造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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ギンバイカとは
植物名 ギンバイカ
学 名 Myrtus communis
和 名 銀梅花
別 名 下に記載
英 名 Common myrtle
科 名 フトモモ科
属 名 ギンバイカ属
ギンバイカの特徴
ギンバイカは樹高1ｍ〜3m程になるフトモモ科の常緑低木です。日本では5月〜7月頃に花を咲かせます。
ギンバイカの幹は灰色～褐色で、成長すると薄く剥がれます。若い枝には腺毛があります。
ギンバイカの葉は対生する単葉で、長さ2cm〜5cm程の卵状披針形になり、光沢のある濃い緑色になります。葉は傷付けると「ユーカリ」に似た芳香があります。
ギンバイカの花は葉腋に単生して、径3cm程の5弁花で、白色〜ピンク色を帯びます。花弁よりも長い多数の雄しべが目立ち、花には甘い香りがあります。
ギンバイカの果実は液果で、長さ1cm程の広楕円形〜球形で、秋頃に黒紫色に熟します。
ギンバイカの名前
ギンバイカという名前は、白い花が「ウメ（梅）」に似ているとして名付けられました。ギンバイカの花や葉には強い香りがあることから、「ギンコウバイ（銀香梅）」や、「ギンコウボク（銀香木）」などの別名もあります。
ヨーロッパでは昔から「ヴィーナスが愛した花」として広く普及し、結婚式や祝い事に使われたことから、「イワイノキ（祝いの木）」とも呼ばれています。
また、ギンバイカの葉は、その強い香りからハーブとして利用され、「マートル（Myrtle）」という名前で流通しています。ほかにも、果実や葉を用いて「ミルト（Mirto）」というお酒が作られたり、料理の香り付けや薬用、精油の原料としても利用されています。
庭木として流通している品種は、本種ギンバイカよりも樹高が低く、枝葉が密生して小さい「ヒメギンバイカ」や、葉に白い模様が入る班入り品種の「バリエガタ」などがあります。
ギンバイカと似ている植物
ギンバイカと名前が似ている植物に、「ギンバイソウ（銀梅草）」という草花があります。どちらもウメに似た花を咲かせることから名付けられていますが、見た目は全く異なります。また、本種ギンバイカはフトモモ科ですが、ギンバイソウはアジサイ科なので、全く別種の植物です。
ギンバイカの詳細情報
| 園芸分類 | 庭木 |
| 性質 | 常緑低木 |
| 開花時期 | 5月〜7月 |
| 花色 | 白色・ピンク色 |
| 栽培難易度 | |
| 耐寒性 | やや弱い |
| 耐暑性 | 強い |
| 耐陰性 | やや弱い |
ギンバイカの詳しい育て方
ギンバイカは地中海沿岸の原産で、ヨーロッパでは古くから親しまれている樹木です。日本では葉の密度が高く、可愛い花を咲かせる低木として生け垣などに植栽されたり、ハーブとしても利用されています。
ギンバイカの苗植え
苗の植え付けは3月〜4月頃が適期です。日当たり〜半日陰でも育ちますが、日光に当たらないと花付きが悪くなるため、日当たりの良い場所が適しています。また、耐寒性がやや弱いため、強い寒風が当たらない場所が良いでしょう。
用土は赤玉土に腐葉土と堆肥を混ぜたものなど、水はけの良い土に元肥として、緩効性化成肥料を混ぜ込みましょう。
ギンバイカの水やり・肥料
庭植えの場合は、根付いてからは降雨で問題ありません。夏場など乾燥が続いているようなら水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土が乾燥したら水やりをしましょう。
植え付け時に緩効性化成肥料を混ぜ込み、追肥は2月頃に寒肥として、化成肥料を株元の周辺にすき込んであげましょう。
ギンバイカの害虫や病気
害虫はハダニやカイガラムシが発生することがあります。食害して株を弱らせるので、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気はさび病があります。原因はカビの一種で、感染すると葉が変色し弱ってしまいます。見つけたら感染箇所を取り除き、殺菌剤を散布して被害を食い止めましょう。
ギンバイカの剪定
ギンバイカは花後の8月頃には翌年の花芽が形成されるため、開花後の7月頃が剪定の適期です。花芽が目視できる開花前の4月頃も剪定可能ですが、花数は減ってしまいます。
本来は自然樹形を鑑賞する樹木ですが、枝葉が密生するため、生け垣としてもよく植栽されています。自然樹形であれば、長く伸びた枝や混み合った枝、枯れ枝などを切り戻しましょう。生け垣の場合は、刈り込んでもしっかりと芽吹きます。
また、ギンバイカは幹があまり太くならないため、枝葉が茂った株は、風当たりの強い場所では枝や幹が折れやすくなるため注意が必要です。
ギンバイカの誕生花・花言葉
ギンバイカは「2月9日」「9月21日」の誕生花です。
ギンバイカの花言葉は「愛」「愛のささやき」「高貴な美しさ」などがあります。
「高貴な美しさ」という花言葉は、ギンバイカは古代ギリシアでは美の女神と豊穣の女神に捧げられたことから付けられたと言われています。
「愛」「愛のささやき」という花言葉は、ギンバイカが結婚式の飾りや花嫁のブーケに使われたことから付けられたと言われています。
ギンバイカのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが！
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
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ギンバイカのまとめ
ギンバイカは香りの強い葉や、可愛らしい白い花を咲かせて、庭木や生け垣として植栽されるほか、ハーブとしても楽しまれている樹木です。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ギンバイカを育ててみてはいかがでしょう！