造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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カサブランカとは
植物名 カサブランカ
学 名 Lilium ‘Casa Blanca’
和 名 カサブランカ
英 名 Casablanca
科 名 ユリ科
属 名 ユリ属
カサブランカの特徴
カサブランカは草丈100cm〜200cm程になるユリ科の多年生植物です。日本では6月〜8月頃に美しい花を咲かせます。
カサブランカは地上の茎が直立して、地下の鱗茎は径10cm程の肉質な黄白色の扁球形です。
カサブランカの花は茎の上部に総状花序を出し、数個の大きな花が横向きに開きます。花は径15cm〜20cm程の漏斗状になります。花被片は6枚あり、外側に反り返り、白色で内面には複数の小さな突起があり、花粉はオレンジ色で強い芳香があります。
カサブランカの葉は互生する単葉で、長さ10cm~15cm程の先が尖った披針形で、葉の表面には光沢があります。
カサブランカの名前
本種カサブランカは園芸品種で、品種名称のカサブランカという名前は、モロッコの都市である「カサブランカ」に因んで名付けられたという説があります。
カサブランカは、日本原産の「ヤマユリ(山百合)」や、「タモトユリ」を原種として掛け合わせた「オリエンタル・ハイブリッド」品種で、オランダで誕生した園芸品種です。
ユリの文化
東洋ではユリは鑑賞花としてだけでなく、食用や薬用にも使用されています。日本でのユリの観賞は、明治30年代頃からであり、幕末にフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが日本のユリの球根を持ち帰り、復活祭に用いられるイースター・リリーとして大流行すると、球根は近代日本の絹に次ぐ二番目の主要輸出品として外貨を獲得しました。
なお持ち帰られたのは南西諸島原産の「テッポウユリ(鉄砲百合)」であり、これが現在のイースターの象徴として定着しました。そしていわば逆輸入されるかたちで明治末に鑑賞花としてユリの花が流行しました。
ユリには「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という美しい女性の容姿や立ち居振る舞いを花に例えて形容する言葉があります。
カサブランカの詳細情報
園芸分類 | 球根植物・切り花 |
性質 | 多年草 |
開花時期 | 6月〜8月 |
花色 | 白色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
耐陰性 | 普通 |
カサブランカの詳しい育て方
カサブランカはオランダで誕生した園芸品種で、日本だけでなく海外でも観賞用品種として栽培されています。「ユリの女王」とも言われ、アレンジメントやウエディングなど冠婚葬祭にもよく利用されている人気の植物です。
カサブランカの球根植え
球根を植える適期は10月〜11月頃です。管理場所は、午前中は日向で午後は明るい日陰になる場所か、一日中明るい日陰で育てましょう。直射日光や西日が当たる場所では枯れてしまいます。用土は球根用の土を使用して植え付けましょう。
鉢植えの場合は、球根の直径で3倍程の深さのある鉢を選び、球根1個分以上深く、株間は球根3個分以上空けて植え付けましょう。地植えの場合は、定植2週間前に深さ30cm以上をよく耕しておきましょう。植え付けは、球根2個分程の深さ、株間は球根3個分以上空けて植え付けて、たっぷりと水やりをしましょう。
植え替えは、鉢植えでは1〜2年に1回、庭植えでは2〜3年に1回行いましょう。植え替える際は、連作障害が出やすいため、新しい用土を使いましょう。
5月〜6月頃になり、草丈が高くなってきたら支柱を添えて倒れないようにしましょう。長さ1.5mの支柱を、球根に当たらない様に茎から10cm〜15cm程離して立てましょう。
カサブランカの水やり・肥料
庭植えの場合は根付いたら降雨だけで問題ありませんが、夏の時期など乾燥が続くようであれば水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土が乾燥したらたっぷりと水やりをしましょう。極端に乾燥させると球根を傷めてしまうため注意しましょう。
肥料は芽を出してから、葉っぱが元気なうちは継続して与えましょう。肥料は緩効性化成肥料を1ヶ月に1回、または液体肥料を1週間に1回与えましょう。
カサブランカの害虫や病気
害虫はアブラムシが発生することがあります。アブラムシは茎や芽から汁を吸って株を弱らせます。害虫を見つけたら早めに取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気はウイルス病、葉枯病があります。ウイルスが原因の病気で、感染すると花や葉にモザイク模様が出てきます。発病すると治らないので、見つけたら株ごと抜き取り、焼却処分しましょう。
カサブランカの花がら摘み
花後に種子を採取しない場合は、花がしおれたら、花茎から切り取りましょう。放置していると種子をつくり、種子に栄養を取られて株が弱ってしまいます。花が綺麗なうちに切り取って切り花とし楽しむ方法もあります。また、花後も葉っぱは残して、こまめに花がらを摘み取り、球根を太らせましょう。
カサブランカの掘り上げ
花後、地上部が黄色くなって枯れ始めたら休眠します。休眠状態になったら球根を掘り上げて、新しい土を使って植え直しましょう。球根を保管する場合は、球根の土を落として、湿らせたピートモスを入れた袋の中に埋めて、涼しい場所で保管しましょう。
球根が分球できる状態に太っていたら、掘り上げた際に増えた球根をはずして分球することもできます。また、鉢植えで育てている場合は、掘り上げずに鉢ごと涼しい場所で管理しても大丈夫です。
カサブランカの誕生花・花言葉
カサブランカは「5月9日」「7月31日」「11月6日」「12月21日」の誕生花です。
カサブランカの花言葉は「純粋」「無垢」「高貴」「祝福」「雄大な愛」「壮大な美しさ」などがあります。
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カサブランカのまとめ
カサブランカは日本原産のユリから誕生した園芸品種で、真っ白で優美な花姿と特徴的な香りから「ユリの女王」とも呼ばれ、世界的に人気の植物です。
育てるのはコツが要りますが、みなさんも是非カサブランカを育ててみてはいかがでしょう!