」という物質は、リウマチや痛風に有効とされ、医薬品として薬事法で認可、販売、処方されています。

また、植物の細胞分裂に影響を与えて倍数体にする作用があり4倍体の作成や、種子を作らない3倍体品種の作成などといった細胞学の実験や品種改良に利用されています。

 

イヌサフランの詳細情報

園芸分類球根植物
性質多年草
開花時期9月〜10月
花色淡紫色
栽培難易度
耐寒性強い
耐暑性強い
耐陰性やや弱い
 
 

イヌサフランの詳しい育て方

イヌサフランの葉

イヌサフランはヨーロッパ〜北アフリカにかけて分布して、主に湿った原野などに自生しています。コルチカムなどの名前で園芸品種としても流通しています。

 

イヌサフランの植え付け

植え付ける時期は9月〜10月頃が適期です。冬から春の生育期(葉の出ている時期)は日当たりの良い場所で育てましょう。生育に適した気温は15℃〜25℃程度ですが、耐寒性があるため冬でも特に防寒対策をする必要はありません。

鉢植えの場合は、球根が大きいため、4~5号鉢に1球が目安です。植え付ける深さは球根の先端が地表より少し下の位置になるように植え付けましょう。庭植えの場合は、深さ5cm程で、花後に葉っぱが茂るため20cm程の間隔を空けて植え付けましょう。用土は腐葉土に川砂を混ぜたものを使いましょう。

 

イヌサフランの空気栽培

イヌサフランは秋になると、土に植わっていなくても花が咲くという非常に特殊な性質があります。カゴや容器に入れて鑑賞するという、ほかの植物にはない楽しみ方ができます。ただし、花が終わったらすぐに土に植えないと、翌年は花が咲きません。

空気栽培では水も不必要とされますが、そのまま野ざらしにしていると、球根がシワシワになってしまいます。そのため、霧吹きで球根に水を吹きかけて給水してあげましょう。

 

イヌサフランの水やり・肥料

庭植えの場合は降雨で問題ありません。鉢植えの場合は、生育期間中は土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。特に春以降の球根が太る時期は水切れしないようにしましょう。休眠期はあまり水を必要としませんので、用土が乾燥したら水やりをしましょう。

庭植えの場合は、4月頃と、10月頃に緩効性化成肥料を与えましょう。鉢植えの場合は、秋〜春にかけて葉が枯れるまでは、液体肥料を2週間に1回程度与えましょう。

 

イヌサフランの害虫や病気

害虫は、根ダニが発生することがあります。根を食べるダニの一種で春に発生します。他のユリ科植物から伝染ることがあります。薬剤を散布するか、球根を梅雨前に掘り上げて乾燥保存しましょう。

病気は、白絹病があります。株の根元が白い絹のようなカビで覆われて、枯れてしまいます。病気に感染すると治療ができないので、株は掘りあげて処分しましょう。湿度が高い環境で発生しやすいため、水はけをよくしましょう。

 

イヌサフランの掘り上げ

イヌサフランは掘り上げをせずに、植えたままでも問題ありません。ただし、病害虫の対策や、分球のために掘り上げて、改めて植え付ける方法もあります。

鉢植えは2年に1回、庭植えは3~4年に1回を目安に掘りげましょう。掘り上げは5月〜6月頃に葉っぱが黄色く変色して枯れたタイミングの休眠期が適期です。掘り上げた球根をネットに入れて、風通しの良い日陰で管理しておき、植え付け時期の9月〜10月頃に植え付けましょう。

 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

イヌサフランの誕生花・花言葉

イヌサフランの開花

 

イヌサフランは「9月21日」の誕生花です。

イヌサフランの花言葉は「永続」「美徳」「悔いなき青春」「危険な美しさ」「華やかな美しさ」「楽しい思い出」「私の最良の日は過ぎた」などがあります。

 
 

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イヌサフランのまとめ

イヌサフランの花

イヌサフランはいかがでしたか?
イヌサフランは秋に花が咲き、その後に葉っぱが出て、梅雨になると枯れて休眠するというサイクルで生育し、土がなくても開花する特殊な性質があり、園芸品種としても楽しまれる植物です。
育てるのは簡単なので、みなさんも是非イヌサフランを育ててみてはいかがでしょう!
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