造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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カシワバアジサイとは
植物名 カシワバアジサイ
学 名 Hydrangea quercifolia
和 名 柏葉紫陽花
英 名 Oakleaf Hydrangea
科 名 アジサイ科
属 名 アジサイ属
カシワバアジサイの特徴
カシワバアジサイは樹高1m〜2m程になるアジサイ科の落葉低木です。日本では5月〜7月頃に開花します。
カシワバアジサイの葉は対生する単葉で、長さ10cm〜25cm程で5〜7裂する掌状で、縁には鋸歯(きょし)があり、秋には紅葉します。この葉が原産地であるアメリカの「レッドオーク」に似ていることが和名の由来です。日本の「カシワ(柏)」とは全く異なります。
カシワバアジサイの花は、枝先に径15cm~25cm程の円錐花序を作り、萼片が花弁状に変化した白色から淡緑色を帯びた装飾花と、花序中央に多数の淡い緑色の両性花を付けます。装飾花は4枚あり、一重咲きや八重咲き品種もあります。
カシワバアジサイの毒性
アジサイ属の植物には毒性があり、アジサイの葉を食べて食中毒を引き起こした事例があります。
アジサイ属の毒成分は解明されていない部分が多くあります。触っても問題はありませんが、食べないように注意しましょう。また、ペットなどが食べてしまわないように注意が必要です。
カシワバアジサイの仲間
カシワバアジサイは、葉が楕円形になる一般的なアジサイとは異なり、葉が掌状に裂けるのが特徴で、花の形も円錐形になる両性花の周りに装飾花が付きます。そんなカシワバアジサイと同じ、アジサイ科アジサイ属の植物はたくさんあり、近縁種の一部をご紹介します。
アジサイとして主に流通している植物で、梅雨時期に花を咲かせる代表的な庭木です。花はほぼ装飾花で、花色や品種もたくさんあり、庭木としてだけでなく、切り花やドライフラワーとしても楽しまれています。
アジサイ同様、古くから使われている梅雨時期に咲く庭木のひとつです。一般的なアジサイとは異なり、多数の両性花を中心に、装飾花が周りを縁取る特徴的な花を咲かせます。
ヤマアジサイは、ガクアジサイの亜種・変種と言われています。木全体の雰囲気は似ていますが、ヤマアジサイの方が幹枝は細く、花も小さくなります。
一般的なアジサイの蕾とは異なり、玉のようなひとつの蕾が付き、くす玉が割れるように開花することから名付けられました。花姿は、ヤマアジサイに似ていますが、蕾の付き方が異なり、タマアジサイの方が葉が大きくなります。
コアジサイは、アジサイ属にある特徴的な装飾花はなく、両性花のみの花を咲かせます。また、ほかのアジサイにはない甘い香りがあります。
ツルアジサイは、たくさんあるアジサイの仲間の中で、唯一のつる性植物です。花姿はヤマアジサイや、タマアジサイに似ていますが、近くの植物やフェンスなどに絡みついて伸びるため、成長した姿は全く異なります。
ガクウツギは、「ウツギ(空木)」に似ているため、名前にウツギと入っておりますが、アジサイの仲間です。アジサイのように両性花の周りに装飾花が並びますが、装飾花の萼片の大きさが不揃いになるのが特徴です。
ノリウツギは、ガクウツギと同様に名前に「ウツギ」が入りますが、アジサイの仲間です。ノリウツギの花はカシワバアジサイによく似た円錐形で、両性花の周りに装飾花が付きます。
カシワバアジサイと似ている樹木
カシワバアジサイと同じ、アジサイ属の仲間に「ノリウツギ」という樹木があります。ノリウツギは、本種カシワバアジサイと似ている円錐形の花を咲かせます。
簡単な見分け方としては、ノリウツギの葉は先が尖った楕円形ですが、本種カシワバアジサイは、葉が掌状に裂けますので、見分けることができます。
アジサイの名所
全国にはさまざまなアジサイの観光名所やお祭りがあります。梅雨時期に見頃を迎えるアジサイですが、数千株、数万株のアジサイが織りなす風景は一見の価値ありですよ。下記では全国のアジサイの名所をご紹介しておりますので、是非、ご覧ください。
一度は行ってみたい!全国のアジサイの名所【東日本編】
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カシワバアジサイの詳細情報
園芸分類 | 庭木 |
性質 | 落葉低木 |
開花時期 | 5月〜7月 |
花色 | 白色・淡緑色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
耐陰性 | 普通 |
カシワバアジサイの詳しい育て方
カシワバアジサイは北アメリカ東部の原産で、日本には明治時代に渡来したと言われています。ほかのアジサイとは異なり、あまり知られていませんが、耐寒性があり広い地域で庭木として植栽されています。
カシワバアジサイの植え付け
植え付けの適期は3月〜4月と9月〜10月頃です。日当たりの良い場所が好みですが、半日陰でもしっかりと開花してくれます。カシワバアジサイは夏場の乾燥や、西日に当たると株が弱ってしまうため、植え付け場所には注意が必要です。
用土は市販の花の培養土や、赤玉土に腐葉土を混ぜた水はけの良い土を使って植え付けて、たっぷりと水やりをしましょう。
カシワバアジサイの水やり・肥料
庭植えの場合は、根付くまでは表面が乾いたら水やりをしましょう。根付いてからは降雨で問題ありませんが乾燥が続くようであれば水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土が乾いたら水やりをしましょう。
肥料は寒肥として2月頃と、開花後のお礼肥に、油かすや緩効性化成肥料を株元に混ぜ込みましょう。
カシワバアジサイの害虫や病気
害虫はアブラムシやハダニなどが発生することがあります。食害により株が弱ってしまうので、見つけたらすぐに取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気はうどんこ病にかかりやすく、葉に粉をまぶしたように白くなる病気です。はじめはポツポツと白く粉をふいているように見えますが、悪化すると葉の全体が真っ白になり、葉にカビが生えたようになってしまいます。見つけたら早めに葉を取り除き、殺菌剤を散布して被害を食い止めましょう。
カシワバアジサイの剪定
カシワバアジサイは、苗木の枝を切らずに放任すると、枝分かれしないヒョロヒョロとした姿になりやすいので、苗木の段階で落葉期の冬に地際から20cm程の高さの芽のある位置でバッサリと切り落としましょう。
その翌年は開花しませんが、そうすることで地際から複数の枝が伸びて、バランスよくこんもりとした樹形に仕立てられます。樹形が出来れば、それ以降は毎年の軽い剪定で樹形を整えて、開花させることができます。
カシワバアジサイは花後の7月〜8月頃に翌年の花芽が形成されるため、開花中または開花後の7月〜8月頃が剪定の適期です。夏以降に剪定をすると花芽を落としてしまいます。
基本の樹形は半球状に整えて、枯れた枝や混み合っている枝があれば根本から切り落としましょう。
カシワバアジサイの挿し木の方法
カシワバアジサイの挿し木は6月〜7月が適期です。今年伸びた新梢を使い、枝の長さは15cm〜20cm程、上に葉を2枚〜3枚残し、下の葉も取り除きます。残した葉は半分くらいカットしましょう。(これは葉から水分が蒸発するのを防ぐためです。)
挿し穂の茎の下部分を斜めにカットして水に挿し、1時間以上水上げをしたら、用土に割り箸などで穴を開け、挿し穂の葉が重ならないように挿しましょう。根元を押さえたら、たっぷり水やりをしましょう。
鉢は明るい日陰に置き、乾いたら水をあげましょう。3週間〜1ヶ月程で発根しますので、発根したら肥料入りの培養土に植え替えましょう。
カシワバアジサイの誕生花・花言葉
カシワバアジサイは「5月24日」「6月9日」「8月20日」の誕生花です。
カシワバアジサイの花言葉は「慈愛」「清純」「優美」「汚れなき心」「元気な女性」「皆を引きつける魅力」などがあります。
カシワバアジサイのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
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カシワバアジサイのまとめ
カシワバアジサイは、ほかのアジサイ属とは異なり、円錐状のお花を咲かせ、掌状の葉を持ち、秋の紅葉も楽しめる樹木です。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非カシワバアジサイを育ててみてはいかがでしょう!