カトレアの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説

赤いカトレアの花

こちらでは、カトレアの植物図鑑と育て方を私の経験を元にわかりやすく解説します。
造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
MIDORI
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この記事の監修者

フラワーショップ店長【ミドリ】プロフィール

カトレアとは

白いカトレアの花

 

植物名   カトレア


学 名   Cattleya


和 名   カトレア / カトレヤ


英 名   Cattleya


科 名   ラン科


属 名   カトレア属


 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

カトレアの特徴

ピンクのカトレアの花

 

カトレアは草丈20cm〜100cm程になるラン科の多年草です。鉢植えとしても切り花としても、華やかで優雅な姿形から最も有名な洋ランとして「洋ランの女王」と言われています。

カトレヤは着生植物であり、匍匐茎の節から出る白くて太い根で樹皮に張り付いています。根の表面は白いスポンジ状の死細胞からなる組織で覆われていて、雨水や着生した樹木の樹皮を伝って落ちてきた水をすばやく吸収して、その後でゆっくりと内側の生きた組織で吸収します。

カトレアの匍匐茎はあまり伸びずに、数節だけ成長した後にすぐに立ち上がり、多肉質のバルブ(偽球茎)となります。

バルブはこん棒状で偏平な数節からなりますが、そのうちの1節だけが長く発達して、先端には1枚だけ或いは2枚の葉を付けます。これは同じ個体でも個々のバルブで変異があることがあります。

カトレアはさまざまな種があり、春咲き(3月〜4月)、夏咲き(6月〜8月)、秋咲き(9月〜11月)、冬咲き(12月〜翌2月)があります。

カトレアの花は偽球茎の先端から出て1輪〜数輪付き、花茎の基部は葉鞘に包まれています。唇弁は全縁または3つに裂けて、基部は蕊柱を包むように内曲するので唇弁全体が漏斗状になります。

また、周囲はひだになってうねり、中央は濃く色づくものが多く、花びらは大きく開き、正面を向きます。花色は白やピンク、赤、オレンジ、黄色、青、紫、緑、複色などさまざまで、非常に華やかなものが多くあります。

 

世界四大洋ラン

洋ランには様々な品種がありますが、本種カトレアと、「パフィオペディルム」、「デンドロビウム」、「シンビジウム」の四属が有名で、これらは「世界四大洋ラン」と呼ばれています。

ちなみに、日本では贈答品として有名な「コチョウラン(胡蝶蘭)」は、同じラン科の植物ですが、東南アジア原産なので洋ランではなく、「東洋ラン」に分類されます。

 
 

カトレアの名前

カトレアは、1818年にブラジルで発見され、その後イギリスで最初に開花しました。最初に開花させた園芸家の「W.Cattley(カトレイ)」にちなんで名前が付けられたと言われています。

 

カトレアの詳細情報

園芸分類ラン・切り花
性質多年草
開花時期3月〜4月(春咲き)/ 6月〜8月(夏咲き)/
9月〜11月(秋咲き)/ 12月〜翌2月(冬咲き)
花色白色・ピンク色・黄色・他
栽培難易度
耐寒性弱い
耐暑性強い
耐陰性やや弱い
 
 

カトレアの詳しい育て方

ピンクのカトレアの花

カトレアの原産は中南米で、コロンビア、ベネズエラ、ブラジル、エクアドルなどに分布し、特にアンデス山脈などの標高100m~1500m程度の森林地帯に自生しています。カトレアは着生植物で、自生地では木の樹皮に付着して生育しています。

日本へは明治時代に渡来して、多くの愛好家により観賞用として栽培されています。また、現在では多くの交配種、園芸品種が栽培されています。

 

春咲きのカトレア

春咲きのカトレアは、開花が3月〜4月頃です。開花後に芽が伸びて夏を越して、9月〜10月頃に蕾を包む「シース」が出てきます。このシースの状態で冬を越し、翌春に開花します。

 

夏咲きのカトレア

夏咲きのカトレアは、開花が6月〜8月頃です。3月頃から生育が始まるのですが、開花まで非常に短い期間しかありません。この生育時期に肥料・日光・水の条件を揃えて、一気に生育させないと開花が鈍くなってしまいます。

 

秋咲きのカトレア

秋咲きのカトレアは、開花が9月〜11月頃です。春に芽吹いて、それが夏までに大きく育ち、シースをつけ、シースの中の蕾が秋に開花し、冬は休眠状態で過ごします。また、秋咲きのカトレアはシースが二重になっている品種が多くあります。

 

冬咲きのカトレア

冬咲きのカトレアは、開花が12月〜翌2月頃です。ただし、冬咲きといっても12月〜翌2月に気温を15℃以上に保てる環境の場合で、10℃以下まで気温が下がる場合の開花は3月〜4月頃になり、春咲きと同じ時期になります。

 

不定期咲きのカトレア

不定期咲きのカトレアは、いろいろな種を掛け合わせて交配したものによく見られます。新芽を年に数回出して、その都度開花します。種によっては年に2〜3回開花します。

 
 

カトレアの置き場所

カトレアは1年を通して日当たりが良く、風通しの良い場所で管理しましょう。出来るだけ長い時間日光に当てるようにしましょう。

ただし、真夏の直射日光に当たると葉焼けを起こしてしまうので、真夏は明るい日陰か、遮光ネットで30%程カットして管理しましょう。

室内で管理する場合は、窓辺のレース越しに置き、冷暖房が当たらないようにしましょう。また、冬の時期、夜は冷えるため窓辺から部屋の中央へ移動させましょう。

 

カトレアの植替え

植替えは2年に1回程度、4月〜5月頃が適期です。植替え時期が遅れると育成が遅れ、翌年に花を付けない原因にもなります。根がびっしり張っていて鉢からどうしても抜けない場合は、根を傷つけないように鉢を割って取り出しましょう。

また、根が長く伸びすぎて鉢に収まらない場合、無理に曲げると折れてしまうので鉢外に出しておきましょう。

 
 

カトレアの用土

カトレアの生育に園芸用用土は使用しません。水苔やヤシ殻チップ、バークチップなどを使用しましょう。通気性の良い素焼きの鉢に水苔を使って植え付ける方法が一般的です。

 

カトレアの水やり

春から秋の生育期は、植え込み材料の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。その際、受け皿に溜まった水はその都度捨てましょう。冬の休眠期は乾燥気味に管理し、表面が乾いて数日経ってから水やりをしましょう。ただし、蕾が伸びている場合は冬でも水やりをしましょう。

また、カトレアは本来、湿度の高い場所で育つ植物ですので、年間を通して葉っぱにも霧吹きで葉水をやりましょう。

 

カトレアの肥料

肥料は春から秋口まで、薄めた液体肥料を月2回程度与えましょう。また、5月頃に緩効性化成肥料を少量与えましょう。また、夏の猛暑で生育が弱っている場合は、秋の涼しくなる時期まで液肥を中断しましょう。

 

カトレアの害虫や病気

害虫はアブラムシやカイガラムシ、ナメクジなどが発生することがあります。食害されると株が弱ってしまうので、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。

病気はウイルス病やうどんこ病があります。鉢の受け皿に溜まった水や剪定したハサミ等からウイルス性の病気に感染します。病気にかかると成長しなくなり、花や葉に斑点が出ます。病気は伝染し、治療法はありませんので、見つけたら処分しましょう。

 

カトレアの支柱立て

バルブが完成する頃に、支柱を立てて株の形を整えましょう。この際、支柱をやや長めに残しておき、蕾が膨らんできたら折れないように留めましょう。

 

カトレアの花がら摘み

花が咲いた後、茶色になってきたら花を花茎の下から切り取りましょう。葉やバルブは次の新芽が育つために必要なので、切らないように注意しましょう。

 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

カトレアの誕生花・花言葉

カトレアの花

 

カトレアは「1月13日」「3月31日」「10月14日」「11月24日」「12月23日」の誕生花です。

カトレアにはさまざまな花色があり、その花色ごとに花言葉があります。

ピンクのカトレアの花言葉は「成熟した大人の魅力」です。

白のカトレアの花言葉は「魔力」です。

黄色のカトレアの花言葉は「魅力」です。

紫のカトレアの花言葉は「優美な女性」です。

「優美な貴婦人」や「成熟した大人の魅力」という花言葉は、カトレアが「ランの女王」とも呼ばれる優雅で気品ある姿に由来します。

 

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カトレアのまとめ

黄色のカトレアの花

カトレアはいかがでしたか?
カトレアは「洋ランの女王」と呼ばれるほど華やかで、とても美しく見応えがあります。さまざまな品種が存在し、四季に合わせて開花する種があるので、年間を通しても楽しめます。
慣れてしまえば育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非カトレアを育ててみてはいかがでしょう!
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