造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
この記事の監修者
ゴボウとは
植物名 ゴボウ
学 名 Arctium lappa L.
和 名 牛蒡
英 名 Edible burdock / Greater burdock
科 名 キク科
属 名 ゴボウ属
ゴボウの特徴
ゴボウは草丈100cm〜200cm程になるキク科の多年草です。日本では根菜として根を食用とする淡色野菜の一種です。
ゴボウは地下に丈夫な直根が長く伸びます。日本ではこの根を食用とします。茎は紫色を帯びて、よく枝分かれします。
ゴボウの花は5月〜7月頃に開花します。花は径3cm〜5cm程の頭花が散房状に集まって付きます。頭花は紅紫色の筒状花からなり、総苞は球形で、先端が鉤状のトゲになる総苞片が多数並び、「モリアザミ(森薊)」によく似ています。
ゴボウの葉は互生する単葉で、根生葉は葉柄があり、長さ20cm~30cm程の心形で、茎葉は上部になるほど卵形になり、小さくなります。葉の表面は緑色でまばらに毛があり、裏面は白っぽくなります。
ゴボウの果実は痩果で、長さ5mm〜8mm程の倒卵形になり、褐色で冠毛があります。
ゴボウの歴史
ゴボウは平安時代に中国から薬草として渡来したと言われています。リンネの「植物の種」に記載された植物の一つで、世界各地に自生していますが、ゴボウを野菜として利用しているのはほぼ日本のみで、韓国や台湾、ハワイの市場でも見ることができますが、日本は最大の生産者かつ消費者です。
中国では現在も薬用として利用されていますが、日本では根を食用にするため、品種改良を行って様々な品種を栽培しています。ゴボウは外国産植物の中で、日本で作物化された唯一の例とされています。
ゴボウの品種
ゴボウは大きく分けると長根種と短根種があります。関東地方では耕土が深いため、「滝野川ゴボウ」に代表される根が細くて長い長根種が主流で、関西地方では一般に耕土が浅いため、「堀川ゴボウ」に代表される根が太くて短い短根種が主流です。栽培の主流となっているのは長根種の滝野川ゴボウとその改良種であり、収穫時には直径3cm、長さ1m前後に成長します。
また根を食用とせず、葉ゴボウとして葉を食用にする根が肥大しない「越前白茎種」などがあります。根は短く、若い茎と葉を食べる品種で、代表的なものに福井県春江町の越前白茎や、大阪府八尾市の「若ゴボウ」があり、関東地方にはほとんど出回りません。葉ゴボウは油炒め、酢味噌和え、天ぷらなどにして食べられています。
ゴボウの食用
日本では根を食用にし、ゴボウが持つ独特の香りや歯触りが好まれて、伝統野菜として親しまれています。旬は冬ですが、新ゴボウの旬は春〜初夏になります。新ゴボウは、冬のゴボウより一回り小さくて色が薄く、食感は軟らかく、香りも良いと言われています。
ゴボウの根は真っ直ぐでひげ根が少なく、太さは均一で、握ったときにしっかりした弾力があるものが良品とされ、育ちすぎや鮮度が落ちていると断面の中心に空洞が入り、切ってみるとスが入った(中がスカスカな状態)になっていることがあります。
ゴボウの香りや旨味は根皮の部分に多く含まれていて、調理の際は皮を剥かずに泥を洗い落とす程度にして使われ、きんぴらゴボウなどの煮物や、天ぷらなどの揚げ物に使われるほか、スライスしたものを焙煎したゴボウ茶や、細切りにした根を湯がいてサラダにもします。また、八幡巻きや、ささがきゴボウを使った柳川鍋には欠かせない食材とされています。
ゴボウの栄養
ゴボウは可食部となる生の根に、野菜としては含まれる水分の割合が少なく、炭水化物がかなり多い野菜です。タンパク質も多く、食物繊維が豊富でミネラル類をバランス良く含むことが特徴で、皮にはポリフェノールであるクロロゲン酸が豊富に含まれています。
ゴボウの薬用
中国えは古くから、根、果実、葉などの様々な部分を薬用として利用しています。果実はトゲのある様子から「悪実(あくじつ)」と言われ、漢方薬として「牛蒡子(ごぼうし)」と呼ばれる生薬であり、解毒の作用があると考えられ、消風散、柴胡清肝湯、駆風解毒湯などに処方されています。欧米ではゴボウの根を薬用ハーブとして、ハーブティーなどに用いられています。
日本には薬草として中国から伝来し、薬草としては発汗利尿作用のある根を「牛旁根(ごぼうこん)」と称し、浮腫、咽頭痛、解毒に用いる種子を「牛旁子(ごぼうし)」と称して用いています。ゴボウは熱をとる力が強い薬草で、熱性が強い風邪や咳に良いと言われ、乾燥葉を煎じた液で1日数回うがいすれば、口内炎、扁桃炎、歯茎の腫れなどの炎症性疾患に効果があると言われています。
ゴボウの詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
性質 | 多年草 |
開花時期 | 5月〜7月 |
花色 | 紅紫色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 弱い |
ゴボウの詳しい育て方
ゴボウはアジア、ヨーロッパの原産と考えられ、日本へは平安時代に薬草として渡来したと言われています。日本では根を食用にするため、品種改良を行って様々な品種が栽培されています。
全国的に栽培されていますが、北海道、青森県、茨城県が産地としては有名で、一年を通して流通していますが、ゴボウの旬は11月〜翌1月頃になり、新ゴボウは4月〜6月頃が美味しい旬の時期になります。
ゴボウの畑作り
ゴボウは根が地中深くまで伸びるため、できるだけ深く耕しておきましょう。長根種は70cm〜100cm、短根種は30cm〜50cm程伸びます。ゴボウは連作障害が出やすいため、同じ場所での栽培間隔を4〜5年あけるようにしましょう。
種まきの2週間前に苦土石灰を混ぜて耕し、1週間前に完熟たい肥と元肥を施し、再びよく耕しましょう。その後、幅50cm~60cm、高さ10cm~30cmの畝を作りましょう。耕土が浅い場合は高畝にしましょう。
ゴボウの種まき
種まきの適期は3月〜4月頃です。ゴボウの種は種皮が硬く、種まきの前に発芽率を上げるため、種を一晩水に浸けておきましょう。株間10cmで、1箇所に4〜5粒ずつ点蒔きしましょう。ゴボウの種は好光性種子ですので、薄く覆土して軽く押さえたらたっぷり水やりをしましょう。
ゴボウは好光性種子のため、日光が当たる場所で管理し、乾燥しないように水やりをしましょう。発芽温度は20〜25℃で、発芽日数は10日〜14日程です。この際、雑草が生えるようであればこまめに除草しましょう。
ゴボウの間引き
発芽して、本葉が1枚の頃、良い株を2本残して間引きましょう。本葉が3〜4枚の頃に、もう一度間引いて1本立ちにしましょう。この際、真っ直ぐ上に伸びている株を残しましょう。
ゴボウの水やり・肥料
畑栽培の場合は、降雨だけで問題ありませんが、夏場など極端に乾燥するようなら水やりをしましょう。この際は朝か夕方に水やりをしましょう。
肥料は、畑作りの際の元肥と、追肥は2回に分けて行いましょう。追肥は、2回目の間引きの後に、株元周辺に化成肥料を施し、その後、本葉が5〜6枚の頃に、同じく株元周辺に化成肥料を施しましょう。この際、周りの土を耕し、土寄せもしましょう。
ゴボウの害虫や病気
害虫はアブラムシ、ヨトウムシ、ネキリムシ、ネコブセンチュウなどが発生することがあります。食害されると株が弱ってしまうため、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。ゴボウは連作による線虫の被害が多く、前作の野菜の根部やその土壌が原因のため、畑の選定に注意しましょう。
病気は黒斑細菌病、モザイク病、うどんこ病があります。うどんこ病は葉の表面にカビの胞子が付き、白い粉をかけたようになります。病気の部分は取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
ゴボウの収穫
ゴボウは収穫するのが遅れるとスが入るため、適期に全部掘り取り、土をかぶせて保存しましょう。長根種は春まきでは種まき後150日前後、直径2cm程までに収穫しましょう。短根種は種まき後75日、太さ1.5~1.7cm、長さ30~40cmを目安に収穫しましょう。どちらも根が直径1cm程なら若ゴボウとして収穫、利用できます。
収穫方法は、葉を地上10cm程で刈り取り、根を傷つけないように注意しながら周囲を30cm〜40cm程掘り下げて、掘り下げた穴の方に優しく倒しながら引き抜きましょう。
ゴボウの誕生花・花言葉
ゴボウは「3月29日」の誕生花です。
ゴボウの花言葉は「用心」「いじめないで」「私に触れないで」「しつこくせがむ」などがあります。
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ゴボウのまとめ
ゴボウは初夏にアザミのような、トゲが並ぶ花を咲かせ、海外では主に薬用として利用され、日本では食用に利用される野菜として知られています。
育てるのはそんなに難しくないので、、栽培場所に気をつけながら、みなさんも是非ゴボウを育ててみてはいかがでしょう!